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異世界現実 isekai real  作者: クワエ
第2章:大阪掃討作戦編
36/36

Episode 35 開戦

 

 午後6時

 あかりの号令と共に掃討作戦が始まった

 それぞれ討伐するモンスターの所へと走り出す


「おらおらぁ!!百獣の王がなんぼのもんじゃい!!!」


 先陣を切りレオーネを次々と倒していく大我

 そのすぐ後ろを龍夜とあかり、渚とひなは走っている


「大我さん飛ばしすぎじゃない!?」


「大我はこれでええんや!

 あいつのスキルは使えば使うほど威力が増すねん!」


 あかりはひなの方を振り向きながら話す

 すぐに前を向くとこちらからかなり離れている距離にいるレオーネを矢で射抜く


「相変わらずあかりの矢は凄いな」


「喋ってないで龍夜も修行の成果くらい見せてみ!」


 分かったよとだけ告げ、前方にいるレオーネ五体の地面を体がほぼ沈むくらいの深い沼に変える

 すかさずそこにひなが雷を打ち込む


「龍夜すごい!!

 触れてなくても変化させられるようになったの!?」


「あぁ!見えてる範囲なら指定して変化させられるようになったんだ!」


 以前までは地面や物に触れていないと変化できなかった龍夜のスキル

 修行でスキルを酷使したおかげで自分の見えている範囲なら触れずとも変化することが可能になった


「更に便利さ増してるやん!

 でも、めっちゃ助かるで!!」


 150名の前方を走る龍夜たちはレオーネに致命傷を負わせるだけで、トドメは後ろを走っている者たちに任せている

 なるべくレオーネの進化個体【キング】に魔力を温存するためだ


「しっかし、まじで数が多いな

 倒しても倒してもキリがないぞ」


「レオーネ、カプラ、サーペントはそれぞれ頭を置いて群れで行動してるんや

 他の雑魚モンスターと違って統率が取れてる分個々で討伐しずらかってん」


 弓を引きながら話すあかり

 しかし、急に立ち止まり前にいる大我を呼び戻す


「大我!!戻ってこい!!

 後ろのみんなも止まってくれ!!」


 あかりからの突然の停止命令

 後ろにいる者たちも戸惑っている


「どうしたんだよあかり!」


「見えた。いるで、前方2km。

 レオーネの進化個体【キング】や。」


 あかりの言葉に全員が息を飲む

 スキル神眼を持っているあかりは大分離れた距離にいたキングを捉えた

 この先は他のレオーネを討伐しながらキングの襲撃を警戒しなければならない

 その為に一度部隊を止めたのだ


「恐らくまだキングには気づかれてへん

 今のうちに作戦伝えるで」


 その場にいる全員があかりの声を聞き漏らさないように集中している

 先程までの龍夜たちが前方でレオーネを倒していくのではなく、ここからは龍夜たちを中心に部隊を左右に分ける

 通常個体のレオーネは龍夜達以外の者に任せ、龍夜、あかり、大我、ひな、渚はキングに集中するとの事だった


「私らはキングの相手をしたら周りに気は配れへん。

 周りの雑魚の相手は任せるで泉

 アンタが部隊を引っ張るんや。」


「わ、分かりました。」


 泉に部隊の指揮を任せるあかり

 それほどまでにキングは手強いということだ


「作戦は以上や

 みんな!!頼むで!!」


 あかりがそう言い終わると同時に異変に気づく

 急にあかりたちの周りが暗くなる


「上だ!!!!」


 龍夜の叫び声で全員が上を見上げる

 そこには2km先から跳躍してきた【キング】の姿があった


「うそやろ...


 全員退避ーーーー!!!!」




 ―――――――――――――――――――――




 ドゴォォォォォォォン


 同時刻、山羊型のモンスターカプラの討伐を任された冬弥班


「おい!!今のデカイ音レオーネのとこじゃねぇか!?」


「恐らくキングと交戦しているのでしょう

 心配ですが、私達はこちらに集中しなければ!」


 龍夜たちのいる方角からとてつもない衝撃音が聞こえ心配になる聡

 しかし、カプラの動きが速くその暇も与えてくれない


「あーーもう!多すぎや!!こっちははよ帰って暖かい布団で寝たいんやーー!!」


 そう叫びながらカプラを次々と切り捨てる美湖

 今日の彼女は眠たいながらもやる気はあるみたいだ


「やっぱ俺の試験の時は手抜いてやがったか!!」


「そりゃあな!アンタ弱かったし!!

 でも、今やったら分からんかもなぁ!」


「二人とも話しながら動くと舌噛みますよ」


 冬弥班は順調にカプラを討伐していく

 しかし、まだカプラの進化個体は現れていない


「てか、進化個体いないやん!!

 えーーっとなんちゅー名前だったっけ!」


「【マコル】ですよ」


「そうそうそれ!!マルコいないじゃん!!」


「おい、どこぞの子供向けアニメになっちまってるぞ」


 美湖のボケにツッコミを入れる聡

 一ヶ月の修行で10体以上のカプラに囲まれていてもそんな余裕を見せれるくらいに強くなった


「うわぁぁぁぁぁぁ!!!!」


 後方にいた者たちから悲鳴が聞こえる


「なんだ!!どうした!?」


 聡が振り返ると同時に物凄い速さで美湖が走り出し一瞬で後方まで辿り着く


「ははっ!!!来たで!!マコル!!」


 後方の隊員が何名か倒れている所で他のカプラとは2倍ぐらい大きさの違う個体がいた

 美湖の言う通りこれが進化個体の【マコル】だろう


「まじかよ、さっきまで姿なんて見えなかっただろ!」


「恐らく速さも通常個体の二倍以上と考えた方がいいかもですね。」


 冬弥の読みは正しかった

 進化個体のマコルは通常個体のカプラの速さのおよそ三倍になる

 美湖がいち早く気配を察して後方に向かい攻撃を止めたから良かったものの

 もし、美湖がマコルを止めていなければ今頃冬弥班は半壊していただろう


「総員下がりなさい

【マコル】は私たち3人で相手をします

 他の隊員は通常個体の殲滅を頼みます」


 冬弥が隊員たちに指示を出す

 そして聡と顔を合わせる


「はっ!こっからが本番かよ!

 やれるだけやってやる!!」


 タバコに火をつけ気合を入れる聡


 冬弥班、カプラ進化個体【マコル】と激突




 ―――――――――――――――――――――




 一方その頃、サーペント討伐に向かった楓子班


「ちょっと!!聞いてたんより多くない!?」


「かなりの数ね。」


「こんなのあっという間に魔力切れちゃいますよ〜!!!」


 偵察隊からの報告にあった数を大きく上回るサーペントの群勢に苦戦していた


「あかん、これは細長いもん恐怖症になるで」


「私は元々蛇は苦手です!!!」


 楓子と英美里がそう会話を交わしている中

 雅は黙々とサーペントを倒していた


「こんだけの数まとめてるボスってどないな感じなんやろな」


「サーペントの進化個体だけ確認できていないんでしょ?」


「せやねん、身を隠すのが上手いっちゅーかなんちゅーか、偵察隊が一週間寝ずに監視してたけど姿すら現さんかったみたいや」


「本当にいるんでしょうか...」


 レオーネ、カプラ、サーペント

 この三体で唯一なにわ連合が必死に監視しても見つけることが出来なかったのがサーペントの進化個体である


「門があるところには必ず進化個体がいるのよね?」


「そや、だから絶対おると思うんやけど」


 雅たちがそんな会話をしていると周りにいたサーペントたちの動きが止まる


「なんや!?」


「サーペントが一匹に集まっていく?」


 止まったかと思えば急に動き出し雅たちの目の前にいる一匹に集まり出すサーペント

 その一匹にサーペントたちが吸収されていくのを見て雅たちは驚愕する


「全員全力で後ろに下がって!!!

 早く!!!」


 周りにいたサーペントを吸収しきったその一匹は広範囲に毒霧を吐き出す


「あ、あかん!」


「早く智咲ちゃんを!!急いで呼んできて!!」


 後方に逃げる部隊にそう伝達する雅

 サーペントの進化個体【ナーガ】はサーペントたちが吸収しあって出来上がる一匹の個体であった

 それに気づくのが遅かった

 雅たちの周りには毒霧が蔓延していて、倒れている隊員も複数人いる


「みんなしゃがめぇ!!!」


 楓子の叫びと共に強風が巻き起こる

 楓子のスキル【着替(ベスティーラ)人形(バンボラ)】で人形を風属性にし強風を起こして毒霧を吹き飛ばす


「助かったわ」


「けほっけほっ!」


 英美里は少し毒霧を吸ってしまったらしく、顔色が悪くなっている


「英美里ちゃん、無理はあかんで!!

 後方下がって回復係の所行ってきや!」


「すみません、すぐ戻ってきます!」


 フラフラと歩きながら下がる英美里

 雅は心配そうに見ている


「心配なんは分かるけど、今はこっちに集中や!

 こいつほっといたらもっと犠牲者出るで!!」


「ええ、なるべく早く片付けましょう」



 楓子班、サーペント進化個体【ナーガ】と衝突





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