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貧乳議会

 妖精の箱庭(フェアリーガーデン)のとある一室。その狭い部屋に仮面を付けた人たちが集まっている。


「それでは議長の私が宣言します。此度も貧乳による貧乳の為の貧乳議会を行います」


『おぉーーっ!』


 その理由は内緒で行われる秘密の集会の為だった。


「今日から我々には新しい同志が加わります。自己紹介をどうぞ」


「サナって言います。サイズはAです。いつも姉に比較され殺意を覚えます。同志ブルーと呼んで下さい」


「じっ、実名は控えて下さいねっ!?」


 慌てた議長により同志ブルーは注意された。

 そして、周囲では自己紹介に関する共感や羨望が起きていた。


「私と同じくらいなのです!」


「羨ましい……私はまだAAだから……」


「でも、もう少しでAよね? 私なんて……」


 皆一様に自身の胸に手を当てながら現状を語る。それだけに皆の関心が胸にある事が伝わってくるのだった。


「それでは同志ホワイト。報告をお願いします」


「はいなのです。新しく加わったリナちゃんは元気が取り柄の天真爛漫少女でした。更に仔犬の様に人懐っこいので直ぐに仲良くなれます」


「……して、彼女のサイズは?」


「………AでもBでもない程よいCです。ただし、成長途中らしくDに届くのも時間の問題かと」


『くっ、羨ましい!!』


 あちらこちらか布を噛むような音と殺意の籠もった殺気が漏れた。




 **********




 その頃、談話室では。


「はわっ!?」


 アイリスと一緒にゴロゴロしていたリナが突然跳ねて声をあげた。


「どっ、どうしたの、リナ?」


「なんか、突然"ビリッ"って来た!? 魔力感知とは違うけどされた時みたいな!!」


「う〜んと……殺気を感じた時みたいな?」


「あっ、そうそう! サナに睨まれた時の感覚だ!」


「あ〜っ、だったら何処かのメイドさんが率いた集会のせいかもね? 害はないからスルーで良いよ。それよりポテチ食べない? 揚げたて有るけど?」


 アイリスが取り出したポテトチップスを見るとリナの気はアッサリとそちらに向くのだった。


「ポテチ! サクサクで美味しいよね? 食べる食べる!!」


 そのまま寝そべりながら食べ始めた2人にユーリは注意する。


「おいおい、ゴロゴロしながら食っちゃ寝を繰り返すと太るよ?」


 心配したユーリが声をかけると2人はいい笑顔で返事した。


「「大丈夫!夜に運動で消費するから!!」」


「むしろ体重が減ってるのは俺なんだが……」


 そう言ってユーリは遠い目をするのだった。


「でも、行儀が悪いから程々にね?」


「子供が近くに来てたら止めるよ」


「なら、よし」


 ユーリは奥さんにかなり甘いのであった。




 **********




 場所は戻って秘密の集会。


「なるほど。それは強敵ですね。それだけ手段も増えますから……」


「でも、ユーリはロリコン寄り。背徳を好む。その証拠に私への衝動が日に日に抑えられなくなっている」


『同志ブラックっ!!』


「そうでしょ。マ……同志グリーン?」


「ええっ、そうですね。同志ブラックがモーションを掛けた後にはユーリさんが必死に抑えようとしてます。

 ちなみに、その隙を付くと確実に出来ますが基本は足腰が立たなくなるので後の事を考えてする事をオススメします」


『〜っ!!』


 それを聞いた皆は自分の番を想像し、それぞれにどうするかを妄想して赤くなるのだった。


「でもさ、純粋にお兄ちゃんの性力が強くなってない?」


「どういう事ですか? 同志ピンク」


「……その名前変えない? まるでボクが淫乱みたいに聞こえるんだけど?」


「仕方ありません。貴方に当てる色が思い付かないので」


「でも、当人を色に当てはまるのニャら、やはりピンクかニャ? ユーリお兄ちゃんとは皆から見えない所でなかなかの頻度で宜しくやってるニャ。それに縛られた上でしっかりと調教されてしまってるニャ」


「数も私より多い時も有るんですよね?」


「アレは全部お兄ちゃんから求めて来るだけだからね!? 私から誘ってる訳じゃないよ!?」


『………』


「その全部分かってますよって目は止めて!見ないで!!」


 同志ピンクが自爆して恥ずかしくなりしゃがみ込んだ。彼女が大人しくなった事でこの話は流される事となった。


「そもそも名前より大事な話が有るニャ」


「大事な話とは何です? 同志オレンジ」


「議長……いや、同志レッド。そろそろ本格的に子作りは始めても良くないかニャ?」


『っ!?』


 皆に緊張が走る。


「子供たちも大分成長して夜泣きも治まったニャ。そろそろ解禁しても良いのでは無いかニャ?」


「たっ、確かに……同志グリーン。どうでしょう?」


「そうですね。人は増えて環境も完璧。脱走した子供も捕まえられる程に身体能力が向上しましたしね」


「高速で移動するユリウス君には苦労しました……」


「それを言うならカグヤちゃんでしょ? 捕まえても腕の中からすり抜けるもん」


「いやいや、アテネちゃんでしょ? 気を抜くとパタパタと外へ飛んで行こうとするし!」


 皆は口々にあの子がヤバい、この子がヤバいと育児の苦労を語るのだった。


「それに引き替えスルガ君とかは大人しいですね。同志レッド」


「そうですね。特殊な身体能力とか無いからでしょうか?」


「確かにそうですね。エルフの子なども大人しいので」


 彼女たちは大人しいと語っているが、それはここでの基準である。

 外ではヤンチャで母親を困らせるレベルであるのだが、ここにはもっとヤバい子がいる事や皆一様に身体能力が高いので気付いていないのであった。


「それでは話を戻します。これからは正式な子作りを許可として嫁議会でも承認する予定です」


「向こうで承認されれば、その日から可能です。ただし、学業などを行っている者はそちらが優先となりますので計画的に行って下さい」


『は~い!』


「それでは以上で終了です。解散!」


 議長の宣言で部屋からは人が消えて議長と同志ブルーだけが残された。


「あれ? 豊乳マッサージの話は?」


「あっ、忘れてました。それがメインなのに……」


「私、皆の進捗状況とか、やり方を聞いてみたくて参加したのに……」


 残念そうに肩を竦める同志ブルーなのであった。


「わっ、私の秘密ので良ければ……少々話辛いですが……」


「えっ、良いの? 教えて下さい、ミズキさん!」


「だから名前は……今は議会はおわってましたね。良いでしょう。まずは……」


 その後、サナは顔を真っ赤にしつつもミズキの話をしっかりと聞いた。

 そして、実戦しようにも勇気がでず、彼女は封印するのだった。

ユリウス ~ マリーの息子。竜種。


カグヤ ~ アイリスの娘。魔族。分類ヒューマンスライム。


アテネ ~ エロースの娘。天使。


スルガ ~ ミズキの息子。普通人族。

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