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魔法-夜と剣-  作者: ぴーちぷりん(せす)
炎魔家討伐阻止
9/38

8話:魔法

 昼休み、ようやく目が覚めた俺の前には、御影がいた。

「あっ、やっと起きたのか…。全く、何があったかは知らないが、ずっと寝ているし…。どうしたんだい?」

「ふぁあ、なんでもねぇよ」

欠伸をして、ついでに答えた。一般人に話せるような内容ではないし、話す必要性も感じないので、黙っておく事にした。

「あっ!起きたんだ~♪」

しばらくして、時雨さんが、ぴょこぴょこ寄ってきた。その手には何故か、弁当箱が二つもあった。何だ?そんなに食べるつもりなのか?

「はい、これ、ぷれぜんと ふぉ~ ゆ~❤」

そんな、ふにゃふにゃな英語で俺に向かって、弁当を差し出した。くれるのだろうか?

「いいのか?」

「うん♪」

どうやら、本当に俺にくれるようなので、ありがたくもらう事にした。


 早速、弁当をあけてみると、色とりどりの綺麗な弁当だった。卵焼き、ベーコンとアスパラなどおいしそうなおかずがぎっしり詰まった弁当だった。

「すげぇ」

俺は、驚きのあまり、開いた口が塞がらない状況だったが、早速食べてみる事にする…。

「…う、うまい」

普通においしかった。これを食べたら、疲労などどこかに飛んでいた。


 結局、何故弁当を俺にくれたのかは、謎だったが、とてもおいしかったので、良しとしよう。しかし、結局、美希は、昼休みが終わりを告げても来る様子がなかった。どうかしたのだろうか。あの敵に、再度襲われると言う間の抜けたことは流石にないだろうが、別の敵による奇襲はありえないことでもない。


 だが、それは杞憂に終わったようだ。もう五時間目も終わると言う時間に、美希は来た。驚いたことに、体中に、葉や枝をぶら下げて。どうやら、あの場所から、学校までの道が分からずに、散々苦労して、回ったみたいだ。

「だ、大丈夫?」

などと、思わず、声を掛けたくなるような外装をしているため、数人のクラスメイトが矢継ぎ早に聞かれている。


 美希は、俺の近く、つまりは、自分の席に着くなり、俺に向かって文句を垂れ始めた。

「まったく。地理も土地勘もない人をあの場に置き去りにする感性が理解できないわ…。それに、行くなら行くで、方向を教えてからでもよかったんじゃないの?」

そんな風な言葉を休み時間中たっぷり聞かされた俺は、心身疲労し、六時間目も熟睡したのだった。


 ここで、魔法に関する知識として、一つほど説明を。俺の知っている魔法とは違う魔法。つまりは、今日本で使われている《極東魔法》以外の魔法は、《ルーン魔法》、《西洋魔法》、《陰陽術》、《アステカ儀式魔法(通称、太陽神魔法)》など、様々な魔法が存在する。しかし、どの魔法も、自身の魔力を行使することを基本とした魔法であることには変わりないのだ。こと、《極東魔法》にいたっては、文字に魔力を込める《ルーン魔法》に、威力を極限まで強める事を重視した《西洋魔法》と、しきたりと速さを重視した《陰陽術》、その他諸々の魔法が入っているのだ。極端に、自身の魔力を消費する。


 ここで、論点を別に置き換えるが、自身の魔力以外を行使する魔法は、今までに、あまり使われていない。せいぜいいいところで、呪文の補助の詠唱くらいだ。しかし、瑠璃さんは別の考えを持っていた。


その考え方とは、元来は、自らの内にある魔力は無に等しかったが、それが、なんらかの事象の改変によって、あるべき大元の魔力が皆に分配されたと言う考え方だ。その答えに繋がりそうなのが、昨日の資料と言うわけだ。《輪廻による無限ループ理論について》と言う、この理論は、《輪廻》と言う魔法によって、《複数の世界》が《互換ループしている》のではないかという説だ。これを当てはめると、元来は、自らの内にある魔力は無に等しかったが、世界の大元の魔力がベクトルを変えて、分散、分配されたと言うことになる。よって、大元の魔力が消え去り《輪廻》はなくなった可能性も出てくる。


 この説が証明されれば、自らの体内にある魔力と他の魔力の運用が、大幅に変る。つまりは、魔力を放出して、その一部を、別の人間が利用できる事になるのだ。結構画期的なものなのである。


 話を戻す事にしよう。その極端に魔力を消費する《極東魔法》だが、この魔法は、大元を考えたのが、陰陽名家の中の一家だといわれている。当時は、西洋圏の魔法をブレンドさせたため邪道だと言われていたが、利便性に優れていたため、認められ、ついには、日本を代表する魔術になったのだ。


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