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「ミカルアさん、お腹すきましたー」
二人の両手にはショッパーが溢れていた。
服とカバン、靴などの着替えが大きめのショッパーには入っている。
それに、私用の電化製品に小物も揃えたのだが、それぞれ買うところが違うせいでこれまたショッパーが増える。
家具は買っても輸送なため重くならずに済んだのだが。
外は日が落ちて外灯の灯り以外が見当たらない。
ふと、時計を確認すると21時になっていた。
当然、お腹がすく。
「そうですね、今すぐ用意しましょう。」
「買ってきた冷凍食品でいいです…。」
あまりの空腹具合に作る気力が湧かずそう息をつく。
本来、何かあったとき用として用意していたが、既に何かがあったくらいに疲れていた。
「電子レンジ使って加熱しておいていいですよ。」
ミカルアさんは大きな買い物の書類の整理をしていた。
ミカルアさんのその一言に頷きショッパーを床に置くと、冷凍食品を抱えながらキッチンに向かう。
電子レンジに冷凍食品、ここだけ切り取ると以前に戻ったように感じられる。
庫内に冷凍食品を入れ、温度を揃えてスタートボタンを押すと、音がし始める。
電子レンジというのに相応しい見た目をしていた。
存外私の知っている電子レンジとの通点を感じる。
唯一違うのは赤外線で赤く光って見えないことだ。
タイマーの音がなるまで待ち、食事に取り掛かる。
疲労困憊の身体では食事でさえも身体が重かった。
買ったものを整理し、お風呂に入り、忙しなく日常生活動作を終えてようやく一息をついた。
もう寝るだけ、と言うところで疑問が浮かび上がってくる。
「あ、ミカルアさん。ソファで寝てもいいですか。」
ミカルアさんは一瞬、なんのことかという表情をしたあと慌てて止めた。
「いや、流石にそれは止めましょう。俺がソファで寝るんでベッド使ってください。」
「別に気にしなくても、良いのに。」
そういうと、ミカルアさんは何かを思案する顔をしたあと、言い出した。
「そうだ、敷布団ですが、泊まり込み用のきれいなものがあります。俺がそれを使いますので、ベッドで寝るように。」
「いやいや、何を。それだったら私がそっちを…。」
どちらも引かず押し問答になる。
思わず退屈で欠伸が出てきた。
「ほら、眠そうじゃないですか。諦めて下さい。」
そう言われて、黙る。
確かに眠くなってきていた。
諦めたほうが良いかもしれない、という消極的な考え方に脳を支配される。
「はぁ、分かりました。もう寝ます。」
結局私が折れて、ベッドに横になる。
ミカルアさんが布団を用意する様子を見る間もなく深い眠りに落ちていった。




