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彼女が欲しい!

久しぶりに再開出来ました!

電気工事師? ……落ちましたが何か? 56点でしたよ。

きっ、気にせずお話に移りましょう!!

「兄貴たち! モテる秘訣を教えて下さい!!」


「「お茶が旨いな……」」


「スルーしないで下さい!?」


 今日はギルさんと祭典の話をする為に冒険者ギルドへとやって来た。

 しかし、肝心のギルさんは役所からの呼び出しを受けて出掛けてしまった。

 仕方なく下で待つことにした俺の前に仕事を終えたバルトたち"ヤケッパチ"が帰って来たので混ざる事にした。


「もう一度言います!モテる秘訣を教えて下さい!!」


「「………」」


 近況報告など雑談に花を咲かせていたら、突然立ち上がったレンが意を決した様な面持ちでそう言い出したのだ。


「なんでまた……?」


「どうしても口説きたい女がいるんス!」


「へぇ〜っ、どんな娘?」


「ポポっていうほんわかした娘なんです!」


「ポポ? お前の行きつけの酒場の?」


「そうなんッスよ! バルトさんも知っての通り良い娘でしょ?」


「確かに良い娘だが……彼氏いるぞ」


「終わった……」


 レンはこの世の終わりの様に膝から崩れ落ちてしまった。

 無理もない。告白すらさせて貰えずに振られたのだから……。


「……しかし、兄貴に聞くならまだしも……俺もか?」


「そりゃあ、バルトさんも美人な嫁さんをゲットしてますからね。当然。なので、……その秘訣を教えて下さい!次に繋げます!」


「と言われてもな……」


 バルトよ。そんな困った顔を俺に向けられても困るぞ。俺お前さんと同じ様なものなのだからな。


「……とりあえず、今後の為にも一般的に言われる条件がレンに当てはまるか考えてみるのは?」


「確かにそうですね……」


「それじゃあ、お2人共お願いします!!」


 レンの了承が得られたので俺たちは一般的な条件が当てはまるのかを確認して見る事にした。


「えっと……財力」


『………』


 レンの沈黙で全てを理解した。

 まだ、Bランクの冒険者。ギルドからの給付金は少ないのだろう。

 しかも、クエスト報酬もリーダーのバルトがメインなので少ない。まぁ、そこらの冒険者よりは稼げなくはないが安定はしないな。


「きっ、気を取り直して筋肉とかどうだ?」


「………」


 うん。コレもダメみたいだな。

 レンは遠距離からの支援や偵察がメインのレンジャーだから機動性重視であまり筋肉を付けていない。

 でも、同時に脂肪も全く付いておらず引き締まっているのでこれはこれで良い気がする。


「次行こう! 次!!」


「魔力量。もしくは魔法の知識」


「マケジョとかには、特にモテるぞ!」


 マケジョというのは、魔法学に身を置く女性たちの事だ。

 うちで言うなら魔法好きで独自の研究などもしている卯月とかが挙げられるな。


「ふっ……俺に魔法の素養があるとでも?」


「「無いな」」


 レンは攻撃魔法はおろか武器の強化すら行えない。


「俺、ダメじゃん!?」


「「ドンマイ!」」


 更に絶望してしまったレンの肩に手を置いて、俺たちは慰めることにした。


「そこまで悲観することですかね?」


「えっ?」


「まだ希望はありますよ? 私も最近彼女が出来ましたし」


「コムイさん……」


 先程まで外野にいたチームメインの回復師コムイの言葉を聞いてレンは顔を上げる。


「だって、好みなんて千差万別で相手次第でしょ?」


「はっ!?」


 レンは目から鱗が落ちる様な顔でコムイを見つめた。


「まぁ、そうだよな。種族相性もあるし」


「相手が良いと言えばそれでいいですからね」


「なので、本人に聞く……のはまだ無理そうなので少しでも多くの意見を聞いてみればどうです? 丁度、祭典の為にやって来る冒険者も増えたので他国の意見も聞けるかも知れませんよ?」


「それだ! それで行くよ!!」


 という事で、俺たちは今から最初に冒険者ギルドを訪れた他国の女冒険者に話を聞くことにした。





 それから数分後、運が良い事に他国からの冒険者がやって来た。

 ただし、その人を見て俺たちは困惑する事になった。


『!?!?』


 皆さんは玉ねぎ鎧というのをご存知だろうか?


 フルプレートアーマーの一種なのだが、その玉ねぎの様なフォルムからそう呼ばれる事がある。

 フルプレートの時点で珍しいのに、その特徴的な鎧を着用した者がここへやって来たのだ。


「女……男……どっち!?」


 そして、書類を見やすくする為に脱いだ兜の下は、女性なのか男性なのか判断し辛いオッサン顔をしていた。


「あっ、兄貴!こういう時こそ、自慢の鑑定です!!」


「ハッ、そうか!かっ、鑑定!!」


 俺が鑑定してみた結果……。


「女性だった!?」


「よし、レン!行ってこい!!」


「えぇっ、マジでっ!?」


「骨は……ポポさんに届けておきます」


「コムイさんまで!? そこは助けてくれる所ですよね!? トードさんもさっきから黙ってますけど俺を助ける為に何か言……って、いねぇし!!」


「彼女とデートだからって、結構前に帰ったぞ?」


「どいつもこいつもドンチクショーーッ!!」


 そんな訳で、レンのアタックが決定した。






「そっ、そこのお嬢さん!! ちょっと聞きたい事が!!」


「!?」


 覚悟を決めて出て行ったレンが玉ねぎ鎧の冒険者に声をかけると、彼女はとても驚いた様な顔をして固まってしまった。。


「アレ……お嬢さんじゃなかった?」


「……ハッ!? まさか、お嬢さんとは私の事でしょうか!?」


「えっ? あっ、うん……」


「あぁ、なんていう事でしょう!! 初対面の方に女性だと認識されたのはいつ以来か!? これ程までに嬉しい事は有りません! 竜王国に来て良かった……!!」


「あぁ、そっスか……」


 どうやら彼女は女性として認識された事に感動してトリップしていた様だ。


 そして、レンよ。引きぎみに後退り逃げようとするな!


「そういえば、何かご用だった様子?」


「あっ、あぁ、そうなんですよ。実は……」


 さっさと切り上げたいのか?

 レンは前置はおろか、質問もされない様に全ての経緯を説明した。


「つまり、貴方はフリーな訳です?」


「えっ? ええっ、そうですが……」


「それはそれは……(キランッ!)」


 その瞬間、彼女の目が光ったのを俺たちは見逃さなかった。


『(あっ、変なフラグが立った……)』


「???」


 どうやら、当人であるレンは気付いていない様だ。


「では、僭越ながら私、"ナミエル"が貴方の彼女になりますわ!!」


「ふぁっいぃーーっ!?」


 レンの変な叫びが冒険者ギルドに響き渡る。

 これが俺たちの『天使のなっちゃん』との出会いであった。

現在、あいうえお順の名簿も半分まで作りました。

あと、2週間くらいで作り上げたい所です!


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[一言] 玉葱鎧…こいつらカタリナ騎士団か!?(DARK SOULS脳
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