↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
VRMMOのトッププレイヤーはリアルでも最強になりました  作者: 陽月純
第2章 アテナ討伐編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

53/141

52.異能犯罪集団「黒の牙」現る!

SACの活躍により異能犯罪者の検挙率は上がって来たが、依然として、犯罪は増加していくのだった。


「報告します。先日、銀行を襲った麻痺能力の容疑者の潜伏先が判明し、強攻部の出動要請が入りました」

「よし。直ちに出動準備を」

「はい。あと、真東さんがどうしても出動したいと言っています」

「大河さんが?同じ能力だから、許せないんだろう。いいよ。許可します。後、出動出来る者は?」

「今すぐ出動出来るのは、速水さんです」

「じゃあ、二人に出動するように指示を」

「分かりました」


 正直、麻痺の能力は犯人の方が強力なのだろうが、戦闘力という面では、恐らく大河だけでも大丈夫だろう。同じ四候闘剣術を学んでいるのだ。だが、賢也以外のメンバーは、2人以上で対応するようにルールを決めた。速水は四候闘剣術は学んでいないが、珍しい複数異能を持っている。


「多分、大丈夫だとは思うけど、念のために現場付近で様子を見るようにしておくかな」


 今回の銀行強盗の手口は、銀行の中にいた人間を全員同時に麻痺させた。その後、銃で脅し、金を奪って行ったらしい。

 大河、速水の二人を麻痺させ、逃げ出すかもしれない。その時は、自分が取り押さえる必要がある。


 大河と速水は、強盗犯の潜伏する建物に到着した。


「ここか…」


 その建物は、一人で隠れるには大きすぎる家だった。人の気配は感じられない。


「大河、どうかな?何か人がいるような感じはしないんだけど…」


 速水は、気を操作する事は出来ないため、気を感じる事の出来る大河に人がいるのか確認する。大河は、確認してみたが、人の気配はしない。


「いや、人の気配はしないな。ただ、相手が気を操れる場合は、直接確認しないと分からないから、取り敢えず中に入ってみるしかないな」

「よし。じゃあ突入するぞ」


 大河は、窓の一つを剣で切り取る。音一つ立てず、切り取った窓から中に侵入するが、やはり人の気配は全く無い。


 二人は、声を出さず、サインし合いながら奥へと進む。1階には誰も居なかった。

 大河は上に行くとサインをすると、階段の前に立った。


(うん?上で物音がした?気配は無いが…)


 待ったと速水に合図した時、パン!と乾いた音が響き、大河の足元に銃弾が当たり、床に穴を穿つ。


「気付かれていた!上に居るぞ!」


 大河は、剣を抜き、階段を一気に駆け上がる。速水も後を追い掛け、階段を上がっていく。


 パン!パン!パン!


 更に3発の銃弾が撃たれるが、大河は、慌てず剣で弾く。だが、銃が撃たれる割に、気配が全くなく、大河は違和感を感じていた。


 階段を上がった大河は驚いた。銃が空中に浮いており、こちらを狙っているのだ。


「ちょっと待て。犯人は、俺と同じ麻痺の能力だよな。あれは何だ!?」

「俺と同じ複数持ち?」


 二人が考えている事などお構い無しに銃は再び火を噴く。


「悩んでてもしょうがない!」


 大河は、弾を弾き、銃を斬った。やはり誰かが持っている訳ではなく、空中に浮いているだけだった。斬られた銃は、地面に落ちる。


「くそ!これは嫌な感じだ」

「おい、そんな事言ってるとマジにヤバくなるから、止めろよ」


 その時、背後に気配を感じ、振り向いた瞬間、二人の体が痺れて動けなくなってしまった。


「か、ら、だ、が…」

「ま、ひ、か…」


 二人の前に男が1人現れる。その手には銃が握られていた。


「おい、お前達何者だ?あれか例のSACとかいう奴らか?」


 大河の頭に銃を押し付け、質問してくる。


「あぁ、済まなかったな。痺れてまともに喋れないか。くくく」


 微笑しながら、男は突き付けていた銃を頭から退かすと、後ろを向いて、誰かに話し掛けた。


「なぁ、こいつらどうするよ?大体、誰だよ。ここは安全だって言ってた奴は?こんな物騒な奴が乗り込んで来たぞ」


 男の話し掛けた先に人が居るのが分かる。それは、返事をした。


「ふん。そんなの私だって知らないわよ。そんな奴らは放っておいて、行くわよ」

「殺しとかなくていいのか?」

「その方が面倒な事になるでしょう!行くわよ!」


 仲間の女が強盗犯を連れ、建物から出ていく。

 強盗犯達が立ち去って、30分程してから、漸く、麻痺が解けて動けるようになった二人は、直ぐに立ち上がり、走り出した。

 

「先に行くよ!」


 速水が加速の力を使い、逃げて行った強盗犯を追い掛ける。

 加速によって走る速度が急激に上がった速水は、あっという間に二人の背中が見える距離まで追い付く。


「よし、見えた。追い付いたぞ!」


 後ろを見ると、大河の姿も見えた。数分後には追い付くだろう。ならば、先に彼奴らの動きを止めて、大河が追い付く迄の時間を稼ぐ。


「これでどうだ!」


 速水は、もう1つの能力を発動し、強盗犯達の目の前に巨大な水柱を出現させる。


「おっと。あいつの能力か!ほら、殺しといた方が良かったじゃないか」

「うるさいね。まだ私達は目立ったらダメなのよ。分かる?」

「リーダーの声明を待てって言うんだろ。分かってるけどよ、俺が運用資金調達するのに、銀行襲った時点で、それ無理があるだろ」

「うるさい。あんた一人の単独行動って事なら、銀行襲った位じゃ問題無いでしょ!」


 女は、立ち止まると、水柱に向けて手を翳した。その翳した場所の水が消え、二人が通るのに十分な穴が開く。


「行くよ!」


 速水が追い付く寸前に、二人は、水柱を抜け、穴が閉じ、更には、その水柱から、速水目掛けて水が放たれた。


「うおっと」


 自分の出した水柱から、無数の水の槍が、自分を襲ってくる。あり得ないと思いながらも、速水は無数の水の槍を躱す。


 くそっ。逃げられる。

 そう思った時、背後から追い掛けて来ていた、大河の放った飛燕が水柱を掻き消す。


「ナイス!大河!」


 だが、水柱が消えた先には、既に強盗犯達の姿が何処にも無かった。


「くそっ!逃げられた!」


 速水は、悔しそうに地面を蹴飛ばす。大河は、速水の元へと追い付いた後に、叫んだ。


「何処に行った!出てこい!くそぅ!」


 大河の叫びも虚しく、周辺からは人の気配を感じる事は無かった。

 逃げられた。だが、あの二人の足で、こんなに早く姿をくらます事が出来るのだろうか?大河と速水が周辺を見回していた時、遠くで爆発音がした。


「何の音だ?彼奴らか?」

「ともかく、音のした方に行くぞ!」


 二人が音のした方に走って行くと、再び爆発音がする。


「あっちだ!」


 爆発音のした場所まで行くと、賢也が空中から、3人を相手に戦っていた。その内の2人は、あの強盗犯達だ。


「龍崎さん!」

「隊長!」


 女が地面に触れると、そこから、土の槍が現れ、賢也に向かって飛んでいく。賢也は、これを剣で斬り落とし防ぐ。その隙にさっきは居なかった男が、手を賢也の方に向けると、賢也の頭上に四角い物体が現れ、落下する。

 賢也は、これを躱すと、飛燕をその物体に当てると爆発する。大河達の賢也への呼び掛けに気付いた強盗犯が、二人に向かって銃を撃つ。大河は、剣で弾き強盗犯に向かって突進をした。


「近付くな!」


 賢也が大河を制止したが、時既に遅く、強盗犯がニヤリと微笑んだかと思うと、大河の体は痺れて動けなくなってしまった。


「こ、い、つ、ま、ひ、じゃ、な、い」


 強盗犯の能力は、麻痺では無かった。話しを聞いた時、皆痺れて動けなくなったという話から、麻痺の能力と予想していたが、実際は、強盗犯を中心に円状に小さな電撃を放つ能力だったのだ。人間スタンガンみたいな物だ。速水は、これを見た為、接近するのを止めた。


「危ね。また痺れて動けなくなる所だった。大河、大丈夫か?」


 大河の返事は無い。痺れて、返事もままならないのだろう。

 速水は、強盗犯に向かって手を翳し、交差すると、強盗犯を挟むように水が押し寄せる。


「おっと!危ない」


 強盗犯は、これを後ろに下がって躱し、女の方に走り出す。


「くそ!でも、これで大河は救えたか…。うぉっ!」


 速水の目の前に銃が落ちて来た。しかも、その銃から弾が発射される。


「これは、もう一人の男の能力か!」


 すぐにしゃがみ、弾を躱すと水の刃で銃を切り裂き、走り出す。


 賢也は、大河達の様子を見ながら、女の相手をしていた。女の能力がいまいちはっきりしない。触れた物を槍にして飛ばす能力と思ったら、取り押さえる為に手加減した焔や水は穴を開け、直撃を防いでくる。更にその穴が塞がったかと思ったら、そこから槍が発射される。


「よく分からないけど、攻撃手段は槍が向かって来るだけ…。下手に能力による攻撃をすればそれを使われる…。なら」


 賢也は、女に近付いてくる強盗犯に向けて飛燕を放つ。更にもう一人の男にも飛燕を放つ。強盗犯は飛燕をまともに受け、追い掛けて来ていた速水に向かって吹き飛んだ。


「おっと、隊長か!よし、確保!」


 速水は、強盗犯に手錠を手と足に掛け、拘束する。強盗犯は、電撃を放つ間もなく、動けなくなった。

 

 もう一人の男は飛燕を躱した。だが、速水が強盗犯を拘束したのを確認した賢也は地上に降り、男の懐に一瞬で潜り込むと、剣の柄で腹を殴った。男が倒れ込んだ所を手錠で拘束。


「よし、あと一人」


 見ると、速水が女の背後に迫っていた。速水に気付いた女は、地面に手を触れ、槍を放つ。速水は、これを加速し躱すと女の首を手刀で叩き、気絶させた。


「よし、これで全員確保っと」


 速水が安心した直後、異空間の穴が強盗犯の前に出現した。

中から男が現れる。


「悪いな。この男は、返して貰う。我々の資金調達に必要なんでな。そっちの二人は好きにすると良い」

「おい、待て!貴様達、何者だ!?」


 体の痺れが取れて起き上がった大河が現れた男に斬り付け、強盗犯を取り返す。


「こいつは、返してもらう。お前は、痺れてろ!」


 現れた男に大河は麻痺の能力を使う。だが、男は体が痺れた様子もなく、大河に蹴りを放った。


「馬鹿な。俺の力が通じないだと…」

「何をしたのか知らないが、そいつは返して貰うと言ったはずだ」


 再び男は、強盗犯を取り戻すと、賢也の方を向き、賢也に話す。


「我々のリーダーからの伝言だ。「我等『黒の牙』、能力者の世界を築くため、我等は活動を続ける。お前達の組織には屈しない」という事だ。では、今日はこれで失礼する」


 男は、異空間の穴を出現させると強盗犯を連れ、消えて行った。


「『黒の牙』だと?だが、大河さんの麻痺が効かなかったという事は、少なくともあの男は、大河さんよりも強いという事は確かだ」


 捕らえた二人を見ながら、

 

「取り敢えず、この二人に話しを聞くしかなさそうだな。よし、警察に渡して、探りを入れてもらおう。撤収するぞ」

 

 『黒の牙』、能力者の為の世界を作る?大層な事を言っているようだが、要は単なる犯罪組織だ。これからは、こいつらによる犯罪が増えそうだ。

 怪物騒ぎの次は、犯罪組織か。これからまた忙しくなりそうだ…。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。