うちの子供たち
最近、ユリウスたちが、ハイハイする様になった。親としては、その成長にほっこり……。
「ユーリ、ほっこりしてないで捕獲するの手伝って!」
俺の目の前を高速で駆け抜ける2つの物体。何を隠そう、ユリウスとカグヤだ。
「速すぎだろ!?」
速さにして、自転車くらいか。ハイハイって、こんなに速いものだっけ?
「赤ちゃんとはいえ、竜種ですからね!身体能力が高いんです!!」
「ああ、なるほどね! でも、カグヤは……滑ってる!?」
カグヤは、スケートリンクを滑るかの如く、スーッと滑っていく。手足に車輪でもついてるのでは無かろうか?
「あの子、手足をスライム化させてるのよ!」
赤ちゃんの内からスライム化させれるのね。
とはいえ、このまま放っておくのもマズいので、俺たちは、全力で屋敷内を追いかける。
「アイリス、マリー! そっち行ったぞ!!」
「ほら、大人しくしなさい!カグヤ!!」
「そうです!貴方も大人しくしなさい!ユリウス!!」
ユリウスたちの行き先で待ち構えるママさんたち。
「「あぁっ!?」」
その手を器用にすり抜けて、ユリウスたちは逃げて行く。
本来の身体能力なら簡単に捕まえられるが、相手が赤ちゃんなので力を抜く必要が有り苦戦している。
「「待ちなさーーい!」」
ユリウスたちを見る感じ、何かを探している様だ。部屋を通り過ぎる時に中をチラチラ見ている。
「これは、なんの騒ぎですか?」
フィーネが俺の背後からやって来た。
洗濯物を取り込んでいたのか? 服の入った洗濯カゴを抱えていた。
「実は、ーー」
「ユーリ! そっち行った!」
「えっ?」
振り返るとユリウスたちが既に側まで来ていた。そして、フィーネに向かい。
「飛んだ!?」
マズイ! このままだと、フィーネにぶつかって吹き飛ばされーー!?
「きゃっ!」
弾き飛ばされる事はなかった。フィーネのおっぱいが、ぽよんと弾む。それにより、ユリウスたちの衝撃は吸収され、受け止められていた。
「びっ、びっくりしました」
「フィーネのおっぱいに助けられたぜ。後で俺も飛び込んでいい?」
ユリウスたちが、フィーネのおっぱいに飛び込みたい気持ちが、俺にも分かるわ。だって、柔らかそうだもん。
「えっ? よっ、夜なら……」
よし、夜の楽しみが出来た。さて、ユリウスたちの様子は……。
「「ママ」」
フィーネのおっぱいにしがみつき、『ママ』と言っている。この子たちは、フィーネを探していた様だ。
「ユリウスとカグヤは、フィーネを探してたのか」
「フィーネ。ありがとう」
「助かりました。ユリウス、部屋に戻りますよ」
「ヤァーー!」
ダメだ。ユリウスは、フィーネから離れる気配がしない。
「ほ〜ら、カグヤ。アイリスママですよ。一緒に帰りましょうね」
「うーーっ!」
どうやら、カグヤも同じだった。このままだと、フィーネに負担をかけてしまう。
「何か、気を引く物でも有れば来るかな?」
「気を引くねぇ……あっ!」
アイリスが、何かを思い付いた様だ。
「何か、有るのか?」
「うん!待っててね。今やるから……」
「それは、一体……うん。もう分かった」
だって、アイリスのおっぱいが、通常よりデカくなってたから直ぐに気付いた。
「「ママ?」」
「ママでちゅよ〜」
アイリスは、ユリウスたちを引っ張ると普通に引き剥がせた。どうやら、おっぱいで認識していたらしい。
だから、マリー。落ち込むな。ミズキたちがやってるバストアップ法をして上げるから。
なに、2サイズくらいは大きくなるさ。ミズキが、Bに成長した事からも分かるだろ?
それに、ルイさんの血が流れているから大丈夫さ。
「おっぱいで認識するなんて誰に似たんだろうな?」
「「誰に似たんでしょうね」」
2人共、俺を見つめてくる。どうやら、俺だと言いたいらしい。
「いや、でも、おっぱいで判断してるとは限らないだろ? 誰かで試そうぜ」
「あっ、それ面白そう。フィーネの次に大っきいのは……ギンカ? ガーネット? それともマローナ?」
「あの3人が、良い勝負だよな」
3人共、甲乙付け辛い巨乳の持ち主だ。
「マローナは、身長が小さいから余計にそう感じるだけで、ガーネットじゃないですか? それとギンカは、改変出来ますし」
マリーの話も確かにと思った。
「よし、なら、全員に会わせてみよう」
結果は、少し反応したけど違うと認識された。
ユリウスたちは、ママたちを顔で認識しているらしい。まぁ、俺を『パパ』って呼ぶし、そんな気はしてた。
後日、おっぱいに反応する理由が、ルイさんによって分かった。
「フィーネちゃんが乳母として、一番長く接しているから貴方たちより『ママ』だと認識しているのね。だから、彼女に似ている者に反応するのよ」
との事だった。そして、フィーネの特徴といえば、おっぱい。正にその通りであった。でも、それが事実なら……。
「「ママとして見られてない!?」」
あっ、やっぱり。そういう結論になるよね。
まぁ、冒険とかには、彼女たちを率先して連れて行くから外出が多くて仕方ないといえば仕方ないか。
これは、親子の接する時間を増やす必要があるな。対策として、スキンシップを増やすとか?
ユリウスたちは、フィーネたちの子と一緒の部屋で育児してるが、個別に面倒をみる機会を増やそう。これは、ママさんたちと要相談で。
という訳で、子供部屋にユリウスたちを戻す。他の子たちは、スヤスヤ寝ていた。どの子も順調に成長中の様だ。
しかし、幼少時は、肌や髪の色じゃないと見分けがつけ辛いな。特に、双子。リリスの娘たちとか。父親としてマズい気がしなくは無い。
まだ、リディアの子たちみたいに、二卵性双生児なら分かり易かったんだけどね。
「赤ちゃんたちのオムツ替え、手伝ってくれませんか?」
「はいよ〜」
本当に赤ちゃんたちの成長が楽しみだ。そう思いながら、育児を手伝った日だった。




