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トランス・デバイス TSメカ娘戦闘団の異世界冒険開拓記  作者: EPIC
第1章:「TSデバイス少女、異世界に臨む」
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Task12:「勧誘にて、一件落着」

 それからまた間もなく、手配されたより本格的な応援部隊が基地から村に到着。

 村の近くに各業務・役目のための車輛が並び天幕が張られ。簡易な幕営地が築かれて必要な動きが始められた。


 もっともその主は、確保されたオークたちの掌握。そして伸され倒れていたオークたちの救護看護であったが。



「……ンォぉ……?」


 展開、設置された施設設備の一つである救護天幕。

 その中に置かれた一台のストレッチャーの上で。頭オークは、今も偉丈夫な美女のままのその人は目を覚ました。


「ンんぁ……?どうなってェ……?」


 その女体となって尚も屈強な上半身を、緩慢な動きで起こす頭オーク。

 その際に、首回りに感じていた冷たさが引き、同時に手元近くに何かが落ちる感覚を感じる。

 手元を見れば、それが落ちた氷嚢であることが分かり。そして同時に己が、見慣れぬ寝床のようなものに寝かされていたことに気づく。


「――目が覚めたか」

「っ!」


 そんな所へ背後から通る声が掛かり聞こえ、頭オークはそちらを振り向く。

 そしてすぐ傍にて、一人の蒼い美少女――仙導が、他ならぬ自分を倒し沈めた相手が。屈む姿勢で己を覗き込んでいる姿を見た。


「おまえ……?まさか……オレは、助けられたのか……?」


 次にはその見えた姿に、周りの光景から。

 漠然とだが頭オークは己の置かれた状況を察し。しかし大変に訝しむ色で、そんな言葉を仙導に向ける。


「まだ安静にしていたほうがいい。君の同胞たちも同じく手当しているから、心配するな」


 そんな頭オークのぶつけて来た質問の言葉に、仙導はひとまずは答えず。

 忠告の言葉と、併せて頭オークが欲しているであろう知らせの一つを答えてやる。


「……どういう腹積もりだァ?何を企んでやがる……?」


 そんな仙導に、しかし頭オークは変わらずの訝しむ顔色で、いや睨み凄むまでの色で言葉をぶつける。


 頭オークからすれば、あの状況で不覚を取った己は、配下共々そのまま殺されるのが当たり前だという認識であった。

 しかしどうだ。目の前の小娘は己を生かし手当までし、群れの仲間も手当をしていると宣った。

 襲撃者にする扱いではない。頭オークが、その裏を疑り探ろうとするのも無理は無かった。


「聞かせてもらった。君たちも同胞を、子供たちを食わせるために、苦渋の決断で襲撃という手段に手を出したのだろう」

「何……?」


 しかしそんな頭オークに対して、仙導が紡いだのはそんな聞き尋ね返す言葉だ。


「君たちのコミュニティは元より厳しい環境だったが、さらなる凶作でついにその地を離れざるを得なくなった。そして収奪で糧を得ることに舵を切り、この村がその最初の標的だった」

「……っ!」


 続け紡がれた仙導の言葉。

 それはその通り。頭オークたちの群れ、部族が故郷を離れ、フェイオンの村を襲撃した理由で間違いなかった。


「……だからァ?そんなんを知ったからって、下種な襲撃者に甘っちょろい慈悲を掛けようってかァ?」


 しかしそれを聞かされた頭オークが次に返したのは、剣幕での詰問のような言葉。


「舐めるなよ……碌でもねェオレだが、安直で甘っちょろい赦しに飛びつく程、腑抜け腐っちゃいねェぞ……!」


 そして、次に吐いて叩きつけられたのはそんな言葉。

 その頭オークのそれはしかし、己を軽んじられた事に対する怒りと言うよりも。

 まるで何か、『己が己を赦してはならない』。そんなような意志、色に気配が漏れて見えるものであった。


「はァ――君は、大分不器用なようだな」

「なに……?」


 そんな頭オークに向けて、しかし次に仙導が零したのは、何か呆れた色を含めてのそんなような言葉だ。

 それに頭オークは訝しみながらも、また凄味を含ませた色で返す。


「これは頼まれてのことだ――「私たちのために悪者になろうとしている、グィネおじちゃんを止めて助けてくれ」、と」


 その頭オークに、続けて仙導が紡ぎ伝えたのはそんな言葉。

 そして併せて次に、仙導はチラと背後に視線を向けて何かを促す。


「!」


 そこに見えたものに、頭オークは目を剥いた。


 示されたのは、救護天幕の出入り口。

 そこには外からこちらを覗き込む、オークの子供たちが。男の子から女の子まで、歳は下は一桁から上は成人手前までが。

 皆心配そうに中を覗き込み、頭オークに視線を集めている姿が見えた。


 それは、頭オークが頭領を務める部族の子供たちであった。

 また明かせば今に仙導が紡いだ言葉は。頭オークが仙導によって倒し崩された直後に、隠されていた所から出て来たオークの子供たちから寄越された要求懇願であったのだ。


「君は、襲い糧を得る決断を下した時、己が悪人となる覚悟を決めたようだな。まったく不器用にも程がある」


 そんな子供たちの姿を頭オークに促し見せ、そして次にはまた呆れを混ぜた色での言葉を紡ぐ仙導。


「ところでここからは勝手な宣伝だが――我々のコロニーは人手を、新規参入者を求めている。手頃な参入してくれるコミュニティがあればありがたいのだが」


 そして次に仙導が言葉にしたのは、何かわざとらしい声色でのそんな旨。


 補足だが、特別活動隊の活動区は拡大を進めるに伴い。地球・日本から、異世界からを問わず新規参入者を欲し募っていた。


「……そうまでして、俺たちに慈悲を駆けたいのか?」

「解釈は好きにしてくれ。しかし、君たちはまだまだ再スタートを切れる。願わくば、未来につなげるための選択を期待する」


 次にまた疑い探るような。しかし同時に少しバツが悪そうな顔色で、言葉を向けて尋ねて来た頭オークに。

 しかし仙導は、また天幕出入り口で状況を見守っている子供たちを示しながら、そんな言葉を紡ぐ。


「……ハっ!とんだアマちゃんが、得体の知れねぇ他所からはるばるやって来たモンだぜっ!」


 そして、しばらくの思考の様子を見せた後に。

 頭オークは、呆れを混ぜた皮肉気な笑いを発し上げた。


「いいだろう……お望みならば、図々しくそちらさんに転がり込んでやろうじゃねェか!」


 そして次にはストレッチャーの上で、居住まいを正してドカリと座り直すと。

 その美麗な顔に、ニカっと一杯の笑みを作り。バシンと己の膝を叩いて見せた。


「言っておくが、穀潰しを招く気はないぞ。たらふく食らいたければ、その分動いてもらうぞ」

「上等だ!」


 そんな頭オークに仙導は忠告の言葉を向けるが、頭オークは威勢よくそれに返す。


 そして次には仙導と頭オークは、互いの大きさの大分異なる拳を、景気よくぶつけあった。



 こうして、緊急事態入電から始まった騒動の一幕は。

 無事完了、解決したのだった。

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