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異世界冒険奇譚〜異世界行ったけどイージーじゃなかった〜  作者: ああるぐれい
青春に支配された世界

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85/85

80.5話

(北見アカリ視点)



トウマくんが消えたあの日、私は泣きながら、トウマくんのことをユウナ、シュン、サクラちゃんに話した。


ユウナは「そう⋯⋯」とだけ呟いて、黙ってしまった。

シュンは何も言わなかった。

サクラちゃんは驚いたあと、私の背中をさすってくれた。


今、私は公園のベンチに座っている。四人で遊ぶんだ。さっきの三人と一緒に。

今日はまだ寒くて、みんな長袖を着ている。

春休みに入ったからか、子供達が多い。


「アカリ、お待たせ」

「おはよ、ユウナ」

「いやー寒いねー」

「そうだね」


他愛のない会話をしながら、ユウナは隣に座った。

なんとなく、黙る。ユウナも、トウマくんがいなくなった喪失感は少なからずあるみたい。


「なんか変な感じだね」

「⋯⋯うん」


ユウナは両手を頭の後ろで組んで、ベンチの背もたれに寄りかかる。足も組んで、空を見上げた。晴れと言った天気じゃなくて、雲が空の半分以上を占めている。


「先に言っといてくれたらよかったのに。そしたら⋯⋯」


そしたら──────


紡ごうとした口は動かなくて。風に乗せようとしたら、なぜか、空が潤んで。


「好きにならなかった?」


感じ取ったユウナが答えた。それを聞いた瞬間、首を横に振る。


「ううん。⋯⋯きっと、好きになってたと思う」


スカートの裾を握りしめた。


「また好きになって、お別れの時に泣いちゃうなぁ」


そんなことを言いながら、笑おうとした。でも、乾いた声しか出なくって。

私の頭が、不意に優しく撫でられた。当然、それをしたのはユウナだった。


「幸せもんだね〜、トウマは。ま、いつか、アカリを泣かせたことを後悔させてやらなきゃね」


その時、ユウナのポケットに入っていたスマートフォンが震えた。


「もうすぐで二人ともこっちに来るって。迎えにいこっか」

「うん」


上着の裾で滲んだ目を拭う。

ユウナと手を繋いで、立ち上がる。


また、いつか会えるかな。今度会ったらその時は──────

誤字・脱字報告を受け入れているので送ってくれたら嬉しいです。


いつか、番外編を投稿します!

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