第100話≡怖いのは夢にも現実にも出る
まず、言い訳をさせてください。
テスト、再試、バイト、サークルでの飲み会、エロゲ…
12月入ってからやけに忙しい日々が続いたんです!!
本当に遅くなって申し訳ないです!!
流石に3ヶ月はサボりすぎたと自覚してます。
でも、多分この話が一番構想を練るのが難しかったところなので次からはすんなり投稿できるかな…
柚汰は桜と別れた後、T字路で途方に暮れていた。
「って別れたはいいもののな…」
俺は桜と別れた後に広いこのフロアの散策を冷静に考えてみた。
結果からいえば…
「これってなかなかなムリゲーじゃね?」
さっきからこつこつと歩いてたら当然道に迷った。
そりゃもう速効で迷った。
「…なんでここって案内板がないんだよ」
…敵地なのに案内板がある方がおかしいけどな。
「…さてと、一体どうしようかな」
「ご主人様、私もいますからね」
「頼ろうとは思ってたがいい案が思いつかなくてさ」
さてなにかいい方法はないかな。
「そうですね…
とりあえずは、別れて散策をしてみましょう。
これはいつも持ち歩いてますし」
サキュバスがそういって懐からスマートフォンを持ち出した。
でも、ここって電波が……地下なのに三本立ってるし…
意外とそういうところはしっかりしてるんだ…
「それじゃ、皆がつかまってそうな手がかりがあったら報告よろしく」
「はい。ご主人様も一人で行かないでくださいね」
「そんな怖いことできないって」
ぶっちゃけ、俺にそこまでの実力はないしな。
「それじゃ、またあとで」
「はい、またあとで会いましょう」
二人はこうして別れて探索を開始した。
うーん、やっぱりそんなに簡単に見つかるわけないよね。
~♪
「のわ!?…びっくりした。サキュバスからか…
はい、柚汰だけど」
『あ、ご主人様。大勢の人の声とその前の部屋に人とその人の奴隷らしき魔物を見つけました。』
うわ、あっちが当りだったか。
「あ。見つけてくれたのはありがたいけど、俺どうやってそっちに行けば…」
『ふふふ、そういうと思ってマッピングをしておきました。
今からそちらにデータを送ります』
おお、流石はサキュバスだ。俺じゃ考えもしなかったよ。
「それじゃ、送ってくれ。
それと、一人で行かないように」
『わかっています。
…できるだけ早く来てくださいね』
…早く行かないといけない気がしてきた。
電話が切れるとすぐにマッピングされたデータが送られここからのルートが分かった。
さて、できるだけ急いでいきますか。
データをもらって数分後。
柚汰は迷うことなくサキュバスの姿を見つけた
「サキュバスお待たせ」
「あ、ご主人様」
「人がいるってここの部屋?」
「はい、その人もどうやら動いては」
「おい!!そこでこそこそしてるやつ!!
ばれてんだ、とっとと出てこい!!」
…どうやら隠れてるだけ無駄みたいだな。
「サキュバス、行くぞ」
「…はい」
柚汰はボウガンを、サキュバスはグローブを陰から取り出して部屋に入った。
「…どうやら俺の仲間ではないみたいだな。
何者だ?」
目の前に立っているのはアメリカンハットをかぶったカウボーイのような恰好をした男だった。
その横には白いパーカーで顔を隠した子供が立っている。
「何者と言われても…
とりあえず、うちから連れ去られた人たちを助けにきました」
「ほぉ……つまりはお前は少なくとも俺たち英雄の敵ってわけだ。
ワーム、久々の戦闘だ」
パーカーの少年は口元をにやりとほころばせるとクルリと回転した。
…さて、一筋縄じゃいかないみたいだな。
男はピストルを2丁抜き、少年の周りには透明な板が何枚か浮遊していた。
「さて、開戦の前に自己紹介だ。
俺はライトニング。狙撃手って呼ばれたりもするな。
こいつは、俺の奴隷のワーム。話せないのは元々だから気にするな」
狙撃手ってことは俺と同じような戦い方か?
てか、英雄ってだけで心が折れそう。
「おいおい、こっちが名乗ってんだ。
そっちも名乗るのが礼儀だろ?」
「あ、ごめんなさい。
俺はシキガミです。えーっと、」
…この場合は何を話せばいいんだ?
自己紹介だから…
「あ、支部は『東日本支部』です」
「…そこを話されてもな」
…やっぱり違がったか。
どうして自己紹介ってこんなに難しいんだろうね。
狙撃手は自分の持ってるリボルバータイプの銃の弾丸を確認し、数弾入れ替えてこちらに構えてきた。
「さて、グダグダと話すのはここまでにして」
その動作に俺たちも懐に手を入れた。
「ワーム…スタートだ!!」
ライトニングの銃口から耳をつんざくような音と共に白いパーカーの少年-----ワームが透明な破片と一緒に接近してきた。
ライトニングが発砲すると同時にサキュバスは前に柚汰は下がった。
サキュバスと柚汰の動きは早く常人にはやっとの思いで見える速度だった。
「っく。こいつらなんて早さだよ」
「はぁ!!」
サキュバスは一瞬でワームとの距離を詰めて拳を突きつけた。
パリンッ
「!?」
「サキュバス、一旦下がれ!!」
ワームだった破片はライトニングの元へ集まりワームの姿に戻った。
……なんか今の現象とかあの破片とかどっかで見たことあるんだよな。
「ご主人様、今の感触に心当たりが」
「さてさてさて!!次はこっちからの反撃だぜ!!」
ワームが両手を広げると透明な板は部屋全体に散らばりった。
「避けきれるかな?」
タンッタンッタンッ
ライトニングが持ち前のリボルバーから柚汰とは違う方向に3回火花を散らすと、弾丸は光の槍と化して破片の中に吸い込まれた。
うん、これは定番のパターンだな。
「サキュバス、ワームに攻撃だ!!」
柚汰は避けると同時に腕にボウガンを付け、その場から飛び退いた。
サキュバスも柚汰の指示と同時に駆け出した。
バチッバチッ!!
サキュバスと柚汰の立ってた場所には電気の槍が刺さっていた。
「…驚いた。いい、初見殺しと思っていたんだがな」
「残念だけど、同じような相手を見たことがあっただ…です」
「命を狙ってる相手にも敬語かよ」
ライトニングは苦笑いしたまま牽制がてらサキュバスに電撃の弾を放った。
「でもまぁ、ここまでは読めなかっただろ?」
ライトニングの放った弾丸は電気の尾を引いたまま残っていた。
「え?」
次の瞬間、柚汰の前に電撃の弾が走り、一本の線が残った。
「俺のアイテムはつまりはこういうことなんだよな」
柚汰とサキュバスが動けないでいると、破片から破片に弾丸が飛び回りあっという間に電気の檻のようなものが出来上がった。
「くそっ!!これは聞いてないぞ!!」
柚汰は急いで檻の元となっている板を壊したが一本も消えはしなかった。
「残念だけど、ワームのガラスを砕いても檻は消えねぇぜ」
ちっ。やっぱりこれはガラスか!!
色々と面倒だったんだよな!!
「俺のアイテム『質量のある残像』はあくまで俺のアイテムだから頑張ってみ。
まぁ」
二人を破片---ガラスが囲み始め弾丸が二人を襲った。
「生きてればの話だけどな」
二人は狭い檻の中、弾丸を避けながらどんどんと逃げ道を狭くされていく。
このままじゃまずいな。
この檻破壊できないかな?
柚汰は自爆覚悟で檻に向かって矢を放ち爆発させた。
「っぐ!!」
ぐぁ!!やっぱり電気を浴びるのは辛いとこがあるな。
柚汰は爆風で下がり檻に背中が触れて痺れはしたがまだ立ってはいられた。
「っち、よりにもよって爆弾魔かよ」
檻の様子は…よし何本か無くなってるな。
爆発の影響で電気の柵が無くなっていた。
柚汰は直ぐに檻から飛び出し、サキュバスの檻にボウガンを向けた。
瞬間
バキッ
天井の電灯が切れて割れた。
「な…え…?」
サキュバスの体は二つになり霧散した。
「は?」
サキュバスを閉じ込めていた檻も消え、周囲を漂っていたガラスも音を立てて落ちていった。
それと同時にその部屋に切れ目が走りフロア自体が歪んだ。
「お、おい!!てめぇ!!何しやがった!?」
「い、いや。俺にも何が起きてるのか…」
見るとお互いの奴隷は何かしらの即死レベルの攻撃を受けて霧散していた。
ちょ、ちょっと待て。
あいつのアイテムでもないし俺らではこんな事できない。
つまりえーと、何が起きてるんだ?
「隠し玉なんて持ちやがって!!やられたぜ…」
「…俺たちはそんなアイテムじゃ」
「とぼけても無駄だ。タイマンと行こうじゃねぇか侵入者さんよぉ」
ライトニングがリボルバーを構える瞬間ゾクッと柚汰の背中に悪寒が走った。
え?なんだ今、すごく嫌な予感が。
柚汰はライトニングがリボルバーを構えきる前に素早くその場所を離れた。
「へ、銃に対する判断が早すぎた」
ドンッ
柚汰の元いた場所の後ろの扉はバターの様に切れ倒れた。
それとほぼ同時だった。
「ぎゃああああああ!!
俺の!!俺の腕があああぁぁぁぁぁああぁぁ!!」
ライトニングの突き出していた腕が赤い血をまき散らしながら地面に落ちた。
「くそがああぁぁああぁぁ!!
てめぇ…てめぇ!!何してやがん……だ……」
ライトニングは腕からとめどなく出てくる血の対処をせずにそのまま気を失った。
え、えーとこういう場合は…とりあえず止血だけでも。
柚汰はライトニングの身に着けている物を破いて傷口をきつく締めあげた。
「…うわぁ。それにしてもグロイな」
ぃ…ぃた…
ん?なんか話し声が。
柚汰は声の聞こえた方に行くと今回拉致された人たちが傾いた牢屋にいた。
その中には腕から血を出したり足から血を出している人がいた。
と、とりあえず、こう回復できそうなものは…
部屋の隅では回復魔法の使える人たちが回復させているが人数が多すぎて明らかに足りていない。
「あ、これがあるじゃん」
柚汰は檻の中に入り回復魔法をかけてる人達のグループに話しかけた。
「あ、あの…」
「ごめん、今話しかけないでくれ!!」
「ご、ごめんなさい」
く、くそぉ…こういう時に俺のコミュ障が…
「あ、あの!!」
柚汰の声に回復している男の人が焦っている眼でこっちを見た。
「…何?見ててわかると思うんだけど今、手が離せないんだが」
こ、怖ぇ…でも、ここで勇気を出さないと…
「こ、こっちがポーション。2,3滴傷口にたらすといいっていわれたぁ。
あ、あと、こっちが魔石。つ、つつつつ使ってください!!では!!」
柚汰は脱兎の如く駆け出して走りながら自分にできることを考えていた。
と、とりあえず目的は果たしたから次は…
奥の方に誰かいないか確認してみよう。うん。
柚汰が奥の方に足を踏み入れると感じてはいけないような魔力を感じた。
「な、なんだよこの魔力…」
と、とりあえずこれから先は行っちゃダメだな。
割とマジでダメだな。
「のわ!?」
柚汰が機微を返そうとすると足元のコンクリートは崩れて尻餅をついてしまった。
「いてて。たく、ついてな……い……」
な、なんだよこの化け物
柚汰が見てしまったモノはこの世のモノとは思えない。
化け物だった。
読んでいただきありがとうございます!!
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ハイスクールD×Dの方がまだ続巻などを買っておらずもう少々お待ちください。