長い戦いだった……
ここの所投稿がズレてすみません。エルフの発情期をどう収めようか悩んでいたら昨日中に出せませんでした。ちなみに発情期話は今回の回で終わりますのでよろしくです。
ビルを出た俺は集中砲火に見舞われた。
「どわぁ!?」
まずは俺の近くにあったビルが爆破された。
一体誰がやったかって?
リリス。リディア。リリアの三姉妹です。
俺は少しでも見付かる可能性を下げる為に姿を消していた。だから探すのが面倒くさくなったらしく彼女たちは全て破壊して炙り出す作戦に出たらしい。
当てずっぽうなのだが、周囲のビルを確実に破壊されるのでたまったものじゃない。どうやら俺なら大丈夫だと思っている様だ。
「しかし、火力がおかしいだろ……」
彼女たちは発情期に入り戦闘力が上がった様だ。しかも、各所に隠している武器を回収して使っている。設置した事を後悔しても悔やみきれない。
ちなみに、ラズリとリリンのいるビルは結界を張って防御しておいた。これなら寝ている彼女たちも安心だろう。
「結界の張られたビルを発見!」
「シュート!……硬いですね。これは立て籠っているかもしれません」
「近くからの3点同時攻撃で破りましょう!」
結界を張った事が功を成したのか。リリスたちは調べにやってきた。
俺は魔法銃の攻撃にも耐えられるように厳重に掛けていたので彼女たちは勘違いしてしまった様だ。
グッジョブ、俺! よし、壊れた様に見せ掛けて彼女たちを閉じ込めよう!
そして、この作戦は上手くいった。
魔法が当たる直前に結界を解除。結界が壊れてビルの玄関が破壊された様子を演出出来た。
彼女たちはほくそ笑みながらゾンビの様に俺を求めてフラフラと入っていった。
飛んで火に入る夏の虫〜。罠とも知らずに見事にかかってくれたものだ。
「五重結界発動!」
「「「なぁっ!?」」」
結界に閉じ込められた瞬間状況を悟ったらしい。彼女たちは結界に張り付いて文句を言っている。
「ユーリさん!ここから出して下さい!!」
「何故逃げるんですか!?」
「私たちはユーリさんが欲しいだけなんです!」
「悪い許せ! 今色々痛いんだ!正気に戻ったら1人1人相手をするから!」
俺は罪悪感をいだきながらも放置して走り出した。
しかし、一番警戒していたリリスたちを隔離できたので安心したのか。姿隠しの魔法を解除してしまった。
「ゆ・う・り・さ・ん♪」
「むにゅっ!?」
案の定俺は路地裏から伸びてきた手に引っ張られて抱き締められた。
今の声と残っている面子から直ぐに彼女が誰か理解した。
「スルーズか!?」
「は〜い。貴方の嫁のスルーズですよ♪」
「悪い。スルーズ。今急いでるんだ」
「それは私たちより優先する事ですか?」
「ああ、今のスルーズたちは理性のタガが外れているんだ。後で後悔しない為にも我慢してくれ!」
「理性のタガですか……? よく分かりませんが私は……」
スルーズは俺を抱き締めまま耳元で囁いた。
「ご主人様の物としてピーやピーをして……以下自主規制」
「ぶはっ!?」
普段の生真面目なスルーズからは考えられない様なマニアックな事をお願いされた。どうやら内心ではそんな事を考えていたらしい。
前々からむっつりスケベじゃないかと思っていたが正解だった。発情期の影響で正直になったのだろう。
「とりあえず、要望もあるし縛るか」
「ああん♪」
糸で彼女を縛り上げて吊るし、キツキツの糸を引っ張ると喘ぎ声を上げた。コレなら逃げる事は出来ないだろう。
俺はそれから更にアイテムボックスを開いてハンカチを取り出すと彼女に目隠しを施した。
「さぁて、スルーズ。今どんな気持ち?」
「凄いドキドキします!何時でもどうぞ!」
「なんで俺が命令されないといけないんだ? 自分の立場が分かってないのか?」
要望にもあったので少しSっ気を出す事にした。糸を引っ張り彼女への締め付けを少し強めてみた。
「あぃい!焦らしプレイですね!Sっ気なご主人様は最高です!」
「それじゃ、いつ来るか分からない時間を楽しもうな?」
「はぃい!」
こうしてスルーズを無事に拘束出来た俺はバレない様に離れるのだった。
そして、目的の場所へと向かう。
狂乱の小世界の中央に位置する教会。そのドアをゆっくりと開くと目的の人物が祭壇の上に座って待っていた。
「そっちから来てくれると思っていたわ」
「リリィ。やはりここに居たんだね? 君なら何処か目立つ所で待ってると思ってたよ。でも、それは考えてなかったかな……」
祭壇に座るリリィは幼い姿へと変わっていた。どうやら年齢偽称ポーションを飲んだらしい。
「貴方の好みに合わせたのよ。ユーリ君は何だかんだで誤魔化すけど私が好みのタイプみたいだもんね。しかも幼い姿が良いなんて業が深いわ♪」
「そこまでの気の回しようといい。襲って来ないで待ってた事といい。正気に戻ってる?」
皆欲望に忠実で捕まえに来ていたが、彼女がその手の行動に出たのは最初だけだった。
「う〜ん、そうね。この容姿になる為のポーションのおかげかしら? おかげで少しは欲望を抑えられているわ」
「なら、鎮静剤の作り方を教えてくれないか?」
「うふふっ、まぁここに来たのならそれが目的よね? ユーリ君なら材料を持っているだろうし。でも、教えないわ」
「なんで!?」
「貴方は最後の材料を用意していないのよ。だから、教えられないわ」
おいおいマジか。家やリリィの店にある薬草なら全てアイテムボックスに揃ってるんだがそれでも足りないらしい。
「でも、そうだよね。知りたいよね? 発情したエルフにはユーリ君も勝てないもんね? 私たちは容姿だけじゃなくテクニックも一流だし〜。体力あっても限界あるもんねぇ〜?」
「なっ!?」
なんかすげぇ煽って来るんですけど!?
今の見た目とも相まって生意気なメスガキにしか見えてこない。
しかし、直感が告げている。いつも通りやれば落ちると!
「でも、勝てたら教えてあ・げ・る」
「望む所だ!」
そして、彼女との食うか食われるかの激しい攻防が繰り広げられるのだった。
勝者ユーリ。敗者リリィ。
「即効果が欲しいなら別に他の薬草は要らないわ。子種を経口摂取させれば良いのよ」
「……リピート?」
聞き間違いか。彼女は飲ませろと言った気がしたのだが?
「ユーリ君のナニを突っ込んでごっくんさせれば良し!」
「そこまでハッキリ言わなくてよろし!!」
そんな気がしてたけどマジだった。だって彼女が見せた試験管には白濁の液体が入っていた訳だし。
「ちなみに量は?」
「………(ニコッ)」
何も言わずニコリと微笑むリリィ。その様子が全てを物語っていた。
「私はさっきの分で足りるから娘たちをお願いね」
「頑張ってくる……」
次からは増量剤を作っておこうと心に誓った。
数時間後、エルフたちの発情期は無事に鎮圧された。
そして、外に戻るとやつれていたロギアたちに報告された。自分たちの嫁さんが妊娠したのだと。彼らは限界を迎えて逃げたらしい。
「今日は飲もう……」
俺は2人を酒に誘って祝い兼俺の苦労話をするのだった。




