39・弔い合戦
『転生したドララー』が詰まり気味。此方が現在、イメージが浮かんでいる為、頑張っておるんですわぁ。
『…あれ? このベストって確か…防御力高めていなかったっけ?』
ナイフを抜かれ、刺された箇所を見ながら、サクラは考えていた。危険な状況にも拘わらず、頭は冷静であった。
『相手の武器はマジックアイテムで、マスターが想定した防御力を、僅かながら上回っています』
『世界の知識』であるルーチェから、そう説明される。その瞬間…
ヒュン!!!
槍の柄が横払いで、サクラに襲い掛かってきた。サクラは考え事をしていて、反応に遅れてしまった。
ガンッ!!!
振るわれた槍はサクラの刺された横っ腹に当たり、その衝撃でサクラは飛んでいった。
「サクラッ!!!」
カイルが叫び声を上げるが、サクラはそのままカウンターの酒棚に激突し落下した。
「サクラ…」
カイルは茫然と声を漏らす。あの攻撃ではサクラは生きてないと判断した。
カイルとサクラとはまだ僅かな時間しか知り合っていないが、何故かカイルの心に、大きな傷を与えたのであった。
サクラを始末した仇の大男は、槍をカイルとローベルに向ける。ローベルは咄嗟にバルバレスコを肩に背負い、回転式拳銃・シュタインベルガーを抜いた。
「ローベル…下がってろ…コイツは俺がやる…」
「!…」
有無言わせないカイルの声に、ローベルは無言で下がった。
カイルは両手に、バハムートとリヴァイアサンを持つ。
「テメェは…ボスや仲間達だけじゃなく…サクラまで殺しやがった…絶対許さねぇ…」
怒りを押し殺した声で、カイルは大男を睨みながら呟き、バハムートとリヴァイアサンを構えて、大男へと向ける。
「……」
大男は無言のまま、槍を構えてカイルに向かってきた。
カイルは大男に向かって、バハムートとリヴァイアサンを撃つが、大男は槍で銃弾を弾いてしまう。
今度は大男が槍でカイルに対して、鋭い突きを出してきたが、カイルは猫獣人特有の高い身体力を使って、飛び上がって回避した。幸いにも店内は天井が高かった為、それなりに高く飛ぶ事が出来た。
カイルはバハムートとリヴァイアサンを構えるが、両方とも弾が切れていた。瞬時に二丁を放棄し、今度はフェンリルとガルムを取り出し、大男に向かって銃撃するが、再び槍で防がれてしまう。そして…
「がぁっ!?」
大男の大きな手が、カイルの首を掴んだ。
「カイル!」
ローベルが慌てて助けようと、バルバレスコを構えるが、大男はカイルを盾にする様にローベルに向け、このままではカイルに当たってしまう為、ローベルは撃てなかった。
「がっ…ぐっ…」
そうしている内に、大男はカイルの首を絞め始めた。カイルは何とか銃撃しようとするが、苦しさにより力が入らない。
やがてカイルの意識が薄れていく…。
『悪りぃ…ボス…仇は打てなかった…サクラ…悪りぃ…』
薄れゆく意識の中、心の中で死んでいった者達へ、謝罪をするカイルだった。その時…
バシッィィィ!!!
「があっ!?」
縄で打つ様な音と共に、大男が悲鳴を上げてカイルを離した。
「ゲホッ…ゲホッ…何…が…?」
咳き込みながらカイルは、何が起きたのか確認する。
「カイル、大丈夫!?」
大男の背後から自分を心配する声が聞こえたが、それはローベルではなかった。その声は…
「…サクラ!?」
大男の背後に現れて、心配する声を上げた者。それは先程大男に殺された筈の、銀髪紅い瞳の少女・サクラであった。
流石はヴァンパイア・ロード…。
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