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後日譚

■■■ 学園都市 エルネーヨ ■■■


「ってことがあったんだ。」

深夜、いつも通り仕事をしていた学園長にことの顛末を話した。


「そんなことがあったなんて。 心置きなく天に登れたのなら嬉しいわ」

学園長は机の引き出しから先端に円がついている十字架を取り出し、それに祈りを捧げた。


「それとあなたが聞いていた音楽ってこれじゃないかしら?」

そう言って本棚の中から一つのオルゴールを取り出した。それから奏でられる音楽は確かに少女の霊が流していたものだった。


「それだ。始めは悲しい音楽、と思っていたが慰めているのか?」

「そうね。題名は『名もなき英雄』 今までの活躍を讃えると同時にいつしかは忘れられてしまうことを悲しんだ。 それがこの曲ね」

実際に、誰かをモデルにして作られた曲のようだが、それが誰なのかがわかっていないらしい。


「ベルみたいだな」

「そうね」


「それで?要件はそれだけかしら?」

重い空気を壊すかのように、わざと大きい声で聞いてきた。

「いや、うちの子供達の話なんだけどさ」

「何よ?また手間のかかる子が増えるの?」


椅子から飛び上がって、この世の終わりのような声で聞かれても。そんなに大変なのかね?


「いや、違う違う。うちの子達はよく怪我するだろ、お詫びに安くこれを売ろうと思って」

そう言って取り出したのは白く輝く透明な水だ。


「これ聖水じゃない!?どこで入手したの?」



聖水


聖なる水

疲労回復 魔素の回復 身体の損傷を治す  などなんでもできる。



「聖水って純粋な魔素が必要だろ?踊りで笑顔を作りたいって思いだけで生まれたベルの霊は言ってみれば純粋な魔素なんだよ。そのベルの霊が湖の上でずっと踊っていたからこれができたんだろ」

月夜に照らされた聖水を見ながらそう教えた。


「それなら場所を教えなさいよ。聖水と一緒に情報量として高く買うわ!」

すごいがっついてくる。うちの子たちはたくさん怪我をするのだろうか。


「それが、見つからないんだよ。別荘があったと思われる山に、普通の湖らしきものはあったが小屋が見つからない。綺麗さっぱりなくなってしまった」

小屋どころか、それに続く道の痕跡すら見付からなかった。

まるで小屋付近全てのものが幻だったかのようにスッと消えてしまった。



聖水の湖が見つかったと勝手に勘違いした学園長はその事実を知り、一人で落胆した。

薄めてもそこそこ使えると言うことで300mlほどの聖水を金貨15枚で買い取ってもらえた







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