79 高揚
◯ 79 高揚
第五フィールドに来ている。カジュラと一緒に鉱山のダンジョン内に入って魔物の素材を集め中だ。金属ゴーレムを高出力火炎で溶かして倒してご満悦なカジュラの戦い方は力に思いっきり振り切った感じだ。
「いつもこんな戦い方なの?」
カジュラがゴーレムの魔核を取り除いてゴーレムの残骸をカバンに入れているのを手伝いながら聞いてみた。多少は残るのか、ゴーレムは。
魔核の出る魔物は全部消えると思ってたけどそうでもないらしい。新しい発見をしつつ僕はカジュラとシェンブートとシュンザートとでダンジョン内を歩いている。
「いいえ、今日はいつもよりも高ぶった気持ちを押さえ切れずにいるだけです! 我が神とご一緒出来るなどこれほどの喜びがあるでしょうかっ、いや無いに決まっております!!」
なんだかまた良く分からない病気を発症したらしいカジュラは、妙に高いテンションでいつもの台詞を叫んでいた。
「敵が来ます。私達が片付けてよろしいでしょうか?」
「うん、お願いするよシェンブート、シュンザート」
「「お任せを」」
言うと同時に消えるように行ってしまい。暗闇の向こうで幾度か閃光が走った……気がする。一瞬過ぎて、瞬きの間に消えたので良く分からない。あっという間に敵を倒して以前組合で買った収納スペースに何か分からない金属を入れてくれている。
「ありがとう。すごいんだね、二人とも」
「勿論です。出来て当たり前ですから」
「あのように誇ったりする必要ございませんから」
褒めたからか、謙遜しながらも尻尾が千切れそうなくらい振られている。
「はあぁっ」
ヴァンパイアがシュンザートの言葉に、一人打ちひしがれている。
「カジュラ、次はどっち?」
仕方ない、道案内をして貰わないと。
「はい! たとえ道案内のみでも私はめげませぬ!」
速攻で立ち直ったカジュラは案内を始めた。打たれ強さはピカイチなようだ。
「二人ともカッコいい着物だね。獅子が刺繍されててすごくカッコいいよ」
なんだか何処かの殿様の衣装みたいに華やかで凝った感じだ。刀まで差してるし、粋だしカッコいい。マリーさんは時代劇の衣装まで網羅しているんだろうか?
「く、犬コロに負けてたまるか!」
「カジュラ、二人には敵わないよ? 僕だって無理だし。いつも助けてもらってるんだ。可愛いし……へへ」
二人を抱きしめて頬ずりしておく。可愛過ぎるよ。神界に置いてあった地上のお金が綺麗に無くなったので、稼ぎに下りている。
冒険者ギルドに入っているのに依頼を受けたのが二回しかないのは良くないのでカジュラと臨時パーティーを組んでここに入っている。
「ぐぬぬぬうおぅ〜。何故か敵わない気がするぅ」
頭を抱えているカジュラは謎の雄叫びを上げていた。
「だってこんなに可愛いんだよ? 可愛いさでは勝てないよ」
「…………何か悟りました。可愛いは正義!! これですね!?」
「良く知ってたね?」
ちょっと使いどころが違うけど。
「何か閃きましたっ」
僕はその方がすごい気がするよ。まあ、シェンブートとシュンザートのおかげで随分沢山の魔核と素材が集まったと思う。かなり奥まで行ったから金色のゴーレムとか出てきたし。紛らわしい金じゃない鉱石でない事を祈ろう。




