道中での出来事・後編
伏線の張り方がわからなすぎて死にそう。
そして、意図しない伏線とかありそう(白目)
これを左腕を割り込ませて防御する。狼が左腕に噛みついてくる。右手の刃物を喉元に突く。
刃と喉がぶつかる感触を得てそして、刃が折れた。
頭が真っ白になる。
(刃が折れた?なんで?どうする!どう抜け出す!?)
狼に馬乗りにされながら左腕に噛み付かれている現状を第三者視点で眺めどこか他人事のように感じてしまっている。狼は目から血を流し、俺は左腕から血を流すがいつまでもこの状況でいる訳にもいかない。
俺が闇雲に蹴りを入れるが不利な姿勢な所為であまり力が入っていない。持っていた刃物の柄を捨て右手の人差し指を狼の目に向け突く。
狼は噛み付いた腕を離して数歩分後ろへ跳び退く。
素早く立ち上がり左腕を抑える。
役に立つとは思わないが身体を横に逸らして構える。
狼は駆け出し今度は足を狙って来た。
咄嗟に俺は足を蹴り上げて狼の顎先にぶつける。蹴り抜いた足の下を通って狼が錐揉みしながら地面を数度転がる。
ふらつきながら立ち上がる狼。不利を悟ったのか森に向かって走り出した。
「ふぅ…なんとかなったか。」
汗を拭いつつ周りに目をやり警戒する。
折れた刃物と柄を回収して村に向かうことにする。
「あぁ…やっちまったな、これどうするかな…」
刃物と左腕を交互に見ながら小走りで村に向かう。
「シシリー達は大丈夫かな、もう村についてるといいんだが…」
私はセシリーを背負い村に走っていた。そこまで早くは走れないけどあと少しの距離でたどり着ける。
(もうすぐ着きます。待っててくださいイツキさん!)
彼の無事を祈ることしかできない私は急いで村へ向かった。
ギャヒヒヒ
一匹のゴブリンが突然森から出てきて私の前に立ちはだかった。ゴブリンは怖い魔物、冒険者の方にとっては弱い魔物らしいけど私にはそうは思えない。
子供くらいの大きさだけど力は強く大人の男性でも素手で挑むのは躊躇われる。それに、ゴブリンは人間の女性を連れ去って苗床にするらしい…もし私やセシリーが連れ去られることがあったらと思うだけでゾッとする。
ゴブリンが汚く涎を垂らしながら近づいてくる。セシリーを置いていけば逃げ切ることは出来る。けど、そんなことは絶対に嫌!たった一人の妹を犠牲にするなんてできない。
そう思っているとゴブリンが襲いかかってきた。あわてて後ろに下がって距離を開けようとしたけどゴブリンの方が早く胸元に体当たりを受けてしまった。
ぶつかった勢いでセシリーが背中から吹き飛ばされてしまう。私も背中から頭をぶつけてクラクラする。ゴブリンはそのまま私に馬乗りになりながら首に手をかけてきた。
(苦しい…)
ゴブリンは私の首を絞めて気絶させるつもりみたい。
私はゴブリンの腕を握って振り払おうとするが相手の方が力が強いのであまり意味はなかった。
「ううっ…ここは?」
セシリーが落ちた衝撃で目を覚ましたみたい。
「お姉ちゃん!?」
事態に気づいたセシリーがゴブリンに攻撃をしている。でも、やっぱり女のそれも子供の攻撃じゃあまり効いてないみたい。妹の攻撃に苛立ったのか首の締まりが強くなってきた。
「はやく…にげ…て…おじさ…んを…よんで…」
妹の表情が固くなり青くなるのがわかる。
セシリーは泣きながら村に向かっていった…
隔週日曜投稿になりそう(maybe)