31・これは夕暮れから夜明けなのか? それとも命知らずか? 1
今回のタイトルは、英語にすれば、分かりますわ。この話の流れの元ネタが、其処から来ていますわ!
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「此れが異世界最初の食事か…吸血じゃなくて良かった…」
ウェイターが置いたパスタ料理を、サクラはフォークで堪能している。尚、ルーチェによって解放されていた魔力は、サクラが注文をする際に解除した。何故ならサクラにビビって、ウェイターが注文を取りに来ないからだ。
「んっ?」
何時の間にか背後の席に、他の客が座っていた。二つの声が聞こえる為に、どうやら二人客の様だ。
「パスタに堪能し過ぎて、全く気付かなかった」
何となくサクラは、振り向いて確認しようとした。
「…いや、止めとこう…」
先程自分がジロジロ見られて良い気がしなかった為、見るのは良くないと考えて、見るのを止める事にした。
「うん…美味しい」
サクラはパスタを堪能するのを続けた。
一方背後に座っているカイルは、ローベルと話していた。
「なあローベル…絶対アイツを見つけよう」
怒気の含めた声で呟くカイル。
「アイツって…ボスや皆をやった?」
「ああ…必ず復讐してやろうぜ」
「そうだね…でも今の私達は二人だけだ。私達がかなり削ったとはいえ、向こうはまだかなりの人数が居る。人数差では正面からの襲撃は危険だ!」
「そうだな…」
「とりあえず本国に戻って、ギルマスに報告をして、チームの再編を行う」
「だがそれだと、訓練を含めて、どれ位掛かるか分からないぞ?」
椅子に寄り掛かりながら、カイルが言う。
「それは仕方がない…カイルはチームに入って、すぐに慣れたけど、私はバルバレスコを使いこなすのに、少し時間が掛かった」
傍らに置かれたライフル・バルバレスコを示しながらローベルが言う。
「一週間くらいだったろ? 他の奴らは、一月は掛かっていたぞ? 早い方だと思う。新しく入るだろう奴らも、それ位で会得してくれればな…」
「そうだね…そういえば、話は変わるけど」
ローベルが前に乗り出して尋ねる。
「どうしてさっき、カイルは宿であの大男を倒した子の事を聞いたの?」
ローベルは、先程の宿で大男を倒した銀髪少女について、カイルが気になってたのを思い出して尋ねた。
「…どうしてだろうな…俺にも分からないな…まっ、そうそう簡単に会える訳ないよな」
カイルはそう言ったが、まさか後ろにその銀髪少女が居るとは、思いもよらないだろう。
やがてカイルとローベルに、注文した料理が運ばれ、さあ食べようとした時…店の扉が開いた。カイルは反射的に入口の方を見た。
「!…」
カシャーン…
フォークがカイルの手から離れて、床に落ちた。
店に入って来たのは、十名程の男達。そしてその先頭に居たのは…カイル達を襲った、あの大男であった。
大男は店の中を見回して、此方を見ていたカイルと目が合った。そして次の瞬間…大男は手斧を取り出して、カイルの前に座っている、ローベルに向かって投げつけてきた。
「危ねぇ!!! ローベル!!!」
店の中に、カイルの大声が響き渡った。
どうなる? ローベル!?
カイルとローベルは座る時に、後ろの席のサクラを見ていないので、気付いていないんですわ!
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