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第六話「クエストって真面目に働く気はあんまりない奴の稼ぎ方だと思う」

「朝か」


窓から入り込む光りに視覚を刺激され目を覚ます。


あの後、寝付くまでレンと本当に主従契約を結んでしまってよかったのか、を考えたが答えが出ないのもう考えない。


ベットから降りようと布団をずらすとレンが起きてしまった。


「にゃー」


まだ、寝ぼけているようだ。


レンは元が猫で此方の世界に来た時に人語を話せるようになった為、寝ぼけたりうとうとし始めたり、咄嗟に何か言おうすると猫の鳴き声しか言えないらしい。


「んー? リョウタ?」


ギルの声だ。


ギルの方を見れば目を擦りながら此方に近付いてくる。


そして。


「おはよう」


「………」


キスされた。


右頬に。


「お、おはよう」


驚きながらも返す。


「………。お早う御座います」


暫くギルと見詰め合っているとマリーが何時の間にか起きていた。


「ああ、おはよう。今日は昨日話してた酒場で金を稼ぐんだよな?」


ギルとマリーと挨拶を交わして確認する。


「うん、一応僕とマリーがお金を持ってるけど何時までも同じ部屋なのは困るでしょ?」


「そうですね」


「そうだな」


「てな訳で今日の間に稼げるだけ稼ごうと言う考えです」


ギルは胸を張り言う。


どうも、朝のキスは覚えてない様だ。


「そうか。俺は先に下に降りて待ってる。準備が終ったら降りてきてくれ」


そう言い残し、部屋から出た。





「此処にクエストが張り出されるのか」


部屋から出た後。


意外と準備が遅かったレンとギルとマリーの三人(二人と一匹)と宿の一階で合流して、宿のオヤジに金儲けが出来る酒場はない?と聞いた所、一つの酒場を紹介された。


今、その酒場のクエストが張り出される掲示板の前に居る。


この世界のクエストと言うのは、町人や商人等の個人的な依頼事から、国等の命運が掛かる大きな依頼事まで全てを総称してクエストと言うらしい。


「クエストが張り出されます」


マリーが言うと同時に酒場の店員さん達が紙を掲示板に貼り付けていく。


「ギルとレンの二人が居る事も考えて選ばないといけないな」


「同感です。ギル様にはなるべく危険を近づけたくありません」


張り出されていく紙を眺めながら小声でマリーと相談する。


「あれ、『ドラゴンの巣の探索』はどうだ? 探索だけなら危険も少ないと思うが」


「ドラゴンの巣は危険です。もう少し、ギル様の実戦能力を上げてからの方が良いと思いますし、レン様の能力も未知数ですので『ゴブリン殲滅』。あれでよいと思います」


「どれどれ」


マリーお勧めのクエストの張り紙にはこう書いてあった。


『村の近くに出ているゴブリン供を殲滅してくれ。報酬は十分に払う。依頼難易度はD』


それを見て考える。


(マリーの言うとおりレンの能力は未知数だし、ギルは実戦能力は殆ど無いとマリーから聞いてるし、ゴブリンくらいでいいか)


ちなみに依頼難易度はS~Dの五段階に分かれていてこれをつけるのは酒場の店長らしい。


俺が最初に提案した『ドラゴンの巣の探索』は難易度Cだった。


「うん。あれでいいな」


「了解しました」


マリーが掲示板の前に居る人ごみを避けて『ゴブリン殲滅』の張り紙を取る。


「これを酒場のカウンターに持ってけばいいんだよな」


「はい」


マリーから紙を受け取りカウンターで仕事をしている男の店員に渡す。


「これで」


「わかりました」


店員は紙を受け取ると何かを書き込み紙を返してくる。


「この村に行き、村の村長にこの紙を渡してください」


紙を受け取り懐に仕舞う。


「何の依頼を受けたの?」


紙を懐に仕舞うと同時にギルが話しかけてくる。


「さあ? マリーに聞けば」


ギルはマリーに聞いたようだがマリーは答えなかった様だ。


「レンも何か知りたい」


「目的の村についたら教える」


俺は人の姿(酒場は動物が入れない為)をしたレンに言い歩き出す。


今、自分達が依頼を受けた酒場がどれ程適当に依頼を決めていたかも知らずに。

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