~裏切りの昼上がり、厄介にからみつく縄~
久しぶりに更新です‼‼‼‼相変わらずふざけてしかいません
「子豚ちゃん‼せっかくだからこの世界の名物とか食べたいね‼」
「ブヒー」
元気良く返事をする豚ちゃん。可愛いなあ。唯一の癒しですよ。
「おい何無視してやがんだァ!?」
この現実の中で唯一の癒し。本当に。
「すみません無視してるつもりは無くて……とりあえず一回土下座するのでこの縄解いてもらっていいですか」
「解くわけねえだろうがよォ?」
教会を出て5分でチンピラにナイフ突き付けられて目隠しと共に連行。
周りを見ても暗くてよくわからない。ただ椅子に縄でぐるぐる巻きにされてる。
あと正面に顔が傷だらけの不審者がいてナイフを首に当ててきてる。
つらい。人生こんなことばっかりだ。
怖い神父から解放されたと思ったら怖い不審者。災難がレベルアップしてる。
まあでもさっきの神父よりは若いしなんか怖くない。
「お願いです許してください何もしてないんです‼‼なんでもしますから‼‼殺さないでください‼‼ごめんなさい~~~~~~‼‼」
全力で泣いた。縄でしばられてるので涙も鼻水もぬぐえないが全力で泣いた。
怖いよ、怖すぎるよこの世界。治安が悪すぎる。
ナイフなんて当てられたらスパッと切れちゃうんだよ?林檎さんは柔らかいから。
「うわ、なんだよお前。泣きすぎだろ」
若干引き気味になりつつ不審者さんがナイフを首からどけた。
そして腹にあてた。
いや、なんで?
そこは普通にナイフしまうところじゃない?
「いいか、ここから内臓出したくなきゃなァ」
「うぇっ……‼‼ひぃ‼うえええええん、ひっ、おぼえっ」
やば、全力で泣きすぎてせき込んだ^p^
「ブヒィ」
子豚ちゃんが『気にすんな』というように私を見る。
「……神父を呼び出せ」
「はい‼‼何時何分にどこでしょう!?」
ここで抗ったりはしない。三日ぶりに餌を与えられた犬のように満面の笑みで答える。
「夕方に、街の噴水前だ」
「夕方と言ってもお兄さん、結構長いですよ」
「うるせェ‼とにかく夕方に連れてくればいいんだよ!」
さてはこの不審者、あんまり頭が良くないな。
「ちなみになんでお兄さんは神父さんを呼び出すんですか?告白ですか?」
「テメェには関係ねえだろがよォ」
いやでも呼び出すためだけに私を誘拐するんです?
疑問に思いつつ子豚ちゃんに目を向けるが子豚ちゃんがいなくなってた。
「あいつ、逃げやがった――――‼‼‼‼」
「あ?いいから手広げろ」
「はい喜んで」
縄に結ばれた状態でもぐーぱーは出来るのでぱーにする。
こういう時にも抵抗はしない。抵抗したところで良い未来なんかないからね。
林檎さんのスローガンは『長い物には巻かれろ』なので。
「うし、出来たぞオ」
ちょっとドヤ顔で不審者さんが縄をほどいてくれた。
「圧倒的解放感‼やだーお兄さんありがとう‼」
そして両手で涙をぬぐう。
ぬぐう…うん?
「く、薬指がない!?!?」
左手の薬指に指輪がはまっておりその先がすっぱり無くなっていた。
突然のプロポーズですか。
モテモテで困っちゃうな。林檎さん実は異世界でモテ期なんじゃないの。
「本当は親指用だったのに入らなかったからなァ」
やだ泣きそう。結構指の太さ気にしてるのに。
「神父を呼び出せたら指を返してやる。もし失敗したら適当に処理しといてやるよォ」
「そんな雑な扱いを‼」
勘弁してくれ。適当にバックレようと思っていたのにこれじゃ出来ないじゃないか‼
「え、ていうかどういうことです?魔法?」
「?テメェ、この世界の奴じゃねェの?」
「えーとそうです」
かくかくしかじか
「ふーんそうか」
「反応が薄い!」
「そんなに珍しくねェもん」
「あ、そうなんですか」
「テメェほど太ってるやつは初めてだけどなァ」
そんなに非常識な体形してますかね。
さすがに林檎さんもイライラしてきたぞ。
「俺でも太ってるほうだけどよォ」
どう見てもモデル体型です。
もしやここはワンピースの世界みたいにみんなボン、キュッ、ボンなのか!?
「いや、そもそも肉がついてるやつがいねェな」
「左様でー」
もう私の体形が非常識ですね、はい。
「いやテメェ、太りすぎだ痩せろ。そのうち足を痛めるぜェ」
「意外!それは優しさ!」
こうして私は神父を裏切ることになりました。