30・近づいている二人
久しぶりの投稿ですわ!
『転生したドララーのオタクは、美少女になり、ドラゴンの恋人になって、竜騎士になりました』もよろしくお願いしますわ!
「はぁ…安宿はみんな満室か…」
先程の宿から出たサクラは、あれから様々な安宿を巡ったが、全て満室であった。
「やっぱり野宿かな…まあ棺桶も寝心地良いから良いか!…おっ!」
と、その時サクラの視線に、一軒の大型の飲食店が目に入った。
「野宿なら、お金はご飯に回しても良いか。ちょうど小腹が空いたし…ってかヴァンパイアでも、お腹は減るんだ…」
ある意味衝撃的な事実に、サクラは驚く。
『この世界のヴァンパイアは、吸血行為は飲酒と同等ですから』
以前も言った説明を、ルーチェが語る。
サクラは食事をしようと、飲食店へと足を進める。
中に入ると、店内は様々な客で溢れていた。
中に居た客達は、入ってきたサクラの姿を見て、一同動きを止めた。
鮮やかな銀色の長い髪、透き通る様な白い肌、黒いベストに覆われた大きな胸、短めのズボンを履いて、ニーハイブーツを履いた魅力的な足、そして何より紅い瞳を宿した美少女が現れたのだから、当然の結果だ。
そんな視線を感じながらも、サクラは気付かないフリをしながら、空いている席に座った。
しかし座った後も、視線は消えない。
『…ルーチェ、何とかならない?』
視線を感じるのが嫌になってきて、『世界の知識』のルーチェに知恵を頼む。
『マスターの魔力を、少しだけ解放すれば、その威圧で見なくなります』
『そんな事をして、大丈夫? 僕がヴァンパイアだってバレたら、大変じゃない?』
『大丈夫です。そもそも六百年前に滅びたので、居るという考えは持たない筈です』
『…じゃあ頼むよ』
『了解しました』
ルーチェがサクラの魔力を、他の人に分かる様に解放する…その瞬間、サクラから凄まじい威圧が放たれた。
「!!!!!!!」
サクラを見ていた人達は、その威圧によって、サクラを見ようとするのを止めた。
「…何とかなったみたい…」
安心したサクラは、机に置いてあったメニューを取って見てみた。
「…流石にラーメンは異世界には無いよね…ニンニク入りラーメン食べたいな…でもパスタらしき物はあるな…それにしよう」
サクラは注文を取るべく、ウェイターを呼んだ。
※ ※
「それで、何処で食べるの?」
ローベルが隣に並んだカイルに尋ねる。二人は車を先程の宿に置いてきて、食事処を探していた。
「そうだな…あそこで良いんじゃないか?」
一軒の店を見つけたカイルが、示しながら言った。二人はその店に入る。
店に入ると、大勢の客がカイルとローベルを見始める。
「有象無象が居るな…」
全く構うことなく、カイルは呟いた。
「カイル…わざわざ喧嘩を売る様な事を、言う必要は無いでしょ?」
ローベルが呆れる様に呟く。
「まあ良いだろ? さっさと飯食って、今日の宿を探そうぜ」
そう言うとカイルは、丁度二人分空いている席に向かった。
「さてと、何があるかな?」
席に座ってメニューを開いたカイル…その後ろには…サクラが座っていた。吸血鬼少女のサクラと黒猫獣人カイル…二人は背中合わせで座っている。
遂に近づいたサクラとカイル!
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