始まり
3才を過ぎてやっと文字が読めるようになった頃魔法の手引き書ってのを読ませて貰いましたが、水の入ったコップに手を翳して表面を揺らす練習が初歩のコース。
当然何も起きる訳もなく
「ウ~ン!ウ~ン!」てやってたら母親のテレサが笑いながら
「お腹の辺りに温かい感覚が有るって想像してご覧なさい」
て言ったので、言われた通りに想像してたら本当に温かい感覚が発生してきた。
「温かいのが解る?解るなら今度はお腹から温かいのを掌に移動させるって想像して。最後に水の表面が揺れるのを想像するの。解る?」
言われた通りにやってみると簡単にコップの中の水の表面が揺れる。
少し驚いた顔をしたテレサ母さんが
「凄い!アナタは天才ね!普通は7才くらいじゃないと出来ないのに」って嬉しそうに頬に顔を摺り寄せる。
「魔法は想いとイメージそれが全てよ」って笑いながら話してくれる。
その日から俺の魔法の訓練が始まった。
「水を統べるウンディーネよ古の盟約に従いその力を示せ」
手引き書に書いて有った魔法の呪文
両手の間に3センチ程の水球が出来上がる。
初日は5回作ったら疲れて目が開けてられなくなったけど目が醒めると再度3回程出来た。
「余りやり過ぎると身体を壊すわよ、未だ幼いんだから」
ともう1人の母親のマーニャが心配そうな顔で見るので。
その日はそれで止めて次からは隠れてする事にしよう。
寝ちゃうからバレるんだけどね...
2日目は7回の4回
3日目は9回の5回
4日目は11回の6回と出来る回数が順調に伸びるので
小説の内容が役にたったと作者さんに感謝。
1週間が過ぎた頃に突然水球の大きさが5センチくらいになって驚いたけど出来る回数の伸びも変わらず増えたので、夜寝る前にも訓練して窓からポイポイ水球を投げる。
3ヶ月たった頃には水球の大きさが10センチくらい
飛距離も最初は1メートルも飛ばなかったのが10メートル越えるようになって来た。
回数も200近くなって時間も掛かり隠れて練習するのも大変だ...
でも魔法が使えるのが嬉しい
やっぱり夢だよね魔法って何の力も無かった現代人の思考には。
「お~い、ガンジー起きろ!」
うとうとしてたら突然祖父のジョンが部屋に乱入
「槍の訓練するぞ!」だって
俺、未だ3才半にもなって無いんですけど...
あ!俺の名前ですがガンジーって言います
この世界では変わった名前だそうですが、テレサが妊娠中に夢を見て女神様が男の子だからガンジーと付けなさいって仰ったそうです。
それを聞いて元が爺いだからガンジー(元爺)なのかな?神様も随分とお茶目だなぁって自分勝手に納得してましたけど
眠い目を擦りながら外に出ると未だお日様が顔を出す前です。
ジョン、早すぎない?...
「ホレ」って渡されたのは120センチ程の木の棒
綺麗に細く削って太さも揃えられた白木の棒
表面は磨きあげられてツルツルの手触りで掛かった手間と時間が想像出来ます
上2人が女の子だったから男の子が産まれたの余程嬉しかったのかな。
ありがとう、おじいちゃん。
「先ずは右足を少し引いて軽く腰を落とす」
そして、こうこうと槍の持つ場所と握り方を指示
「軽くで良いから突いて見なさい」
1・2・3・・・・・10
「良し!次は体力造りに歩くぞ」
って...普通のお散歩を20分して帰りは何と肩車だし
ジョン爺ちゃん甘過ぎ...
帰って日課の魔法の訓練して眠りに落ち目覚めたら丁度オヤツの時間。
今日はマーニャが焼いたクッキーと紅茶
「オヤツが終わったら剣術の稽古を始める」
今度は父親のジェームスが突然の乱入
庭で手渡されたのは、これ又綺麗に削られて磨きあげられた木剣ミニ。
立ち位置と姿勢と握りを指示後
「軽くで良いから振って見なさい」
1・2・3・・・・・10
「良し!次は体力造りに歩くぞ」
って又々お散歩20分と帰りの肩車
ジョン爺ちゃん、ジェームス父ちゃん
どんだけ似てるんだよ...




