表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
66/73

ハーピーの集落

■■■ 魔都 魔王城にて ■■■

「アストラさん、いつまでここでのんびりするつもりですか?」


魔都は決して狭いところではないがありとあらゆる建物が密集して建てられている。

おまけにいろんな種族があり好みがかなり異なる上、種族的に触れてはいけない領域が多岐に広がっているため露店を開きづらい。

なので豪華な飯も出てフカフカなベットで寝ることができる魔王城で長いこと居候していた。


「だってすることないし。前まで相棒と気になっていたところに行っていたのだが一人だとそんな気にもならないからな」

寝ていた俺をわざわざ起こしてゴウが聞いてきた。


「武道会が1年後に行われますが参加してみます?」

「武道会?どのくらいガチなやつだ?」


武道会とは簡単にいえば誰が一番強いやつか競う大会だ。

しかし大会によっては殺しまで大丈夫なものから武器すら使用禁止のものまである。

「武器、魔法、なんでもありの大会です。審判が私とカレンお嬢さまが行いますね。行動不能、もしくは殺しかねないと判断したら私たちが試合を強制的に中断します。」


ほぉ二人で試合の審判をするのか。

「俺は参加しないがちょっと面白い子を連れて行こうと思う。けどお前たちが審判になるくらいだからレベル高いんだよな?」

「それはもちろん。アギトはその大会で四天王に抜擢されたんですけど準々決勝あたりからかなりの接戦を繰り広げましたからね」


前回の大会は先代魔王の代わりとしてゴウが魔王に上がった事により開いた四天王の一席を決める大会にもなりグッとレベルが上がったらしい。


「分かりました。何人くらい来そうですか?」

「わからん。10くらい開けておいてくれ。」

「分かりました」



「そうと決まればちょっと迎えにいくか」

「・・・そういえばアストラさん。ハーピーの集落で冬越えするのに色々と足りないと聞きました。一度訪れてみたらいかがですか?」

「そうなのか。んじゃ行ってくるわ」

魔王城の窓から飛び出して一直線にハーピーの集落まで俺は飛んでいった。





■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

「魔王様、流石に王として自分が守る人たちの弱みを商人相手に教えるのはどうかと思います」

アストラさんを見送ってからしばらく経った時アギトがそう言いながら魔王の部屋に入ってきた。


「どういうことだい?」

「確かにハーピーの集落は物資不足です。おまけに地理的にも支援物資が送りづらいため全体的に貧しいです。それなのに金の亡者である商人を送り込むなど」

「なんだそのことか。心配いらない。アストラさんは金に細かいが無い人から搾り上げる人でもない」


「そうねぇ。あの人は割とお人好しよ。怒らせたらとぉっても怖いけどねぇ。」

「私は一回怒らせたことあるぞ!!・・・何で怒らせたか覚えてないけど。」

「あの時は随分派手にやられていたな」

「それにハーピーにはあの人思い出があるから無下にはできないわよぉ。さっきもすごい勢いで飛んで行ったしね」

ゾロゾロと四天王全員がゴウの部屋に入ってきた。

「あのぉ、皆さん?今日は僕は一人のはずなのですが?」

部屋においてあるベットに座り込み後退りする魔王。


太陽はついさっき沈んだばかりだ。魔王の夜はまだまだ夜は長い。


■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■




ハーピーの集落


魔王領の東の方に聳え立つ山脈の山と山の間にポツンとできた集落だ。

歩いていくことは不可能と言われており、飛んで行くことでしか辿りつかない。しかし山頂に近づくほど天候がコロコロ変わり、晴れていたのに突然突風が吹き荒れ豪雨が襲うなどがよく起きるため、大掛かりな物資を運び込むことも厳しい。



今現在も突風と大雨に打たれながら俺は一直線に飛んでいた。

「・・・・・・・あった。」

ハーピーの集落の目印となる藁でできたそこそこ大きいドームを見つけた。

すっかりボロボロになってしまい藁が禿げて修理されているが作りが甘いため簡単に風に飛ばされている。




俺はとある一軒家の前にそっと着地した。ハーピーの家はツリーハウスのように木の幹と幹の間に作られている。

だから俺は木の幹に着地した。


「ただいま・・・」

誰にも聞こえない声でボソリと呟いた。

そう言って俺は横にかなり大きいドアを押し飛び越えて家の中に入った。


ハーピーの手は完全に鳥の翼のようになっているため細かい動作ができない。できるとしたら掴む、押すくらいだろうか。

だからハーピーの家のドアは上の方しか開かない。扉を上下に二分割にして下の扉はネズミ返しのようなものをつけて虫などが入ってこれないようにして固定する。上半分だけ押しても引いても動くようにする。

こうすることでドアを押し退けながら家を出入りすることもできるし顔だけ出すこともできる。



「久しぶりだね、スカーレット」

埃まみれで黒ずんでいる家の中で真っ赤な羽が一枚だけテーブルの上に置いてる。

スカーレットという女性のハーピーの羽だったものだ。












なんか終わり方ムズムズする。

次話書き終わったら修正入るかもです

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ