不参加
投稿伸び過ぎてごめんなさい。
でも、もっと遅れるかも……。
「それでセレナは間に合いそうかい?」
宴会が終わり、帰宅の途に着く前にカトレアから尋ねられた。
「正直言うと微妙……。出産はダンジョン探索の予定日直前みたいだから、ポーションで体調やらを戻して、それから勘を取り戻すとなるとギリギリ?」
アイリスたちの時は体調を整える期間が有ったし、身内の模擬戦みたいなものなので問題無かった。
しかし、今回の様に何が起こるか分からない場所へ万全でないセレナを連れて行くのは難しいだろう。
「やっぱりか。アタイも数カ月はキツかった。ポーションを惜しみなく使っても期間を置いた方が良いとなると……これは無理だね。お手上げだ」
「本人は残念がるだろうけど、仕方ないので遠慮して貰うよ」
「ベルとシオンの方は?」
「そっちは大丈夫。意気込みも十分」
「なら、うちからは正式にその2人だけを推させて貰うよ」
「えっ? カトレアは参加しないのか?」
メンバーの中で一番ダンジョン挑戦に意気込んでいただけに驚いた。
「子供が一人増えたから考えを改めたのさ。それに……うちのやんちゃ坊主は竜種故か、わんぱくでね。人様に任せて良いレベルじゃないのさ」
そう言って彼女はベビークーハンで寝ている魔力制御装置を付けた娘と竜種の息子の頭を優しく撫でた。
「うちでなら面倒見る事も出来るよ?」
「それは嬉しい提案だね。でも、止めとく。調査とはいえ、ダンジョン探索の期間は長期に及ぶからね。短期間ならまだしもそれは甘え過ぎさ。自分の子は自分で面倒みないとね」
「分かった。皆にはそう伝えておくよ。困ったら何時でも頼ってくれ」
「どうも」
「しかし、2人だけか……」
ローゼンセフィアは、4人揃ってこそだと思うので少し寂しい。
「まぁ、数人が増えるかもしれないよ? ギルドからチームとしての活動休止が勿体ない。そこで『新人の中からメンバーに……』って言われて、数人預かってるのさ」
「そっか。知名度がある分、活動休止が惜しいのか。ギルドとしては安定した収入源な訳だし。ついでに、後任の育成したいといった所かな?」
「まぁ、そういうこった。そういう訳で、祭典の時にでも紹介するよ」
そう言ってカトレアは帰っていった。
という事は、祭典での成績でチームに加えるかを決める流れなのだろうか?
祭典に参加するのが楽しみになってきた。
「いやいや、ユーリよ。お前は祭典に出られないぞ」
「えっ?」
まだ帰っていなかったギルさんに新人の子たちの事を聞こうとして、祭典の話を振ったらそう言われた。
「いや、だって冒険者は全員参加って……」
ランクなどによる出場制限などはあるらしいが、それは低ランクの者たちの話だった……はず?
「参加はして貰うぞ。ただし、俺と一緒に解説だけどな」
「え〜っ、楽しみにしてたのに……」
「お前が参加すると場が荒れるだろうが。その代わり、エキシビションマッチとしてお父様と戦わせてやるよ」
「喜んで解説します!」
マリーの父親だからと今までは遠慮していたけど、一度くらいはマジで殴ってみたかったんだよね。いろいろ不満も溜まっていたし。
それにルイさんが認める竜王の実力とやらを直接感じてみたい気持ちもあった。
「それで新人の事が聞きたいと?」
「うんうん」
「伸び代のある子たちだよ。ただ、どの子も訳あり……というか特殊な子なのでカトレアに任せた。本来ならユーリのチームに投げたい所だが……」
ギルさんは目線を反らして宴会の片付けをしている『紅蓮』に登録されたチームメンバーたちを見た。
「これ以上増えるとチームというより"クラン"の人数だからな。俺としては気にしてないが煩い連中も出てくるんだよ。面倒な事にな」
うちは大所帯なので、ギルド内で意見を通すことが出来るレベルにある。
その為、ギルドが乗っ取られるのではないかと心配する者もいるのだ。
「心配性だよね」
「全くだ。ユーリたちをちゃんと知ればそんな事しないと分かりそうな物なのにな」
「寧ろ、ギルさんの切り札になってるよね?」
「信頼しているぞ。義弟。馬車馬の様に働いてくれ」
「はいよぉ〜。でも、程々にね」
ギルさんって、結構無理難題を吹っ掛けてくるんだよ。普通の冒険者たちなら無理だからってさ。
それが無ければもっと協力したくなるのにね。
皆が帰った後、セレナの元を訪ねた。
「ーーという事で参加禁止です」
「うぅっ、仕方ないわね。でも、参加したかったなぁ〜〜!」
セレナにさっきした話を伝えると彼女は駄々っ子の様にベットを転がり始めた。
俺は彼女が勢い余ってベットから落ちるのでは無いかとヒヤヒヤするので止めて欲しい。
「よし、決めた! 早産しよう! ユーリ君、専用ポーション作って!!」
「出来なくないけど止めい」
「ユーリ君のいけず!」
「俺はセレナと赤ちゃんを心配しているだけです。そもそも薬で早産しようなんて以ての外です。流産したらどうするの? しかも下手したら二度と妊娠できなくなるかもよ?」
「うぐっ!?」
「という事なので、素直に諦めて下さい」
「はい……」
「セレナもユーリには形無しじゃのう?」
「あっ、ネフェルタ。お帰り。何処行ってたの?」
セレナを説得する間、部屋から出掛けていたネフェルタが帰ってきた。
「ちょっとダフネのいる畑まで行ってきた」
「ちょっ!? そんなに動いて大丈夫なの!?」
「妊婦とはいえ多少は動いた方が良いのじゃよ。それに妾は四足故にそこまで動くのがキツくは無い」
「……そういえば、昨日はアイリスも連れて行ってたわね。何を話していたの?」
「とある実験に協力して貰おうと思ったのじゃ」
「えっ、なんか気になる」
「今はまだ秘密じゃ。その内、嫌でも知るじゃろうからのう」
そう言って俺に擦り寄りウィンクするネフェルタ。
何故だろう、冷や汗が流れた。何か禁忌的というか、背徳的というか、そういったヤバい事に巻き込まれそうな予感がした。
「おっ? 今、我が子がお腹を蹴りおったな」
「えっ、本当?」
でも、お腹の赤ちゃんへと興味が移りスッカリと忘れる俺なのであった。
リアルがマジで辛い……。
第2種電気工事士の試験も4日だし。なのに現実逃避で書いてる俺。
ヤバいな……。




