10話 異世界の人と話してみよう
街中にユニオを送り出すか、街の外から送り込むか、迷ったが街中に直接送り込むことにした。
広い街だからバレることもないだろうし、ボロを出しても街人ならリスクが小さい。
俺に必要な情報を持っているのは神官だろうし、街のことを聞くなら衛兵などが手っ取り早いだろうが、そういうちゃんとした立場の人間に怪しまれるのは避けたい。
まずは、買い物でもしてみようか。
念の為ユニオの姿は街の人に合わせて金紙碧眼にしてある。身バレ防止と、目立たないためだ。
「こんにちは、きれいなお姉さん。パンをください」
「あら、こんなおばちゃん捕まえてどうする気?」
しまった。ビビって仕立てに出過ぎたのが裏目に出た。
この世界ではお世辞はあまり好まれない。もしくは使われないのかもしれない。
「あ......パンを」
「幾つぅ?」
ねっとりし始めた。気持ち悪い。
第一異世界人といえばヒロインになりがちなんだ。
申し訳ないが、俺は自分の母親くらいの女性がヒロインというのは嫌だ。
そんな作品は普通に読みたくないだろ?
パン屋に並ぶのはフランスパンっぽいものが1種類だけ。
「ひ......1つ」
「銅貨4枚ね」
腰の袋から硬貨を払う。
「毎度あり。この後、どうする?店、閉めてもいいけど」
「い、急いでるんで」
走って逃げた。
何する気だったんだ。あのババァ。
単にお茶を飲むだけだったのかもしれないが、怖すぎるっぴ。
もう少し声の掛け方を考えよう。
----------
あれから買い物を繰り返してわかったのは、まず貨幣体系。
銅貨が100円くらい。
銅貨>大銅貨が10倍で一定の比率。
銀貨は銀の割合とか、発行した国とかの影響で価値が変わるらしいが、大銅貨100枚前後の価値。
両替商に頼む必要もあり、面倒なことこの上ないが、いずれにせよ普通の買い物では使わないので問題ないか。
ああ、お金は土精に作らせたわけではない。
できないことはないと思うが、俺にできるなら他の土魔術師にもできるはずで、なんらかの偽造防止の仕組みがあるはずだ。
偽造は基本的にバレたらやばいだろう。
ではどうしたのかというと、闇精の認識誤認でもなく、普通に精霊たちに街中から拾って来させたのだ。
便利だね。
そこそこの小金持ちと言える程度にはある、と思う。
服は流石に拾えないので、服屋の奥から1揃い拝借した。
既に別の服屋の服と入れ替えて証拠隠滅している。
火精の使い道ができてよかった。
また、スキルを聞くのはマナー違反っぽいこともわかった。
ない人間も多いので、差別につながりやすいそうだ。
強力なスキルに縁のない一般人の認識的には、「スキルなんてなくてもいいよね。生活はできるよね。でもすごいスキルを持っていると立身出世がしやすいらしいよ」くらいの感じだった。
この街の教会に、今偉い人が来ているらしいから、その人ならすごいスキルを持っているかもしれない。
スキル関係の話も神官に聞いてみようかな。
次回、神官




