ナイトデパート 古の秘宝
「リーダー、竜が帰ってきた。急いでここから離れないとまずい。幸い近くに他の魔物の気配はしない。少しは無理してでも早く帰ったほうがいい」
「了解した。総員聞け!!脅威となる魔物が今接近しているらしい。その魔物との遭遇を避けるためここを無理矢理抜ける。」
「「了解しました」」
誰も文句を言わずに移動を開始した。リーダーの判断は間違っているように見えても絶対なのか。
先ほどよりもはるかに早く移動し始めた一団。
竜が街と反対の位置から飛んできたため時間は多いだろう。
他の集団が竜と遭遇しないように注意をしなければならない。言うことを聞くのかどうかはわからないが。
一度朱雀堂のグループから離れて他のグループに行こうとした時だった。
「なぜ砂漠が揺れている?」
突然砂漠全体が揺れだした。 一体何が起きている?
わけがわからなくなったので、他のグループの人たちと今いる場所の空間を繋げてこちらに連れてきた。
「お前たちこの揺れの原因を知っているか?」
「ここは? 地上か。揺れの原因などわからん。こっちはまだ遺跡の中にいたからな」
黒いバンダナをつけていた人がそう言った。
こちらが玄武だろうか?10人しかいないが全員がその道のプロの顔をしていた。そして
「お前があれを取ったからだろ」
「いいや。お前が取れと言ったからだろ」
「そもそもあれを取っただけだと何も起きてないから俺は悪くない。落とした奴が悪い」
「お前が投げたせいで落としたんだろ」
などとお互いを責め合っているのが青龍組だろう。協力も統率も何もない。
「おいお前たちさっきから言っているあれとはなんだ」
先ほどから青龍組が言っている”あれ“とやらが原因でこの揺れが起きているのだろう。揺れの原因が全く探れないので俺の予想を超える何かが起きると全員の命が危ない。
何かを知るためにそう質問したのだが。
「うるせぇなぁ。部外者は引っ込んで・・・ろ・・・」
「うおっ!素手で首を切ったぞ」
あまりにも自分勝手なので思わず殺してしまった。
「さっさと答えろ。何をした?」
次は全員殺すぞと言う意志を込めて青龍組の一団を睨みつけた。
「た・・球をわ・・割ってしまった」
球?あの一番奥の部屋の椅子に置いてあった光る球か?なぜそれを割っただけで。
魔素などは一切感じなかったが。
そう考えている時だった。
「っ!!全員伏せろ!!」
これはまずい。俺の魔法だと防ぎきれるかわからない。
俺の指示に咄嗟に判断してしゃがめたものは俺の作れた障壁の中に入れた。
障壁の外では何か黒い粒のようなものが飛んでいいた。
残念ながら咄嗟にしゃがむことができずに立ち尽くしていた者の体はその黒い粒により体がボロボロと崩れていった。
このヤバさはよく知っている。そして厄介であることも。
「破滅の因子。なぜここに厄災龍・デゼスプワールが!」
そこには黒いもやがあった。黒いもやが体の周りを漂っていて仄かに龍の形をしているとわかる何かがあった。
厄災龍・デゼスプワール
厄災の化身。関わることすら禁忌とされている。
触れたものを破壊する『破壊の因子』を常に振り撒いている
遥か昔、星一つを破壊させたことから神界に封印されているはず。ちなみにその星の神獣は厄災龍により全滅した。
確か2千年前には封印されていたのをしっかり確認している。
なぜここにいるのだ?
神界で何か起きているのか?
「とにかく、一度避難をさせなければ。???」
魔法が使えない。正確にはこの人たちをこの漂っている破壊の因子の外側に送れない。
なら殺せばいいかと言われるとそう言うわけにも行かない。
この厄災龍の破滅の因子は本体が出す量を調節しているのだ。
奴の体内にも膨大な破滅の因子があり、奴はその量のコントロールをかろうじてできている。
奴を殺すとコントロールが効かなくなり、一斉に大量の因子がばら撒かれてしまう。
どうしたものか。今こうやって悩んでいる間にも因子により障壁がボロボロと崩れている。
「来い。慈愛の弓・アフロディーテ」
俺がそう言うと天から黄金に光輝く弓が落ちてきた。破滅の因子に触れてもその輝きは損なわれない。
慈愛の弓・アフロディーテ
アストラが持っている魔法具。しかしただの魔法具ではない。 神界の魔法具
この弓を装備すると姿がかなり変わる。
「な?!女?アストラはどこだ?」
「????????」
「何を言っているのだ?アストラは男だ。あんたみたいに女ではないし、そんなひらひらした服は着ていなかった」
そこには神々しくてほんのりと光っている女の姿があった。
浮いていて、足よりも長いスカートのようなものがなびいている。
エルフ特有の長い耳もなくなっている。
「???????????????????????????????」
そう言って弓を空に構えた。
「????????????????????????????」
女の人が何かを唱えていると光り輝く矢が作られた。
「????」
相変わらず何を言っているのか聞き取れないが女の人が矢を放った。
その矢は因子をものともせずに天にまで昇っていった。
「?????????」
なんか中途半端な終わりかもしれないのですが許してください。
次の話は視点が変わるのです。私の腕では上手に繋げられません