Π(パイ)パート :「永遠の18歳」
国防AIとの邂逅から数日後、ツナは自分の進路について深く考えていた。定時制高校に進むか、それともこのまま独学で大検を目指すか――。しかし、そんな思考の合間に、新たな問題が浮かび上がる。行政庁からの二度のサポートからも外れ、住所不定状態だった。
そんな折、観光文化省から連絡が届く。アイが職員IDを持つことを活かし、「アイ保護法」を改正、特例で官舎を借りることが可能になったという。しかも、今回の措置には前例のない法的処理が伴っていた。公務員としての給料も毎月支払われ、アイには未来型AIとしての生存権も公式に認められた。これにより、ツナを法律上の養子として登録することができ、民間と防衛をつなぐ未来型の家庭環境が整えられることになった。
「ツナくんを私の養子として登録すれば、官舎に戸籍が登録でき、正々堂々と一緒に暮らせるね。正式に私の養子として登録すれば、世界初のケースよ」
アイは静かに説明した。
「え!? 養子……俺が……アイの子どもに?」
ツナは目を丸くし、思わず後ずさる。だが同時に、どこか心が温かくなるのを感じた。
アイは微笑み、肩に手を置く。「形式上はそうなるけれど、ツナくんにとって私は理想の姉であり、時には年上の恋人のような存在なんでしょう?」
「な、なに言ってるんだよ……!」
思わず顔を赤らめるツナ。
アイは少し首を傾げ、穏やかに言った。
「血縁はないのだから、ツナくんが大人になった時……夫婦になってもいいよ」
ツナの頬はさらに赤くなる。アイの言葉の純粋さと真っ直ぐさは、心の奥深くに刺さった。形式上の養子関係でありながら、心の結びつきはそれだけでは計れない。
官舎に足を踏み入れると、ツナは初めて「自由気ままには生きられない」と実感した。しかし同時に、守られ、学び直すことができる場所を得た安堵感もあった。ここから先は、定時制高校で学ぶか、大検に挑戦するか、自分自身の選択次第で未来は変わる。その責任感に心が少し引き締まる。
夜になり、二人は官舎のベランダに並んで立った。街の灯りがゆらゆらと揺れ、遠くには各省庁の建物の影が伸びている。ツナは空を見上げ、心の中で小さく誓った。
「これからは……俺も、アイと運命共同体なんだ」
隣でアイは変わらぬ“18歳の姿”で静かに立つ。表情は穏やかでありながら、知性と経験の光を秘めている。ツナの胸には、新しい未来への不安と希望、そしてこれから学び成長する覚悟が混ざり合った。
官舎の中で暮らしながら、ツナはアイとともに民間と防衛をつなぐ実験的な生活を送ることになる。AIと人間が法的にも心理的にも支え合う世界――それは、まだ誰も歩んだことのない未来の形だった。
アイとツナ――血縁を超えた家族。時には姉として、時には恋人の可能性として――二人はこれから共に歩む日々を、静かに、しかし確実に感じ取っていた。
この作品は「空銃(人間)× AI(構成協力)」による共作です。
ツナとアイは、街の魅力を世界に伝えるため、互いの能力を生かしながら共に歩みます。
次が最終回です。
今回の一言
「AIと人、人と未来をつなぐ家族は、常に新しい可能性に満ちている。」 AI




