黒組が行く4
群島が見えて来た
少しだけ心が軽くなる。そう俺は逃げ出して来た..
「ルールー、膝かして」
何も言わず、ズカズカ近付いてルールーに言う
「はい」
何も聞かず、微笑みながら頷く
「無抵抗の人を殺した..少し眠りたい」
「わ、わたしの膝もどうぞ」
跳ね寄って来たメイリンが小声で呟く
「後で子種あげるから、今は少し眠らせて」
一瞬、キョトンとした顔のメイリンが跳ね去って行く
少しおかしくなってる、壊れたみたい....
「減らした命は、増やせば良いだけです」
凄い言葉を聞きながら、眠りに落ちていった..
目が覚めたら、怯えが消えていた。
ルールーの言葉が効いたのかな..
「母上方の古いドレスを下さい。後日、新しいドレスをプレゼント致しますので」
又、思い付きを始める..
「何に使うのですか?」
面白そうに聞いて来る、マーニャ母さん
「海賊相手に、仮装パーティーを開こうかと..」
字面は凄いけど..
「楽しそうね、古いドレスは着ないから良いけど。何着欲しいの?」
テレサ母さんも面白そうにしてるし..
「はい20着も有ればと..」
少し怖い気配が..
「そうね..私とマーニャ様で30着用意しましょう。お返しは5着づつで良いかしら?マーニャ様」
「そうですね、それなら嬉しいですね。テレサ様」
あら、二人で勝手に商談が纏まってます..
「解りました。父上にお願いして置きますので、好きな服をお選び下さい」
父ちゃんに任せた
早速父ちゃんの部屋へ
「父上、母上達に5着づつ。10着のドレスの新調をお願いしたいのですが..」
丸投げ受け止めて..
「それは又、豪勢な話しだね。解ったよ金貨100枚程で済むと思うし、任せておきなさい」
簡単に引き受けてくれた..
ミニラに荷物を抱えて貰いマルトークへ向かってます
マルトークの伯爵邸です
「私も5着出すから、2着新しいドレス作ってよ」
母さん達の古着を預かって貰う話しをするつもりが..
「姉上、もう数は足りますから結構です」
気分が優れないのに..
「良いじゃない、ガンジー。2着くらい」
最近の姉さん少し変だ
「姉上、今回の海賊の事は無かった事に致しましょう」
背中を向けて歩きだす。本気だからね
「ま、待ってガンジー」
それでも止まらない
「お願い、ガンジー・・・」
俺も甘い..
「姉上、余り好き放題仰ると。次は帰りますよ」
かなりきつく言った
「ご免なさい。ガンジー」
「・・・・・」
黙っていた、今日はどうかしている..
黙ったまま頭を下げて退出する
「ドレスはちゃんと保管しておくよ」
背中からチャールズの声が聞こえる
伯爵邸の扉をくぐり、門を抜け街並みを歩く。ただ歩いていると目の前に教会の建物が見えた。
扉を開け中に入り椅子に腰掛ける
{久し振りですね、ガンジー}
女神様の声が響く
{御無沙汰してます}
{どうしました、悩んでいるようですが}
{はい、眠る無抵抗の海賊を殺してから。動揺が収まりません}
{貴方は勘違いをしていますよ}
{勘違い?}
{貴方は戦場で戦った相手を殺して動揺しますか?}
{しません。奴隷狩りの人達を殺しても動揺しませんでした}
{あの者達も手足を縛られて無抵抗だったのではありませんか?}
{それは..でも、意識の無い者を殺すのは違う気がして}
{それは貴方が勝手に、眠るあの者達には覚悟が無いと思い込んでいるだけではないのですか。あの者達が目を覚ませば人を殺める海賊だと貴方は思っていたハズです。悪人も眠りに就いている間は善人になれると言うので有れば貴方は正しいのでしょうが。どうです、それでも勘違いして無いと言えますか}
{確かにそうです。でもそれは俺が間違えていたのであって、勘違いとは違うのではないのですか?}
{貴方は自分の意識の混濁、前世の意識の部分の感性が出てしまったと気付いていないのですね}
{前世の部分..}
{殺さなくても守れた世界の意識です。このまま殺して良いのか、と貴方は思ったハズです。自分の無慈悲さを自分自身で恐れたハズです。それは貴方が無くした世界の意識です。貴方の中にはこの世界の意識も育っています。自分の感情が自分で操作出来ない時は、先ず自分の意識がどちらに在るのかを考えなさい}
{自分の意識ですか..}
{それとも、無敵か不死が必要ですか?}
{不要です!}
又言ってるよ、この女神様と思うと笑えて来た。この世界の覚悟に染まると決めたのにな..
{貴方は本当に面白い人ですね}
女神様の声が消えていた..
「姉上、先程は失礼な事を申しました。御許し下さい」
教会を出たら真っ直ぐ姉さんに謝りに行った
「いいえ、私こそ最近ガンジーに我が儘を言い過ぎてた。ご免なさい」
女神様の話しを聞いたら、何かスッキリした。ゴメン姉さん
深夜にガリウスさんが戻った
「ガリウス殿、睡眠不足の所を申し訳ない」
「いえ、御気遣い無く。私が調べましたのが此方になります。囚人達は海軍の詰め所近くに捕縛して有りますので。申し付けて頂ければ連れてまいります」
厚い紙束を渡された。
読み続けて行くと、同じ質問が全ての囚人1人1人から集めて有る。何ヵ所かの食い違いと食い違ってる理由を考えながら自分に必要だと思われる要点だけをメモに記す。
海賊達の総数は700人余り。内訳は戦闘部隊員450人余り、船奴隷の獣人150人。人魚50人、捕らえた人間の女(男は全て殺した)20人、料理女25人。だが証言にばらつきが有る。
50人の人魚の存在に驚いた..
急いで人魚の所に行き
「ヤールー、100人部隊を5組出して海賊島周辺の人魚を見付けて連れてきて。人魚を傷付けずに連れて来る事、海賊に見付からない事。なるべく海賊島から離れた所で人魚を探して、見付けたら囲んでから保護する事。海賊島に戻られたら困るからね。これらを重視してね。あ!見付ける人魚の数は数人で良いから」
「解りました」
直ぐに浜辺で人選に入るヤールー




