西の憑き神 3
(神鉄の壁は……なんか必殺技っぽいから防げないだろうし、止めとこう)
ボォオオンッ
エンジが放った光弾がミストに直撃する。
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「ガハハハ、直撃したぞ!
あのガキ死んだんじゃないか?」
そう言いながら半透明の黒の何かを拳に纏わせてエイトゥルーが何もない前方に拳を振るう。
すると、
グワンッ
玄野の背後に亀裂が生まれ、そこから黒い拳型の打撃が襲いかかる。
「……あんな風にアッサリ殺られる実力ではない筈なんだけど、な!」
キィインッ
玄野は難なくそれを鎌で弾く。
「ふむ。何にせよ、シャーカス達に加勢される前に終わらせるか。
重力之王、完全顕現!」
ゴォオッ
ズズッ
エイトゥルーの手甲から半透明の黒の何かが吹き出す。
そしてそれが元から出ていた白のオーラと混ざりながらエイトゥルーの全身を覆っていき、それに覆われた部分が黒の重厚な鎧に包まれていく。
「"死に戻り"はもう使ったか?」
「まだだな」
「なら、一回なら死んでもいいな!」
ダッ
そう言いながらエイトゥルーが凄まじい速度で玄野に接近する。
玄野が目と鼻の先となったその時、エイトゥルーに霧が纏わりつき、
シュゥゥウウウ
「な、何だ!?」
「死拳!」
突如、エイトゥルーの真横に出現したミストがエイトゥルーを殴り飛ばす。
その光景に玄野と高みの見物をしていたシャーカス、エンジは唖然とする。
が、それで終わりではなかった。
ドクン、ドクン……
受けた衝撃でエイトゥルーの心臓が活動を止めたその時、
ドンッッ
エイトゥルーの手が自分の胸を強打する。
「何ッ!?」
……ドクン、ドクン
ミストが驚愕の声を上げるのとほぼ同時にエイトゥルーの心臓が動き出す。
直後、エイトゥルーは何事も無かったかのように立ち上がり、
「超重脚!」
グオンッ
「マj「グチャッ」」
放たれた重力を纏った蹴りにより少し離れた位置にいたミストの頭が潰れる。
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なるほど。
【極拳】で「死拳」と同じ衝撃波を作って蘇生したのか。
心臓止めても意識があるからなー。
油断したわ。
まぁ、お陰であっちも油断してくれてるからいいか。
……にしてもエイトゥルーが言ってた"死に戻り"ってどういうものだろう?
朝からやり直しは勘弁してほしいな。
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「まさかあれをくらって生きていたとは……。
結局、あの霧は何だったのでしょうか?」
シャーカスは先ほど確実に死んだ敵について考えていた。
「……気になるけど…もう死んだ…」
「……そうですね。あまりにも呆気なさ過ぎる気もしますが…」
シャーカスがそう言ってエンジを見た時、
シュゥゥウウウ
エンジの背後に霧が出現していた。
本当は「風の千手 対 雷の千手」とかやりたかった。




