第84話≡お前の人生だろうが!!
ノリノリで書き上げた結果がこれだよ。
「で、どう言うことだってばよ」
桜は朝食後にシオンを含めた女の子達を部屋に連れてきた
「その…桜さんに本当の事を話したら断られると思い…」
「で、いっその事終わってから話そうと?」
「…はい」
ガルシオンの話によると
このミラルバとの試合は勝った方がシオンと結婚できるというものだった。
シオンもそれを両親に説明した上で桜を呼んだようだ。
「はぁ…説明してくれたらちゃんと動いたのに…」
「すいません。でも本心は自分の決めた人と結婚したいんです」
桜はもう一度深いため息をついた
「ちゃんと協力してやるからこれからは説明してくれよ」
そう言うとガルシオンは微笑んだ
「…はい。ありがとうございます。
では勝ってわた」
「「ダメ」」「ダメです」「…ダメ」
皆早いって
「そこはクー君の事も考えてあげませんと」
「…桜さんは私の事は嫌いですか?」
「い、いや。別に嫌いじゃないが」
「でしたら何の問題も」
「私たちがいますよ?」
ガルシオンは不機嫌そうに頬を膨らませた
「それだと絶対にダメじゃないですか…」
「ま、結婚だのなんだのっていうのはまだ考えなくてもいいだろ」
「そうだよ。まだいいもんねー」
さてと、色々と話し合いも終わったし
「ひとまず、俺がミラルバさんに勝ったとしたら婚約破棄って感じで」
「はい。
待ってます。ずっと待ってます」
「やめて!!
なんかプレッシャーが半端じゃないじゃん!!」
結局はガルシオンの悩みは杞憂に終わった
「決まったみたいだね」
「はい。
ミラルバさん。戦いましょう」
桜はガイヌスと戦った所の近くにいたミラルバさんと話をつけていた。
「僕も家の事がある。
手は抜けないよ」
「俺だって友達のためです。手を抜きませんよ」
二人は笑顔で握手をかわした。
「でも、友達のためなんだね」
「そうですよ。
皆がうるさくて」
まあ、俺としてもシオンと結婚できるならしたいところだが
「皆というと君の奴隷達かな?」
「そうですね。
皆、結婚はまだ早いって」
なんで娘みたいな扱われ方をされなきゃいけないのかわからないが
「ははは、君は愛されてるね」
「そうですか?
ただの仲のいい関係な気もしますが」
「いやいや、十分にうらやましい関係だよ」
その時、ミラルバの顔に少し影がさした気がした
「…さて、行きますか」
「はい。いい勝負しましょう」
俺達は別々に別れてそれぞれの控え室に入っていった
「さて、鳴。がんばろうか」
「…ん」
皆は…集まってるな。
「待たせたね」
「いえ、大丈夫です」
さて、ミラルバさんがガイヌスさんよりも強くないことを願うだけだな
「では、始めても?」
「ええ、お互い全力を尽くしましょう」
桜とミラルバがある程度離れると半透明の電子板がでてくる。
青い背景にクー
VS
金色の背景にミラルバ
と書かれていた。
うぇ…
また金色かよ…
3
「私はラタトスク。
ミラルバ様の奴隷です」
2
「…にぃの妻。麒麟。」
1
「ちょ、鳴。何を言ってらっしゃるんですか!?」
ほら、外野が何やら不穏な空気になってるじゃん…
Fight!!
「妻、ですか…
羨ましい…」
「ラタトスク、試合に集中しろ」
「はい」
さて、俺達はどうするか…
あのラタトスクって女の人の武器はロングソードみたいだし…
うーん…
「鳴、ひとまず仕掛けるから指示に従ってくれ」
「…ん。旦那様」
「いやいや、その妻の立ち居ちもういいから」
桜はナイフをミラルバ達に投げつけ、“アイスニードル”を発動した
「ご主人様、お願いします」
ミラルバは自分の武器である杖を向けた
ん?なんだあの魔方陣…
ラタトスクは同じ氷の魔術で“アイスニードル”を防いだが、桜が気になるのはミラルバの使った魔術だった。
線ではナイフを囲むと魔方陣が発動し、他のところに転移してしまった。
転移?
いや、転移魔術でもないよな…
「ラタトスク、奴隷の方を頼む」
「はい」
「…行ってくる」
「あ、うん。気を付けるんだよ」
「…ん」
鳴も行ったしひとまずあの魔術の解明が先だな。
桜は地面から2本のナイフの錬成。
掴むと同時にミラルバに接近する。
さて、どうでうわっと
例の魔方陣が小さく桜の前を囲みだしたためブレーキをかけてバックステップをした。
「…へぇ、避けたか」
桜のマントはその線の囲んだ中に入ってしまい四角くなくなっていた
うーん、空間ごと動かす的な?
ダメだな。情報が少なすぎる。
「随分と困惑してるね」
と、言うと同時に水で出来た針を幾つも放ってくる
「えぇ、まぁ…」
桜は氷の盾を作って針を全て防いでいく
「っと、今度はこっちか」
桜が動かないでいると線が腰辺りに来たのですぐに避けた
腰辺りになるって事はやっぱり空間動かしてバッサリ狙ってるのか?
「君のアイテムは魔術をどのようにかして目視する能力だね」
「ミラルバさんは空間をなにやらする能力ですね」
沈黙は肯定ですよ、ミラルバさん。
って、俺も相手の答えに頷いたも同然じゃないですか、やだー
「君のアイテムはわかった。頑張って避けてくれよ」
すると線縦横無尽に走り始めた。
うぇ…避けずらい…
桜はいくつもの足場を作り、上に登って行った。
その時、マントがいくつか四角く切り取られたが買えばいいだけなので気にしていない。
「“氷柱”!!」
大きく氷で作られた三角錐がミラルバに向かって落ちていく。
ん?なんで日本語かって?
ハハハ、英語がわからなかったからに決まっているじゃないか。
「甘いよ」
氷柱は先端から桜の近くまでカットされて他の所に落とされた。
桜はすぐに残りの氷を使って氷のランスを作りミラルバに向かった
ドッドッドッ!!
水で作られたランスが氷の槍を三点で支えるように突き刺さる。
「君の対処の早さには驚かせられる」
「そりゃどうも」
桜は水の玉を全く関係のない方向に発射した
「放電!!」
「くっ」
ミラルバは自分を線で囲って少し離れたところに飛んだ
「危ないこと」
「きゃぁぁぁ!!」
「ラタトスク!!」
ラタトスクは水溜まりに足を着けながら電気を帯びて倒れていた
よしよし、鳴は意味を理解してくれたみたいだな
ミラルバはラタトスクを線で囲って自分の所に戻すと同時に鳴の体を線で区切ろうとした
「鳴!!こっちにダッシュ!!」
鳴の体は雷となって桜の所にすぐ駆けつけた
「よくやったぞ、鳴」
「…にぃのおかげ」
「ラタトスク!!大丈夫かラタトスク!!」
ミラルバさん、やっぱり奴隷にも優しいな…
「は、はい。ご主人様。
すいません、足を引っ張り…」
「いや、大丈夫だ。
だが、これからは僕の近くで戦ってくれ…」
「はい」
…なんか過保護すぎね?
……あ、そういうことか。
これが正しければ絶対に負けちゃいけないな。
「鳴。お前は」
「…離れない」ぎゅ
動き辛いんだが…
「違くて、ミラルバさんからラタトスクを遠ざけてほしいんだ」
「……ん」
今のはなんか間が長かった気はするがまあ、いいや。
俺はミラルバさんに確かめないといけないことがあるからな
桜は壁を作ると同時に鳴が横から飛び出した。
まずは離すことを優先にしてだな
桜は壁を殴ってナイフを二人に飛ばした
…痛いから次から蹴ろう。
「ラタトスク、離れるなよ」
「はい…」
ナイフのほとんどは線で囲まれ鳴のいるところにワープして、残りは水の盾を使って見事に防ぎきった
「鳴!!」
ナイフは全て土に変わり、鳴はラタトスクに近づいてレイピアを突き出した
「ラタトスクは傷つけさせ」
「ご主人様、後ろ!!」
「何?」
ドコッ!!
桜は鳴に注意がいってる隙に近づいて蹴りを決めた。
いってー…
肉を抉るのは無しだろ…
ミラルバは蹴られる直前に線で小さく桜の足を囲んで肉を少し抉り取った
「さて、ミラルバさん。あんたには少し聞きたいことが」
「ラタトスク!!」
「いいから動かないで」
「ぐっ」
桜は問答無用に重力でミラルバを地面に縫い付けた
「さて、ミラルバさん。1つ質問です。
あなた、自分の奴隷が好きなんですか?」
「…それに答えたところで何の意味がある」
「これは大切な事なんですよ」
遠くでは鳴がラタトスクをミラルバに近づけさせないように頑張っている。
…とっととすませるか
「で、どうなんですか」
「…あぁ…好きだ」
よし、予想的中。
やっぱりこの勝負は負けられないな
「だが、それは許されるわけがないだろ!!
魔物は跡継ぎを残せない!!僕は自分の家の血を守り抜く義務があるんだ!!
お前なんかにわかるか!!」
だからシオンを使って跡継ぎを残そうと。
まあ、両家とも名家らしいしいいんだろうけど
「ミラルバさんはそれでもいいんですか?
少なくともシオンは嫌だと言い切りましたよ」
「それはお前が人間だからだろ!!僕には選択の余地すらないんだ…」
余地すらないねぇ…
「ミラルバさんはそれで納得がいくんですか?」
「だから俺には」
「あー、めんどくせぇ!!
あんたはシオンと結婚して納得するかって聞いてんだよ!!」
…後で謝らないとな
俺ってつくづく小心者だよな…
「嫌ださ…
僕だって自分で納得のいく相手と結婚したい!!」
…あ、1つ疑問に思った。
「ラタトスクはミラルバさんの想い知ってるの?」
あー、興奮してるから日本語がおかしくなってる…
「ラタトスクは…知らないはずだ」
「そっか。まずはそこからだけど…」
まあ、たぶん告っても大丈夫だと思うけどね
桜はミラルバの重力魔術を解いた
「来いよ。あんたの夢。叶うための時間をやるから」
俺は決め顔でそう言った。
はぁ…後で「君は口が悪いから縁を切るよ。カーペッ」なんて言われたらどうしよう…
「ふざけるな…ふざけるな!!
僕に自由なんて!!」
ミラルバは水の弾丸をいくつも桜にぶつけていく
「あんたはそれをちゃんと伝えたのかよ!!」
桜も水の弾丸を使って相殺する
「無理だよ!!親は僕に期待している。その期待を裏切れるか!!」
「裏切ってみろ!!
あんたのラタトスクに対する想いはそんなもんなのかよ!!」
「違う!!僕の愛はそんなもんじゃない!!」
もう一押しかな?
「だったらやってみろ!!
胸はって言ってみろ!!」
「だから、無理なんだよ!!
僕にどうしろって言うんだよ!!」
「お前が好きな事をしろ!!
お前の人生だろうが!!」
アニメの見すぎかな?
17歳が人生語っちゃってるよ
「僕の人生…
無理だ…僕には…」
「やってもいないのに諦めてんじゃねーぞ!!
子供ができないから結婚しない?
ふざけんな!!んなもんいくらでも方法はあるわ!!」
「…そうだ…今の医療なら…
いや、でも…」
だんだんイライラしてきた
「お前の人生を他人に任せてどうする!!
好きなら好き!!嫌いなら嫌いってしっかりいってこいや!!」
「僕はどうすれば」
「お前のやりたいようにやれって言ってんだよ!!」
「やりたいように…」
…俺って中々熱血キャラだったんだな
ミラルバの攻撃の威力は徐々に弱まりついには止まった
「そうだよ。お前の好きに生きてこそお前の人生だろ」
「………」
桜は水と雷の大きな槍を作り上げた
「俺ができることはこれぐらいだ。気張ってこい!!」
そして、笑顔で2つの槍を放った。
ミラルバのHPは一瞬で空になりフィールドを去った
「うぅ…ご主人様…」
「って、あんだけ大声あげれば聞こえるわな」
後ろには戦闘を止めた2人が立っていた。
どうやら途中から2人の会話を聞く方に専念し始めたようだった。
「ま、そういうわけだラタトスクさん」
ラタトスクは涙を流しながら一礼してフィールドを去って行った
「…かっこよかった」
「嬉しいけど抱きつかないでもらえる!?」
「…好きに生きてこそ自分の人生」
「止めてくれー!!」
桜には黒歴史。
女の子の皆には桜といちゃいちゃする要因を与えたようだった。
読んでいただきありがとうございました!!
誤字脱字がありましたら報告お願いします!!
感想くれたら喜びます!!
この小説はすでに作者の黒歴史です。
絶賛黒歴史中です。
邪眼に魔眼って…///




