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サ終ゲームのリスタート side story ~新米花図鑑の人物分析結果録~  作者: 橋 みさと
第5章 ラーヴァゴーレムに勝つまでの記録
22/27

「うー」が口癖の、マジシャン

本エピソードは「サ終ゲームのリスタート」の第3章ep.43 銀等級昇格 までを、すでにお読みいただいている前提で書かれております。


未読の方にはネタバレが含まれますので、ご注意の上お進みください。

実はスカオーには、プレイヤー側にいくつかの種族がある。

って言っても、プレイヤーが勝手に決めた種族なんだけど。


「おつかれにゃ(='ω'=)」


例えば菊先輩は、「猫族」って呼ばれてる。見た目の問題じゃなくて、この「猫娘」のボイスを使っているから猫族。

要するに、人気が高くて特定のボイスを選択する人が多かったものが「●●族」と言われてるのよね。


「菊先輩お疲れ! 何だか嬉しそうね? アバターもいつもと全然違うし」


その日のクエスト討伐が終わり、花図鑑部屋で休憩しようとしてたアタシは、珍しく猫の着ぐるみ姿になってる菊先輩を見つけて、そう声をかける。

菊先輩は、まさに猫のような身のこなしで、ウキウキ気分を表すようなジャンプを見せつつ、答えてくれた。


「さっき、猫族の人と、うー族の人と、まう族の人を見つけたにゃ! 良かったら一緒に潜入どうにゃすか(=`ω ´ =)」

「えっ、潜入!?」

「花図鑑の姿だと、猫族の話し方できないから、実は前から時々姿を変えて、猫族としての会話を楽しんでるにゃ(=´ ∇`=)」


そっか、「●●族」って言われるボイス選ぶ人は、そのボイスに思い入れがあるから、集まるとだいたい盛り上がるんだっけ?


「楽しそうね、行くわ!」


というわけでアタシは事前に登録してあったアバターの1つを選び、少し悩んでから「ロリポップ」のボイスに変更したところで、菊先輩と一緒に適性者ギルドに向かった。

ちなみにこの「ロリポップ」のボイスが、菊先輩が言ってた「まう族」のボイスってわけ。


「うー!」

「うー!」

「すごいうー!」

「よろしくだう!」


あら、もうすでに「うー族」で盛り上がってるわね。


黒とピンクのボディスーツに、鳥の羽根で作ったようなフワフワのマント、極めつけに能面で顔を隠した「うー族」のマジシャン……嶋耕作さんを中心に、4人ほどが集まって騒いでた。

しかも全員能面を付けてるから、誰がどの台詞を言ったのか、さっぱり分からないわ!


「♡(´ Pゝω・)ニャンニャン」


負けじとエリアチャットでそう呼びかける菊先輩。すると……


「♡(´ Pゝω・)ニャンニャン」


すぐに同じボイスでの返答があった。

ちなみに、ボイスの意味を考えちゃいけないわ。感じろってやつよ!


「おつかれにゃ(='ω'=)」

「にゃんだふぉー(≧∇≦)」

「にゃたしもいく(=`ω ´ )ノ」


すると不思議なもので、どんどん同じ「猫族」の人が集まってくる。アタシも負けていられないわ!


「まう!」


アタシもエリアチャットでそう呼びかけると……。


「よろしくまう!」

「まうまう!」


同じく「まう族」の人たちが集まってきた。ふふっ、これホント楽しいわね!

とはいえ、別にこの3種族、仲が悪いなんてことはないから、


「レア発見だうー!!!」

「にゃんですと!?Σ(艸ωΦ)」

「やったまう!」


結局全種族合同での交流が始まった。


「おかしちょーだいまうっ♡」

「ポンもほしいポン!」

「だめまう!」

「ううぅ……だう……」


あ、いつの間にか「ポン族」の梅先輩まで、アバター変えて参加してるじゃん!


「みんな、パーティ参加するうー!」


すると、ある程度人が集まったところで、能面片手にそう呼びかける嶋耕作さん。1人、また1人と能面を身につける人が増えていく……。


気が付くと、適性者ギルドは能面を身につけたプレイヤーだらけになってた。

え、今回はそういう流れ!?


「お願いだう!」


アタシも嶋耕作さんから能面姿を促されたので、アバターを変更することに。


「準備OKだう?」

『うー!』


いつの間にか、謎の一体感が生まれてるわ!

でも楽しいからアリね!


「うーが行くう!」

『うー!』

「みんな一緒に、うー!」

『うー!』


嶋耕作さんの掛け声に合わせて「うー!」で唱和する人たちの顔は、どれも能面で隠れて見えないんだけど、その声から楽しんでる様子がはっきり伝わった。


ところでこれ、どんだけ人集まるの!? さっきからどんどん増えてるんだけど!?


ちらっと見る限り、普段「●●族」のボイス使ってない人も、他の「猫族」や「まう族」のボイス使ってる人も、わざわざ「うー族」のボイスに変更して参加してるみたいだった。そりゃ増えるはずだわ!


何度か「うー!」の唱和を繰り返したところで、


「ありがとうだう! お疲れさまだう!」


嶋耕作さんがそう言って手を振ったので、自然と拍手が起こり、今回の集会は解散となった。


「うーん、楽しかったぁ!」

「おつかれにゃ(='ω'=)」

「またよろしくポン!」


こんなにみんなで心を1つにできることって、中々ないだろうなーと、この時は思ってたんだけど……。


次の日の午後、ラーヴァゴーレムとの戦いに挑む嶋耕作さんの掛け声で、誰かさんを除くプレイヤー99人と、ウパぺんたちで心を1つにできたのを見て、嶋耕作さんって実は凄い人なんじゃと思ったのは、ここだけの話。

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