第三話 屋敷への道
神崎は生きて屋敷に帰ることができるのか。
私は今ウルナに言われて階段を上っている途中だ、ここを抜けてまっすぐ進めば屋敷につくみたいだ、この短時間で大変なことばかりだった、ただ屋敷に着くまでの間私の体が持ってくれるかが心配だ、まともに歩くのも大変な状態にある、だけど草は手に入れたんだ、もう手を伸ばせばつかめるところにある、どこにそんなものをあきらめるやつがいる、私はあきらめない、あきらめずに歩いてこれからもウォケストさんの屋敷で暮らすんだ、ゲホッゲホッ、無理をしすぎたか、血が出てくる、くそ、あと少しだっていうのに、こんなところで私は死ねないのに。
「水の精よ力のない私に力をお貸し下さい。」
ウルナがそう言った、ウルナが下りて背中に手を当てる。
「カンザキさんここからは私も歩きます、もう荷物でいるのは嫌になりました、その代わりカンザキさんはここからは私の荷物になってください。」
「え、ちょっと。」
そう言われて私はウルナに背負われる。
「私がしたいんです、させてください。」
さすがにそこまで言われるとやめてとは言えない、断る理由もないしウルナの言うとうりにしておくことにした、ただ無理をしたせいかかなりしんどい、それに頭も痛いいや、もう全体的に痛いな、もしウルナがいなかったらどうなってたのかな、いやそんなことは考えないでおこう、今起こっていることだけを考えておこう、現状こうしてウルナの荷物になっている。
「着きましたよ、カンザキさん。」
自分で歩いてここに来たかった、だが助け合いというのも悪くはないな。私はウルナの背中から降りた、するとすでに屋敷の中に入っていた、なんかふらふらするな、だけどもう少しで助かる、今は我慢しよう。
「遅かったですね、草はありますか。」
「く、草、そういえば必要だったわね。」
この様子からしてウルナは採ってきてないらしい、まあ私は採ってきたのだが。
「自分で採りに行くって言って持って帰ってきてないとは情けないわね、ところでザキは持って帰ってきてるのかしらね。」
「ちゃんと採ってきたわ、こうしてポケットの中に。」
私はそう言ってポケットから草を取り出した、だけど背負われていたからか折れてしまっている。
「まあ折れていても効果は変わらないからいいわ、ザキそこで待っていなさい。」
なぜかザキって呼ばれてるんだけど、私の名前が死の呪文になっちゃってるよ。
「すみません、カンザキさんは病気なのに、迷惑ばかりかけて。」
「いいや、迷惑とかそんなことはなかったわ、私のために草を採ってこようとしてくれただけでもうれしいわ。」
まあ結局こうして屋敷に生きて帰ってこれた、ただ二回死にかけた、あの短時間で二回も、時間を戻せなかったら確実に死んでただろうな。
「できたわ、さあ飲みなさいザキ。」
そう言ってイエルから渡されたのは汚い色の物体だ、そしてかなり臭い、これは一体何のにおいだろう、まあ良薬は口に苦しともいうし、効きやすいんだろう、そう思って飲んだがかなり苦い、というかまずい、ただ今までの頭が痛いとかそう言ったものはなくなった、まあザキと呼ばれるのは気に食わないけど、イエルは薬を作ってくれたし名前の呼び方が可笑しいということぐらいは別にいいんじゃないかな、というかウルナの剣を森において来てるけどいいのかな。
「そう言えば私の剣は。」
「それなら森の中にあるよ、明日取りに行こうか。」
「まあ重くて普通の時は振れないんだし王都に買いに行くといいわ。」
「王都って閉まってるんじゃなかったんですか。」
「女王様自ら王都に入ってきた盗賊を倒したそうよ。」
女王強いんだな、まあ、王都がどこかは知らないけれどというかどうでもいい、そう言えばサモルナはどこにいったんだろう。
「サモルナはどこにいったんですか。」
イエルがため息をつく。
「あなた何も知らないのね、サモルナ様はこのバローロス王国の女王よ。」
私はイエルにそう言われた、女王ならいくら領主でも様を付けて名前を呼ぶだろう、それならいったい私はサモルナのことを何て呼べばいいんだろう。
次回、屋敷に現れる謎の人物、その人物の正体とは…




