第99話≡ポーションこそ至高!!
長らくお待たせしました!!
こんな駄文でも期待してくれていた方本当にすいません。
俺はゴーレムに連れて行かれ付いた場所は、どこか見知らぬ施設だった。
「ここら辺でいいかな。
ゴーレム降りるよ」
ゴゴゴゴゴゴ…
「あ、朔も降ろしていいよ」
グオン!!
「ごふっ」
「ちょ、ちょっと!!そんなことしちゃダメだって!!」
俺を叩きつけたゴーレムは頭をぼりぼりと掻いて少し残念そうだった。
「いててて…」
「だ、大丈夫?」
「あ、うん。全然大丈」
瞬間、俺の頭から赤い液体が流れ出した。
「「………」」
…まさかこんなアニメみたいなことが。
「た」
「…た?」
「大変だああああ!!!」
え、えーと。
「お、落ち着いて。
な?すごく落ち着こう」
「そ、そんな落ち着いていられないよ!!
えーとえーと」
「ご主人どうし…これは大変」
「全く騒がし…なるほどそういうことですか」
俺はそこそこに慌てる2人と、落ち着いて応急処置をしてくれる夜雀を見て少し頬が緩んだ。
俺は少しのほんわかした時間を過ごした後、背中でペルーダを背負ってメタルに向き直った。
「本当にごめんね。まさか、怪我させるなんて…」
「だから、もう、いいって。頭切ったからちょっと出血しちゃっただけだし」
はぁ、それよりも聞きたい事があるんだよな。
「それよりも、どうして俺を誘拐したんだ?」
「…それは……君に怪我をして欲しくなかったから」
…?
一体どう言うことだ?
「いい。私たちのリーダーの博士には多分。
この世界で勝てる人なんていないと思うの」
俺の後ろにいるペルーダも頷いてメタルに肯定していた。
「君たちがどんなに強くても絶対に博士に勝てない理由があるんだけど…」
「理由?」
「うん。
…実はね、博士って不死なの。
アイテムの力らしいんだけど、博士は絶対に死ねない体を持ってるの」
…えー。不死ってひどいな。
だがまぁ、ラスボスには丁度いい能力だな。
「…ねぇ。今からでも遅くないよ。
私たちの仲間になることを考えてくれない?」
「え?」
「私の力では君しか救えないけど、お願い。
君が苦しむとこは見たくないの」
メタルは真っ直ぐに俺を見つめてきた。
でもな、不死が相手でもあいつのことなら…
「うわぁ…あいつならやりかねねぇ」
「あいつ?」
「俺たちの中で一番強いやつのこと。
あいつは色々とアホだからなぁ」
うん、あいつなら施設ごとぶっ壊してその博士ってのをなんとかしそうで怖い。
「無理だよ。博士はどんな風に殺されても絶対に死なない人だもん。
誰よりも強くても地球の殺され方じゃ絶対に死なないよ」
確かに俺はその博士を知らないんだけどどうしてもあのチート野郎が負けるとこが想像できないんだよな。
「うーん、わりぃ。
たぶんだけど、あいつなら何とかしてくれるって信じたいんだ。
」
「ダメだよ。博士は本当に規格外の人。
…ううん。もう人かだって怪しい人なんだよ」
そ、そこまで言われるのか。
なんか、博士がかわいそうだな。
「どうしても。
どうしても、私たちの仲間になれないの?」
「…ごめん。
やっぱり、俺の仲間はあいつらなんだよ」
「………そっか。なら仕方ないよね」
あれ?なんで彼女はゴーレムに近づいてるんだ?
…俺の中で嫌な予感がヤバイんだが。
「君を倒してでも私の言うことを聞いてもらうよ!!」
ゴーレムの目には光が灯り俺を敵とみなしたようだ。
って、なんで戦闘始まってんの!?
「まぁ、待て!!話せばわかる!!」
「さっき話してもダメだったんだよ!!
もう話しても無駄だよ!!」
「いやでもな『グゴオオオオオオオ!!』ってまだ話してる途中!!」
ゴーレムの強力なジャブ(?)をかわしたのはいいものの…どうしようこれ。
俺には手に余るってか無理ゲーじゃね?
「ゴーレム、朔には気絶させるだけでいいからね」
『…グ?グオ』
「おい!!今おかしなところがなかったか?」
「大丈夫だよ。ゴーレムの傷なら治せるから…多分」
おい、今多分て。
「ご主人様、危ないです!!」
「え?うお!?」
ドゴ!!
一撃でクレーターできてるし。
ワンパンが聖と同じくらいな気がするぞ。
「相手はもう私たちを敵と見なしました。
集中してください」
「わ、わるい」
そうだな。あのゴーレムをなんとかしないと俺がやられる。
物理的に殺される。
朔は鞭に鉄も解かせる毒液を流し込みゴーレムに備えた。
とりあえずはこれで戦えるだろうけど…
勝てるか微妙なところだな。
『グオオ!!』
バコン!!ビキビキ!!
じ、地面にヒビが…
と、とりあえずチャンスだろ。
朔はゴーレムの隙をつき表面を確実に溶かしていった。
「ふふふ、私がそんなことに対策してないとでも?」
「ひょ?」
ゴーレムの体が淡い光を発すると溶かされた金属が意思を持ったかのようにゴーレムの元に戻った。
…前言撤回。これワンチャンもないや。
まぁ、やれるだけやってみよう。
「夜雀、あれで行くぞ」
「かしこまりました」
朔はゴーレムの前に立ち、目を狙って毒の弾丸を飛ばした。
だが、ゴーレムはその巨体から想像できない速さで目を庇った。
「やっぱり、目が弱点か」
朔はゴーレムの足の関節や腕の関節を狙って毒の弾丸を飛ばして動きを阻害したが回復速度が速すぎてゴーレムの動きを一時的に止めることしか出来なかった。
…うーん、割とピンチなんだよな。
どうしよう、これ。
「ほら、早く降参しないと君がどうなっちゃうかわからないよ」
「…まだ降参する気はないぞ」
「もーう!!強情なんだから!!
本当にどうなっても知らないんだからね!!」
とりあえずは毒沼を量産して動きをできるだけ妨害しないとな。
朔は走りながら沼を作りそこに即死兼回復ポーションを投げ込み即死沼を作っていった。
「夜雀!!」
「はい」
そこに夜雀が鱗粉をちらし一瞬で大体の物を溶かす毒沼へと変貌させた。
「ゴーレムを落とすぞ!!」
って、早速拳をふりあげてる!?
ゴーレムの一撃をなんとかかわすものの爆風で飛ばされてしまう。
ジュワ…
「のわっ!?あぶね!!」
沼に片足突っ込むところだった。
てか、靴先溶けてるし。
沼に入ったら俺でも溶かされるか、回復のしすぎで死ぬからな…
「ご主人様!!前を!!」
「は?」
そこには光と闇以外の魔術の槍が多数浮かび上がっていた。
うわぁ…そういえばこいつSランクの魔法石使ってたな…
「溶解の盾!!」
鞭を回転させると紫色の盾が出来上がり、朔の前に浮いていた。
さてこいつがどこまで保ってくれるかだよな。
魔術の槍が盾に当たった途端、槍が溶け始め盾に当たった槍を全て溶かし尽くした。
「よし、これで」
ボクッ!!
「ボフッ…」
「ご主人様!!」
な、何が…
ゴーレムの拳が朔の腹部に突き刺さり胃酸を吐き出しながら地面を滑った。
「こ、これでわかったでしょ。
だから…ね」
「………」
「あ、あれ?」
…うわぁ、マジでいてぇ。
なんか体内からバキッて音がしたし。
『グオオオオオオ!!!』
「え?ゴ、ゴーレム!?
もう大丈夫だよ。攻撃しなくても」
『…て…き……つぶす!!』
「え?」
メタルは動かない朔の前に立ちゴーレムに攻撃しないようにと説得を始めた。
「もうしなくても大丈夫だから。
倒す敵はいないから」
『…却下……敵、生きてる…
………命令、不足。……マスター、拒否』
ゴーレムはメタルの命令を無視して拳を振り上げた。
「そ、そんな…」
グオン!!
メタルは腰が抜けて立てなくなりどう見てもかわせる状況じゃなくなった。
ヌプッ…
「え?」
「ま、これがテンプレだよな」
朔は溶解の盾でゴーレムの拳を溶かつつ止めた。
…無理はするもんじゃないな。
マジで体いてぇ。
朔は懐から試験管を取り出すと緑色の液体を一飲みし体の傷を癒した。
「ふぅ。痛みはなくなったか。
さて、メタル」
朔に名前を呼ばれるとピクリと体を揺らした。
「なんか、あいつ暴走してる様に見えるんだけど」
「う、うん。暴走してるみたい…」
「なんで?」
理由がわかれば多少は戦いやすくなると思うしな。
距離をとったゴーレムは沼に片足を突っ込み動きを止めることに成功していた。
「たぶんだけど…Sランク魔法石のせいで自我を持っちゃったからだと思う」
「…なかなか酷い問題だな」
「……止める方法なら核になってる魔法石を壊せばいいんだけど。
Sランク魔法石は相当固いから物理的に壊せる訳…」
…そうなんだよな。あれって溶かせもしないから困るんだよ…
あ、もしかしたらあの方法なら…
「核はどこ」
「頭の後ろらへん。人で言ったら後頭部だよ」
…そこならまだ溶かせる範囲内だな。
少し頑張ってみるか。
「夜雀、これをあいつの頭からぶっかけてやれ」
「かしこまりましたが先ほどのようなことは」
「ああ、身をもって体感したからな。もうやらないよ」
さて、そうなると俺の仕事はひたすらあいつの動きを止めないとな。
「そらよ!!」
朔は毒の滴る鞭をゴーレムの足に巻き付けると一気に引き抜いた。
「カット!!」
するとゴーレムの足が切れそのままバランスを崩した。
へぇ…割と簡単に切れるもんじゃん
切れた足は切断面がゲル状になると簡単に治ってしまった。
「まぁ、そう簡単にはいきませんよねー」
そこが狙いじゃないんだけどさ
足を切断され注意が朔に向かった瞬間ゴーレムの頭上には蝶のような影が映った。
『グ…グアアアアアアアア!!!』
ゴーレムの頭部は泡を立てて溶け魔法石が見事に露出していた。
こんなチャンス逃すわけにはいかないよな。
朔は地面から土を盛り上げてゴーレムの頭上まで飛んだ。
「これで飛んでくれよ!!」
朔は懐から魔法石を取り出しそれを核である魔法石にぶつけた。
『グガアアアアアアアア…ガアアアアアア…』
魔法石をぶつけられたゴーレムは虹色の光をまき散らしながらどんどんと目の光を失っていく。
や、やったー!!
目の光もなくなったしこれで再起不能まで持ち込めたんじゃ
『……ォ……グォ!!』
「え?いや、ちょ」
ゴーレムは最後の力を振り絞って朔を掴んで投げ飛ばそうとした。
『…………』
そこでゴーレムは力尽き地面に前向きに倒れた。
ドコォン!!
「ご主人様!!」
「朔!!」
ゴーレムの手の中を見てみると体の節々があらぬ方向に曲がった朔が気を失っていた。
「ふぅ…まだポーションで治せるレベルで助かりました」
「え?治せるの!?これ!?」
夜雀は朔の懐をあさり試験管を取り出すと気絶している朔の口元に一滴たした。
「ゴフッ」
朔は口から血を吹きだした。
「ちょ、ちょっと!!吐血したんですけど!?」
しかし、朔の折れた骨はすぐに戻り正常な状態に戻った。
「すぐに意識は戻りませんが怪我は完治しました」
「あ、あのポーション使ったのね」
メタルは朔を担ぎながらゴーレムの頭部を見ると壊れた石が2つ転がっていた。
「あぁ、魔法石をぶつけてオーバーフローさせたのか…
これなら確かに壊れるね」
メタルは朔を膝枕しながら本拠地を眺めた。
そして一つの違和感に気が付いた。
「…あれ?なんで傾いてるの?」
「まったく、あやつは本当にわしの仕事を増やしよる」
「…え?」
読んでいただきありがとうございました!!
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感想くれたら喜びます!!
次の話もテストやら文化祭やらが入ると思うのでまた遅れるかと思います。