お仕置きといえば……
最近、投稿時間がバラバラ過ぎてお手数掛けます。
なるべく安定する様に頑張るので今度とも宜しくお願いします。
シシネへの報告も終えた後、奴隷の子たちにお金を分配してから屋敷で休養を取って貰う事にした。
うちのメイドと臨時の悪魔で執事を数人付けたので、特に困る事はないだろう。
さて、そんな訳でここからは騒動を生み出した人たちへのお仕置きタイムだ。
「あのっ……ユーリ君? コレがお仕置き?」
「お仕置きだよ?」
「リリンちゃんみたいにスライムプールとかじゃなくて?」
「うん。そうだよ」
「でも、これはただの膝枕よね?」
リリィの言う通り、床に座った彼女の膝で俺がゴロゴロしているだけだ。
「まぁ、後で分かるよ。それよりコレでも飲んで落ち着いたら?」
リリィは俺からの罰に困惑している様だ。
アイテムボックスから取り出した甘い飲み物を受け取るとゆっくりと飲み出した。
「……あっ、分かったわ! 長時間させる気なのね?」
「一応は……そのつもりかな? 2時間くらいイケる?」
「余裕余裕。何時間でもいけるわ♪」
「………」
余裕を見せるリリィ。彼女は本当に分かっているのだろうか?
何時もは椅子でする膝枕を今日は正座でしているというのに……。
「それにスライムプールみたいに疲れる訳じゃないしね。身体が綺麗になるのは良いけど、あの疲労はどうにも……」
アイリスの頑張りもあってスライムプールには、美容効果、代謝促進、便秘改善など女性に嬉しい機能が盛り沢山だ。
しかし、それらは同時に施術されるだけ有ってかなり疲れる。
「分かる。俺としてはもう二度と御免だ」
一度女にされて放り込まれたので、どれだけ疲れるかは良く知っている。
「でも、今回は一味違うよ。リリスたちの提案でリリンに細工したからね。あっ、このジュースも最新で美味しいよ」
リリィに飲み終わったのを見計らい新しいジュースを手渡した。
「ズズッ……細工って何をしたの?」
「刻印で肉体に制限を掛けた」
「ああ、感度を倍増させたのね。アレされると気が狂いそうになるのよね?」
「いやいや、そんな事をしてないよ。ただただ欲求不満になる様に規制しただけ」
「はい?」
「簡単に言うとどんなにやってもイケなくなったって感じ……?」
「うわっ……それは酷い。ちゃんと最後はシテあげるんだよ?」
「最後まで面倒をみるよ。そもそもMっ気の有る子はどう叱るべきなんだろうな? 説教中の正座もご褒美みたいな感じだし」
「足が痺れた所を突っつくとか?」
「……リリィもそう思うんだぁ〜。そうかそうか〜」
「うん? どうしたの? そんな意味深な顔で私を見て?」
「別に〜っ、なんでも無いよ〜」
「?」
どうやら彼女は自身を待ち受けている運命に気付いていない様だ。
それから1時間後、彼女は自身の運命に対峙する。
「あっ、あの……ユーリ君?」
「どうしたの? リリィ?」
「そのっ、罰を一旦中止して貰って良いかな?」
「なんで?」
「それはその……」
リリィはモジモジと俺の頭を置いた脚を揺らしていた。
どうやら俺が行っていた作戦も成功した様だ。
「沢山飲んだから御トイレかな? 我慢しようね?」
「っ!? ユーリ君!! まさか、分かって飲ませてたの!?」
「さて、どうだろう? 後1時間は頑張ってね」
「もぉ〜〜っ!」
「あははっ、相談も無しに巻き込んだリリィが悪い」
リリィは俺の頭をポカポカ叩いて抗議してきた。
そして、膝枕をして2時間が経過した。
「もっ、もう無理!! 良いでしょ!トイレに行っても!!」
限界の近いリリィは涙目で言ってきた。
「そうだね。俺の罰は終わるつもりだから行ってもいいよ。尤も……」
俺がリリィの膝から頭を起こすと彼女は直ぐに立ち上がり、脚の痺れから崩れ落ちた。
「行けたらだけどね」
「〜〜〜っ!?」
急な反動により何とも言えない苦悶の声をあげるリリィだった。
「ゆっ、ユーリ君……転移で……」
「ごめ〜ん。実は俺以外にもリリィに罰を与えたい人たちがいるんだよね?」
「えっ?」
俺の背後から鳥の羽根を携えたリリスたちがやってきた
「痺れて動けない今ならチャンスですね。存分にくすぐったり、突いたりしてあげましょう」
「母さんへの日頃の恨み……この場で晴らすとします。私たちの責苦に耐えてトイレに行けるのか? それとも大の大人が漏らしてしまうのか?」
「安心してね。どんな結果になっても私たちは母さんを受け入れるから」
「うっ、嘘よね? リリスちゃん? リディアちゃん? リリアちゃん? お母さんにそんな酷いことを……」
「「「今回ばかりはやり過ぎです」」」
三姉妹に周囲を取り囲まれたリリィの顔には絶望が浮かんでいた。
「じゃあ、あとは任せた」
「「「ええっ、お任せを!」」」
「ちょっ、行かないでユーリ君!? 私を助けて!! どんな事でもするから!!」
「毎回それで許してるからさ。たまには罰を受けなよ。大丈夫。自分の娘を信じなって!」
「自分の娘だからやり過ぎるって信じられるのよ!!」
さすがは、お母さん。良く三姉妹の事を知ってらっしゃる。
「心外ですね」
「私たちが普通ですよ?」
「あっ、ユーリさん。カメラ貸して貰えません?」
「そうですね。私からもお願いします」
「返却に関しては、私が責任を持って返させて頂きます」
「はい?」
何に使うつもりなのかわからないが、言われるがままに三姉妹へカメラを渡した。
「「「それではまた後ほど」」」
「嫌ぁーーっ!」
俺は笑顔の三姉妹と絶望したリリィに見送られて後にした。
数時間後。
「えぐっ……えぐっ……ヒクッ……ごべんなざい……ヒクッ……」
泣き顔でグシャグシャになったリリィから謝られた。
「悪ぃ……やり過ぎた」
「ヒクッ……」
いつものリリィとかけ離れた様子に罪悪感をかなり感じる。俺は彼女を抱き締めて頭を撫でた。
「ユーリさん」
そんな彼女に対して三姉妹は晴れ晴れとしたいい笑顔を浮かべている。
「カメラをお返しします」
「あぁ……」
「それとコレをどうぞ。成果です」
「はい?」
手渡されたのは一枚の写真。そこには盛大に粗相をするリリィの姿が映し出されていた。
「うわぁ……やり過ぎ」
「今後はコレを交渉のカードにでも使って下さい」
「………」
その後、俺は三姉妹にやり過ぎだと注意しながら素直にアイテムボックスへ収納するのでした。