第19章 『八十子トラップ』編
取り急ぎ、第19章を投稿します。
紀子が席に座ると、人事課の人間が課長のところに来て、課長と共に会議室に入って行った。
紀子は、フラストレーションがたまり、八十子の席に座って、花依子に仕事を振りながら、仕事の仕方を指導し始めた。
すると、『飲み込む』ことがまだあった花依子。
花依子が、ふんふんと納得しながら聞いている姿に、紀子の怒りゲージが上昇する。
紀子(八十子―!!)
引き続き、紀子は花依子に仕事を教えた。
紋子は、ついでに昼休憩を前倒ししたようで、紋子と八十子は戻ってくる気配がない。
紀子(八十子―!!)
花依子は、引き続き時折感動しながら紀子の話を聞いている。
しかも、飲み込みは早く、覚えるのも早い。
課長と人事課の人間が戻ってきて、課長に一礼すると、二人の後ろを通って自席に戻っていった。
紀子が課長の方を見た。
課長は(……)と処分の内容を口パクで紀子に伝えた。
しばらく間を置いて、課長の表情を見ていた紀子はガッツポーズをした。
課長もため息をついた。
しばらくすると、八十子と紋子が戻ってきた。
紀子の怒りゲージが一気に上昇した。
八十子が戻ると、
紀子「あんた、今日、私の席で仕事しといて?」
八十子「は…はい…。」
八十子は紀子の席に座り、紀子の表情を見ながら仕事をした。
紋子のフラストレーションがたまっているのにも気づかず。
紋子は、首を横に振り『無理、この並びの席無理』と紀子にアピールしてくる。
紀子が、腹痛にでもかかったのか、おなかを抑えて、席を離れた。
紋子が、花依子の席の横に立ち、花依子の仕事ぶりを見る。
紋子(うわぁ…。)
八十子は余計に緊張し始めた。
紋子は自分の席に戻ると、『あんたはきっと、仕事ができなくてもいいんだよ。』といわんばかりに、遠い目をしながら隣の八十子の方を見た。
八十子はその視線に気づきながらも、パソコンの方を見て仕事をしている。
課長のため息が聞こえてくるようだった。
引き続き、ご愛読の程、よろしくお願い申し上げます。
さやそばらすか。




