モスタウン
醤油の焦げる匂いが漂ってます
砂浜ではなくクライムの町、日が傾き始めた頃1体のイカーンと残ったタレを持ってクライムの町でイカーンの切り身を串に刺して焼いてます。屋台のおっちゃんでは無いですが
「お腹が空く匂いね」
何処までも現実的なアリーナ姉さん
「こんな感じで、焦がさないようにだけ気を付けて。3種類のタレは全て味が違うので焼けた物は別々の皿に分けて乗せて下さいね」
焼き方を指導して町のおばさん達に代わって貰う
のんびりしたいと言う癖に、思い立った事が我慢出来なくなるのが俺の悪い癖です。醤油の焦げる匂いに幸せを感じてる部分も有るのは否定出来ませんが。
人魚達に頼むと、嫌な顔一つせずイカーンを1体狩って来てくれました
「良い匂いでしょ姉上、王都で初めて嗅いで私も一瞬で虜になりました。今日はお祖父様の辺境伯就任の前祝いって事で」
適当な言い訳してます
「父上無理を言って済みません」
猪を1頭、皮を剥いで縦割りにして2ヶ所で焼いて貰ってます。ミニラにおねだりされたので
「気にしなくて良いよこの町も大きくなって人手も増えたから」
クライムの町の人口も増えました。現在700人程に増えてます。特にパン工房の増設が目立ちますが..人魚達だけで毎日1万個近く消費しますから、半端な事では済みません。
真珠の分別や磨きなどの為の工房も新設されてますし並行して一般の商人も様々な物を持ち込んで販売。町の暮らしの水準も上がってます。
焼けた猪肉に器に取り分けていたタレを塗って最後の仕上げに少しだけ焦がさない程度に香り付けをしてミニラの所に運びます。流石に人混みに入るのは無理ですから。
{おいしかった~パパありがとう}
{はいはい}
言葉が解るようになって嬉しくもあり便利でも有るのですが..ミニラの要求も完全に理解出来るので手間が掛かる場合が増えました。まあ可愛いから良いのですが..目を向ければ身長7メートル余りのドラゴンを可愛いと言う俺も変ですが..
王都での用事や爺ちゃんズの昔話が終わって爺ちゃんが帰って来ました。
「ガンジー、お前のせいで辺境伯などと言う面倒な物を押し付けられたわ」
責任を取れと言わんばかりの爺ちゃん
「お祖父様が新しいお婆様を迎えて下されば良かったのです」
何を言うか!と言うような顔をする爺ちゃんが言葉を発する前に被せて
「まあ表だってドラゴンと私を使えない王様が遠回しにモンスターを討伐させて人が住める領域を開拓させたい、次いでにお祖父様に上位の爵位をやっとの事で押し付けられる。それくらいはお祖父様も当然御承知だとは思いますが。私としましてはジーンズに譲れる物をと考えております」
「ユークリフの奴の思惑は、そう言う事じゃろうがな。やはりお前は跡を継がぬと申すか?」
跡継ぎ..正直面倒何だよね..
「はい、ミニラや人魚達と面白可笑しく暮らしとうございます」
紛れも無い本音です
「羨ましい想いよなあ、ワシには果たせなんたが。お前ならやり抜こうのお..解った、好きにやるが良い。ジェームスだけには話して置く」
やっぱり甘い..爺ちゃんありがとう
3月に入り俺はモスタウンに向かう
身長も175センチ余りになって15才半ばくらいから16才くらいに見えるらしい。皮の鎧に皮のズボンに皮のブーツ背中には丈夫そうな背負い袋、腰に鋼の剣を装備して手には槍を持っている。普段の格好だと高額装備過ぎて目立つのだ。
母さん達も気軽に気を付けて、とだけ言葉にして笑っておくりだしてくれた。過保護は卒業出来たのかも..人魚達も暫く帰らない事に不満そうな顔をした程度で問題なく送り出してくれた
ミニラにはモスタウンの東の海岸近くで狩りを楽しんで貰う事にした。思念での会話が出来る事で安心するのか思念は時々飛ばして来るが、余り側に居る事に拘らなくなったのだが。たまに一緒に寝ないと拗ねる所は変わらない..
クライムの兵士にモスタウンから5キロ程離れた場所迄送って貰った。
頑丈そうな柱を組み合わせた高さ3メートル程の柵の間の門で冒険者カードを提示して身分を示し町の中に入った。町の中には通りに面して宿屋や食堂や武器や防具の店などが並んでいる。
一際大きな二階建ての建物が見えるのが冒険者ギルドだろうか?取り敢えず向かって見る。町の中を歩きながらバックミュージックにウエスタン風音楽が流れる。無法者の町酒場で起きる毎日のような殴り合い。普通に起きる決闘騒ぎが脳裏を過ぎる..妄想として..
俺は年若い生意気な冒険者、自分に言い聞かせながら冒険者ギルドの扉を開いた。
普通だった..
ガラの悪そうな男達が居るのは居るが..キレイなカウンターに受け付けの札、その奥には身だしなみの整った綺麗なお姉さん。
王都のギルドと同じだった..
「済みません、今日初めてこの町に来たのですが。手続きとか有りますか?」
生意気な冒険者は何処へ行ったのやら..
「冒険者登録はお済みですか?まだでしたら登録を。お済みでしたら冒険者カードを提示して下さい」
冒険者カードを差し出す
「拝見します..手を乗せて頂けますか」
手の形の描いて有る四角い箱を出された
「優秀なのですね、初回登録で7等級。確認致しました」
返されたカードを受け取ったが思わず
「初回登録の等級とか解るのですか?」
「はい、初回登録の年月日及び依頼の成否の回数。常時発動クエストの達成数が表示されます」
カード貰って何もしてないのが丸わかりだったみたい..それなりの経験者の振りをしなくて良かった..
「この町でお勧めの宿屋を教えて貰えませんか?」
「予算が無い場合はキチン亭予算が有るならプラザ亭でしょうね」
「ありがとう」
ギルドを後にして宿屋に向かう。通りに面してるとの事だったので直ぐに見つかった。
プラザ亭は一階にレストランが有り、泊まる部屋は二階で室内は3メートルの4メートル。6畳間程の広さで、ベットと小さいテーブルに椅子が2つ有るだけだが、清潔感が有りそれなりの宿屋だった。宿泊費は2食付き銀貨1枚銅貨1枚で10日分先払いだと金貨1枚と言われたので金貨1枚を払って10日泊まると告げた。
一階のレストランで情報でも集めるかと、サンドイッチとスープを頼んでのんびり辺りを見回してると。うさみみが目に入って、驚いて見詰めてしまった。不可抗力だと自分を弁護したい、隣のテーブルにベージュ色の髪の毛の中に同色の毛がはえた真っ直ぐな兎の耳を持つお姉さんが居たのだ..おまけに目を合わせてしまった..
「坊や、この町は初めてかい?」
声を掛けられた..怒られたらどうしよう..クライム家で育ったせいか..前世の記憶か..
「はい、今日来たばかりです」
「だろうね、この国は獣人は冒険者か、奴隷しか居ないからね珍しいかい?」
「狼と虎の獣人の人のしか見た事無くて..失礼しました。お詫びに御馳走しますから、話しを聞かせて頂けませんか?」
何か情報が貰えないかと聞いて見る
「獣人に御馳走するってかい、珍しい坊やだねえ。こっちにおいでよ」
呼ばれたのでテーブルを移動する
「ありがとう、1人でこの町に来たばかりで何も解らず困ってた所でした。色々教えて下さい。あ!俺はモートジイと言います」
この辺は真実しか語ってません..名前以外は
「アタシはラビー、ワタシはメロディ、アタイはパンシー、ローラよ、ワタシはミネアです」
兎人、兎人、豹人、狼人、タレ耳イヌ人と様々な獣人達が豹人は豹柄だし..
「挨拶代わりに、取り敢えずこのテーブルは全て俺が奢りますから好きなだけ飲み食いして下さい。その代わりに教えて下さい冒険者の心得でも他国の事でも最近有った事でも何でも結構ですから」
目的は情報です、うさみみをもふりたいとか思ってません..多分
「坊や、若いのに豪気だねえ」
お姉さん達は色々教えてくれた。冒険者は如何に死なないかが全てだ!から始まり、このパーティを組んで3年目だとか、獣人達が主で人間が奴隷の国も有るとか、何故この国に来たのかとか。
重要な事も聞けた、半月程前迄のギルド長が最悪で好き放題してたのが突如トップが入れ替わった事とか。その時に追放になった冒険者がかなりの数にのぼったとかなどだが。お姉さん達が酔っぱらう迄話しは続き、明日一緒に狩りを行う事を約束してお開きになった。俺のランク聞かなかったけど..大丈夫何だろうか?..
俺がお姉さん達の年令を聞かないのはマナーだからだけどね..
寝る前にミニラに思念を送る
情報収集中にミニラから思念が届いたけど話し中だからと断った為だが
{ミニラさっきはごめんね}
{大丈夫だよ~今日は小屋で寝ますって言いたかっただけだから}
{そっかおやすみ}
{おやすみ~パパ}




