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プロローグ

プロローグ

 日本吸血鬼協会(通称、NKK)は日本に住む吸血鬼の組織らしい。

 日本在住の吸血鬼に対して医療、政治、生活等、幅広い面で密着した活動を行っており、殆どの吸血鬼がこれに所属しているんだとか。

 説明をしている俺、夢川冬治もそんなNKKに所属している吸血鬼……ではなく、ちょっとした事情でここの研究部門の吸血鬼と知り合い、協力すると約束してしまったわけだ。

 吸血鬼の研究部門は何やら新種の人外を探しているらしく、俺もそれに狩りだされる羽目になったのだ。



――――――



 三月の終わりと言っても意外と寒く、暦上は春なのに俺はまだマフラーをしていた。

「うう、さぶっ」

「おや? もしかして冬治君じゃないか?」

 汽車が来るまで震えているしかない。そう思っていた俺は突然声をかけられて少しだけ驚きながら振り返る。

「あ、黒葛原のおじさん」

「久しぶりだね。元気だったかい?」

「はい。おじさんも元気そうですね」

「ああ、これから出張さ」

 白髪の入り混じった髪を撫でながら人のよさそうな笑みを浮かべてくれた。コートを着ているからもしかしたら寒いところに行くのかもしれないな。

「冬治君は遊びに行くのかな?」

「いえ、何と言うか……バイトみたいなものでちょっと遠くに行くんですよ。転校ってわけじゃないんですけど、休学扱いになると思います」

「ははぁ、そいつは大変そうなバイト先だね。バイトも善し悪しがあるよ」

「そうですね」

 他の話もしようかと思ったらプラットホームに女性がやってきた。まだ若く、結構綺麗な人だった。

「おや、君は……」

「奥さんと別れてっ」

 一瞬にして頭の中に疑問符がひしめきあう。黒葛原のおじさんには妻がいて、俺と同年齢の娘もいる。

「えーと?」

 戸惑う俺に一切の配慮がないおじさんは相手を見て笑うでもなく真面目腐った顔になっていた。

「またその話か。君が私に近づいてくるとき既に知っていた事だろう? そもそも、遊びだと言ったのは君の方だ」

「そんなの関係ないわ」

「関係なくはない。私には家庭もある」

「あたしは貴方の事が好きなのっ。愛してるのっ」

「こんなおっさんをつかまえて言うことではないよ」

 え、これ一体どうなるのと思っていたら汽車がやってきた。遅れるわけにはいかない用事なので、俺はお忙しい状態のおじさんに会釈をして汽車に乗る。おじさんもおそらくこれに乗るはずだ。

 幸か不幸か、車内に人はおらず俺は出来るだけ話の内容が聞こえないような場所へと移動して座った。勿論、何かあったときのためにすぐ出られるように準備はしている。

 そして、扉が閉まり始めて女性がハンドバックから包丁をとりだした。

「え、あ、ちょっとっ」

 扉は完全に閉まり、そのまま出発。

「一体、何だったんだ……」

 最後に見えた光景はやけに冷静なおじさんの横顔と女性の切羽詰まった表情だった。

「オチは?」

 この話の結末を見かけた人がいるのなら、俺にぜひ、教えてほしい。


透明人間なのに何で吸血鬼の話が出てくるんだと作者が思いました。まぁ、なんとかなるでしょう。何せまだ一話目を投稿しただけですからね。これからきっと面白くなってくるはずですよ。

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