↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
殺された魔法少女、異世界に行く  作者: くまなの


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

1/4

1 魔法少女、殺される プロローグ

「うぅ」


 体中が痛い。


「……くまきゅう」


 くまきゅうが倒れている。

 わたしを庇って死んだ。

 魔法少女になってから共にいてくれた。

 寂しいときも、悲しいときも、嬉しいときも傍にいてくれた。

 でも、動かない。

 くまゆるも、わたしを逃がすために犠牲になって死んだ。


「もう、守ってくれるクマはいませんよ」


 くまゆるとくまきゅうを殺した魔法少女が近寄ってくる。

 その魔法少女の肩の上に白い猫がいる。

 その白い猫が話しかけてくる。


「残念だよ。君は魔法少女として才能があったのに、契約を破るなんて」

「その才能があったおかげで、お父さんを殺した相手を殺すことができたよ」


 魔法少女になるには人に危害を与えてはいけない契約だった。

 でも、わたしは魔法少女の力を使って、人を殺した。


「魔法少女の力は人に向けるものじゃないよ。守るためにあるんだよ」


 その人間がお父さんを殺した。

 魔法少女の力はお父さんを守ってくれなかった。

 無価値なものだ。

 いや、お父さんを殺した者たちを殺すことができたから、最終的には価値があった。

 魔法少女の力がなかったら、お父さんを殺した者を殺すことはできなかった。


「妖魔や魔獣が悪なら、人を殺す人も悪でしょう」


 どうして、人を殺す人を悪としないのか。


「僕は人間の味方だから」

「わたしのお父さんも人間よ」

「うん、知っているよ。だから、人間と人間の争いには関わらない。それは僕の管轄ではないからね」


 この猫はそうだ。

 人間が好きと言っているが本質は無関心。

 人が死のうが関係ない。

 人に危害を加える対外生物のみしか見ていない。


「それじゃ、魔法少女が魔法少女を殺すのはいいの?」

「もちろん理由がなければダメだけど。君は人を殺したからね。それは、魔法少女として失敗作だから、廃棄対象なんだよ」


 わたしが失敗作。


「それじゃ、目の前にいる魔法少女が成功作ってこと?」


 白猫の言いなりになり、妖魔や魔獣と戦う。


「もちろん」

「あなたもバカね。普通に魔法少女をしていれば、いろいろな恩恵が得られたのに。父親が殺されたぐらいで」


 魔法少女の一人が笑う。


「それはあなたが父親が嫌いなだけでしょう」


 この子は父親を嫌っていた。


「当たり前でしょう。臭いし、抱きついてきたり、うざい。いないほうがマシよ」

「父親があなたのために、どれだけ頑張っているか分からない子供ね」


 そう言った瞬間、わたしは顔を蹴られる。


「あなたに言われたくないわよ」


 わたしも知らなかった。

 わたしが知ったのはお母さんが亡くなってからだ。

 お母さんは魔法少女になる2年前に病気で亡くなった。

 わたしは亡くなったお母さんの代わりの家のことをした。

 お父さんはしなくてもいいと言ってくれたけど、大好きだったお母さんの代わりをしたかった。

 凄く大変だった。

 料理、洗濯、掃除。なにより、お金だ。

 料理をするには食材が必要だ。

 お父さんにお金を渡され、買い物をするようになって、お金の大切さを知った。

 人が生きるには衣食住が必要だ。

 わたしが住んでいた家はローンと言うものがあり、毎月、多くのお金を支払う事になっていた。

 何十年間もお金を払い続け、それでやっと自分の家になるとお父さんが言っていた。

 生きていくには、服も必要だし、雑用品も必要だ。

 そして、なにより、毎日食べているご飯だって、お父さんが仕事をして、お給料を貰っているから、温かいご飯が食べられる。

 目の前の女の子は、そんなことも知らない。

 わたしたちのために働く父親がいるから、綺麗な服を着られて、美味しい物を食べられ、暖かい家に住めることを。


「なによ。その目は」


 わたしはもう一度蹴られる。

 動けないわたしは、躱すことはできない。


「あと、他の魔法少女の代わりよ」


 ツインテールの魔法少女はさらに蹴ってくる。


「ふふ、面白い。あれだけ、わたしたちを苦しめたあなたが、地面に這いつくばるなんて」


 魔法少女は笑う。


「君のせいで、めちゃくちゃだよ」


 白猫がわたしの前に来る。

 もう少し近づきなさい。


「魔法少女の力は人を殺す力じゃないって説明したよね」

「その魔法少女の力で、わたしの召喚獣を殺しておいてなにを言っているのよ」


 わたしには使い魔のクマの召喚獣がいた。

 でも、わたしを逃がすためにくまゆるは殺され、くまきゅうは魔法少女の攻撃からわたしを守るために死んだ。


「闇落ちした魔法少女の使い魔は処分対象だよ」

「ふふ」


 笑みがこぼれる。

 闇落ちした魔法少女。


「どうして、笑うんだい」


 家族も守れないなら、それでもいい。

 お父さんが殺されて、笑っていられるほど、できた魔法少女ではない。

 我慢するつもりもない。

 大切なものを守るためなら、闇落ちだってする。

 でも、わたしはなにも守れなかった。

 お父さんは殺され、くまゆるとくまきゅうもわたしを守るために死んだ。

 わたしに力がなかったから。


「さっさと殺して。もう、この世界に未練はないから」


 お父さんもお母さんもいない。

 くまゆるとくまきゅうもいない。

 この世界で生きる意味はない。

 死ねば、お父さんとお母さんのところにいける。

 くまゆるとくまきゅうに会える。


「いいから、さっさと殺しましょう」


 怪我をしている魔法少女が猫神に言う。

 わたしを殺そうとしている時点で、わたしと同じムジナだ。

 でも、目の前の魔法少女たちは分かっていない。


「最後に一つだけいい?」

「なんだい」

「お礼だけは言わせて」

「お礼?」

「この力がなかったら、お父さんの復讐はできなかった」


 そして、あなたを殺せなかった。

 最後の言葉は心の中で呟く。


「……」

「なんて言ったの? もう、声も出せないのかな?」


 猫が近づいてくる。

 もっと、近づいて。


「悪魔って言ったのよ」

「僕は神様だよ」


 白猫が倒れているわたしの顔を引っ掻く。

 もう、感覚が麻痺して痛さが分からない。


「それじゃ、死んでくれるかな」


 手も足も動かない。

 でも、口は動く。

 わたしは白猫の足に噛み付く。


「なんだ。離せ!」


 思いっきり噛む。

 くまゆるとくまきゅうの仇。

 死ぬにしても、このまま死ぬことはできない。

 お父さん、お母さん、くまゆる、くまきゅう、今からそっちに行くから。

 魔力を増幅させる。

 生命を燃やす。


「やめろ! 攻撃をしろ!」


 魔法少女たちがわたしに攻撃を仕掛けてくる。

 でも、噛み締めた歯だけは緩めない。

 死んだかどうか確認ができないのは残念だけど。

 わたしは魔力を暴走させ、魔法少女と猫神を巻き添えにして爆発した。

初めまして、くまなのと言います。「くまクマ熊ベアー」と言う小説を書いています。

今作品は幸せを掴めなった現代の魔法少女が異世界で楽しく生きていけたら、いいなと書き始めた魔法少女の物語です。

一話は2000〜3000文字で投稿予定です。

プロローグの現代編は13話ほどになっています。(変わるかもしれません)

13話まで早めに投稿したいと思っています。

その後は2〜3日投稿ができればと思っています。

多分、作者が書いている「くまクマ熊ベアー」同様にダラダラと書くような作品になるかと思います。

お時間がありましたら、付き合っていただければと思います。


注意、登場する名前はくまクマ熊ベアーに登場する名前と酷似していますが、関係ありません。

作者が名前を考えるのが面倒だった事や、名前に愛着があるせいです。

ご了承ください。


お付き合いしていただければと思います。

くまなの


※プロローグ後、現代編の魔法少女のお話は書く予定はありません。

本編の中や外伝、おまけで書くかもしれませんが、未定となっています。


気になったら、ブックマークなどよろしくお願いします。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
魔法少女なんて、わけがわからないよ。
いきなりくまゆる、くまきゅうが倒されちゃったらみんなビックリ、悲しむよーー
新作だー!くまゆるくまきゅうが~~!! ※プロローグ後、現代編の魔法少女のお話は書く予定はありません。 いや書いてるやんwいきなり過去に戻ってるやん
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。