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モニカと話したあの夜から1ヶ月が過ぎただろうか。
季節が春めき始めた頃、ランパードは耳かきのために私を呼び出さなくなった。
ようやく1人で寝れるようになったのかしら、と思っていたが、部屋の耳かき棒を見て私の頭にモニカの顔が浮かんだ。
ーー嗚呼、そうか。
私は悟った。
ーーランパードはモニカの耳かきで寝れるようになったんだ。
そう思うと急に寂しさのような、悲しさのような、あるいは悔しさのような感情が心から溢れ出した。
ーーもう彼に私は必要のない存在。
ーーもう彼にとって私は過去の存在。
ーー膝枕も出来なければ、触れることすら叶わない。
ーーもう私は彼に会いに行けないんだ。
ランパードと別れた後も安眠耳かきで彼と繋がっている気でいたけれど、その糸がぷつんと切れた気分だった。
私の失恋は遂に完結したわけだ。
まあ、これが正しいのだろうけどさ。
ーー嗚呼。どうしよ。
ーー目と喉が熱くなってきちゃった。
ーーちぇ。
ーー泣くなよ、みっともない。
ーー泣くなって。
けれど、私の意志に逆らって感情は堰を切って溢れ出した。
ランパードの顔が涙に滲んでいる。
思い出も涙に浮かび上がって来る。
声を上げて泣くのなんていつ以来だろう。
ーー嗚呼、もういいや。
ーー泣くだけ泣いてやる。
失恋を流し洗えるまで泣いてしまおう。
そしたら、机の上の耳かき棒を捨てて、どこか遠くへ引っ越すんだ。
もう意味はないから。
ランパードに会えないのにこの街にいる意味なんてないから。
私の涙が私の心から失恋を消してくれるまでまだまだ時間がかかりそうだった。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
元カレと友達のままでいられるかもなんて期待していた女の子が今回のテーマでした。
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