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柊兄妹の異世界四重奏  作者: ライトニング
Parallel Universe
20/61

Kiri , Incident Resolution

昨日投稿出来なかったのでもう一話

 ◆◆◆


「だが!俺には教授を殺す理由が無い!」


 諦めの悪いドミニクはまだ犯行を認めない。


「理由はこれじゃないかしら?」


「これって何だよ!」


「この爆発そのものよ。……魔力が少ない貴方はどうにかして大きな炎を作りたかった。……そしてその方法が出来て教授に見せた。その時に教授に馬鹿にされたか、盗作されたか。或いは両方かも……当たりかしら?」


「そ、そんなことない!」


「貴方、嘘つくならもっとマシな嘘のつき方を勉強した方がいいわ。……悪い所を教えてあげましょうか?……まず、目が泳いでる。声のトーンが上がってる。呼吸が速くなってる。脂汗をかいている。……嘘がバレバレよ」


 一言毎に詰め寄る椿に恐怖するドミニク。

 あれば俺でも怖い。


 ここでドミニクはガックリと身体の力を抜き遂に諦めたと思いきや、すかさずドアの近くにいた桜を人質に捕る。

 腕で桜の首を絞めるように抱え、一歩一歩ドアの外に下がっていく。


「近づくなよ!近づいたらこのチビ(・ ・)を殺す!ガキ(・ ・)を殺されたくなかったら大人しくしてろ!」


「「「あっ……」」」


 声が重なったのは桜以外の俺達兄妹。

 桜を人質に捕られた驚きではない。ドミニクに対しての同情の声だ。

 桜は悪意のある子供扱いはとても怒る。というかキレる。


「桜は桜は……」


「あん?黙ってろチビ(・ ・)!」


「桜はガキじゃなぁぁぁい!」


 桜は首を絞められないように掴んでいたドミニクの腕を思いっきり捻り、緩んだところでドミニクの顔面に裏拳を当てる。

 ここで桜は完璧に自由になり、顔を押さえて呻いているドミニクの正面に立つ。


「ツバ姉直伝の桜の為の長身痴漢撃退法!」


 何故長身限定?と思ったがその理由は直ぐ分かることになる。


 桜は腰をかなり低く落とし、拳を握る。

 身長の低くい桜が腰を落とすと、さらに背が低くなる。


「柊流特式()ノ型 撃椿(げきチン)! 」


 それはただの正拳突き。

 だが位置がダメだ。


 相手は一九〇はある大男。対して桜は一四〇あるかないかの身長。

 身長差にして五十センチはあるだろう。


 ここまで言えば分かると思うが、兎に角位置がダメだ。


「今、絶対“椿(ツバキ)”って書いて“チン”って読んだわよね」


「まぁ、そう読めるからね。いいネーミングじゃないか。……つか、なんつぅ技教えてんだよ」


 桜の攻撃を喰らったドミニクは白目を剥き、泡を吹いて気絶した。

 桜は桜で「なんかぐにゃってしました!なんかぐにゃって!」と、騒がしい。


 因みに柊流というのはウチの流派で、剣術と無手の流派。

 攻式()ノ型と守式()ノ型と先ほど桜が使った特式日ノ型がある。

 攻式雨ノ型は文字通り攻撃専門の型で守式地ノ型も文字通り防御専門の型だ。

 特式日ノ型は攻式と守式を修めた者だけが使用できる自分専用の技で、代々自信で技を創っていくのが習わしだ。


 言っておくと、俺達兄妹は全員どちらも修めているが、特式を使えるものはいなかった。

 だが、身体能力が上がったこの世界なら俺も特式が使えるようになるかもしれない。


「坊主、ありがとう。お前らがいなかったら、事故のままこの事件は終わっていたよ」


「俺は桐だ」


「おう、そうだったなキリ。また何かあったら警備騎士団庁舎の所に来てくれ。俺の名前を出せば通してもらえるようにしとくからさ」


 ドミニクの姿は既になく他の騎士団が連行していったようだ。

 ティムさんとフィールさんも事情聴取の為に連れていかれたようだ。


「了解。隊長さんもなんかあったら言って下さい。協力しますから」


「ウォルフでいいぞ。あと敬語もいらない」


「分かったよ、ウォルフ」


「まぁ、一般人に助けを求めるなんて事はしたくないんだけどな」


「ははっ、その通りだな」


「兎に角、今日は本当に助かった。こんな事は無いからお礼は出せないんだ」


「いいさ、そんな気にしないでくれ」


「いや、今後こんな事があったら金一封でも出して貰えるように、上に掛け合ってみるぜ」


「程々にな。クビになったりすんなよ」


 ポンコツ隊長改めウォルフはとても気のきくヤツで感謝の念もとても伝わってくる。

 本当に協力して良かったと思えるヤツだ。


「そういえば、俺達は事情聴取とかいいのか?」


「犯人はアイツって判ったし、バックなんちゃらは聞いても分かんねぇからな。アイツの身辺調査、同じ研究員だけでいいさ」


「そっか、じゃあ今日は帰るな」


「おぅ、気い付けてな」


「ツバキさんも庁舎の方に来てくださいね」


「えぇ、私もティリカに魔眼の事について聞きたいし」


 その後、適当に挨拶して研究室を出ると、他の騎士団も既に撤収済みで灯りが無いためものすごく暗い。

 

 帰りは特に絡まれるということもなく、椿や楓、桜に今日一日の事を聞きながら宿“小鳥の羽休め亭”に帰った。

 

 今日もドタバタの一日だったが、柊家が無事全員集合することができた。


 全員集合の記念に夕食は豪勢にいこうと思ったが、俺は無一文だったことを思い出した。

 結局、椿に今日は奢ってもらい、後で何でも一つ言うことを聞かされる羽目にあった。


 夕食は旨かった。


 部屋に戻るとベッドが四つ置いてあるだけの簡単な部屋だった。

 椿が買っておいてくれたこの世界の着替えにシャワーを浴びてから着替えた。

 椿とペアルックだったが気にしない。

 桜は桜で、この服は大人服だと自慢気にはしゃいでいたが、はしゃいでいる時点で子供だと思うのは俺だけだろうか?


「そういえば、明日は知り合いにこの街の案内を頼んであるんだ。お前たちも来るだろ?」


「兄さん。また女ですか?」


「またって何だよ。……まぁ、女の子だけどさ」


「私はいきます」


「ウチも行く」


「もちろん桜も行くですよ」


 結局全員参加。

 そういえば、ルナになんて言おう。一日で全員見付かりました。ってか。

 よくよく考えると一日で全員見つかったんだよな。すごくね?


 はぁ、今日も疲れた。……明日も疲れそうだな。

 本当にこの世界では暇しないな。当分の間大丈夫そうだな。


 今日はもう寝てしまおう。


 ◆◆◆

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