冒険者カード(5)
ザワザワザワ…
あれ? 何だか見物人が…凄く増えてるんだけど…。や、やり過ぎた……手から汗が滲んできた。
「おい……ディアン。お前何者だ…最初の攻撃は何だ…何なんだ。ワンバーンも、レッサーデーモンも即死だぞ…魔物が気絶したり、降参したらお前の勝ちなのに、わざわざ息の根を止めたのか…」
そう言いながらガントは震えていた。
………ん?
即死? いや、僕は気絶させただけだし…。
「僕は気絶させただけだよ?」
「嘘をつくな!!! テイマーの俺には分かるんだ! テイマーは従えた魔物と繋がっていて、従えた魔物が死ぬと糸が切れたように俺に伝わるようになっているんだ!」
へぇ~、僕とモルダとアルマみたいな契約みたいだな。まぁ、契約は、魂と精神の繋がりだから糸が切れるような感じでは済まないけどね。
「だから、気絶しただけだって! 確認してみなよ」
というか、そんなにも自分の魔物が大切ならこの仕事辞めたらいいのに…。今までそんな経験がなかったからかな?
「あぁ! 確認する!!」
そういうとガントは魔物たちに近寄り確認していた。
「………どういう事だ」
「だから言ったでしょ? 気絶させただけだって」
「だが、繋がりが切れている!」
うーん、なんでかな?
ん? モルダから思念魔法が…
〘何? モルダ〙
〘えっとー、想像なのですけど、もしかすると、ディアン様が魔素を、無くした瞬間にテイマーと魔物を繋ぐものが切れたのでは…この世界は魔素で充満しているのでテイマーとの繋がりが魔素が無くなることで切れることもあると思います。〙
〘なるほど…そんなことがあるのか…〙
テイマーは魔素無しでは成り立たない職なんだ…。まぁ、魔素を無くすことなんて僕と父上しか出来ないだろうけどね。
「ガント、気絶してるだけなんだしさ、僕さ冒険者カード欲しいし…合格か不合格か言ってくれないかな?」
「………むぅ。」
ガントは考える仕草をして、
「合格だ……」
と、言ってくれた。
「やったぁ!」
「お前は今日からBランク冒険者だ」
と、言い終わると魔物を引きずりながら門へと戻っていった。
ギィィ…
『ディアン様ッ!』
と笑顔でモルダが僕に抱きついて歓迎してくれた。
「えへへ、合格したよ~」
『おめでとうございます! ディアン様のご活躍、神々しかったですッ!』
と、少しモルダは興奮していた。
ふと、リンさんの存在を思い出し見ると…リンさんは目を見開いて固まっていた。
周りからは拍手がおこり、その場の冒険者皆が僕の冒険者デビューを歓迎してくれた。
その中には僕を不気味がるものもいるし、これからは目立たないように慎重に行動しよう…。




