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帝都 再来 ‐2‐

◾️◾️◾️帝都にて ◾️◾️◾️


「お前、こんなところで店開いてたんか。見た感じ鍛冶か?

 ちっちゃい頃からやってたけど下手の横好きってやつじゃなかったのか?」

どうやら俺はリヒトの店の目の前で露店を開いていたらしい。しかし仕方ないことだと思う。

家の見た目が普通の家なのだから。


一階がお店のスペースなのだろうか、剣が無造作に置かれている。これが売り物なのか?

「それで、ここら辺に散らかっているのが売り物か?」

「散らかっているのなんてひどいじゃないですか。これはれきっとしたうちの商品ですよ」


そりゃ、すまなかった。


「それよりもなんですか?その子は?ずっとひとりぼっちだった師匠もついに子持ちですか?奥さんの顔を早く見てみたいです」

「あぁ、俺の娘だ。まだ俺は結婚どころか付き合った人すらおらんがな」

「それって?、、あっ。 ・・・かわいい娘さんですね」

「だろ?自慢の娘だ」

察してくれて助かった。ウルにはまだそう言うことを言っていない。いつ言えるのかわからないからな。


何よりウルにこのことを教える勇気もないが。


「さて、立ち話もなんだし、上がってくださいよ。お茶でも、、俺は出来ないけど用意しますよ。」

「おいおい。奥さんに頼りっぱなしは良くないぞ?」

リヒトが無理やり明るい声で話しかけてきた。せっかくだしお邪魔しようか。



「ただいま!!」

リヒトとのんびりお菓子を食べながらここ数年の話をしていると玄関から女性の声がしてきた。

ちなみにウルはお菓子をたらふく食べたらまた寝てしまった。よく寝る子だ。きっとすくすく育つ。

「おかえり」

「ただいま。あらお客さん?いらっしゃい!」

ひょっこりと顔を出したのはそこそこ若い女性だった。20前半か?

まぁリヒトがまだ20なったか、なってないかなので妥当だろうが。

燃えるような赤髪を後ろで縛ったシンプルな髪型の人だ。肩下までのびている。

服はザ・平民みたいな服を着ている。


「お前、平民の娘と結婚したのか?」

平民の娘ならいくら安全でも上街には住みたくないだろう。なら中街に住んでもなんらおかしくない。

しかし貴族の娘はまず中街に行くと言う発想が出てこない。出てくるとしたら相当変わってる。

「貴族ですよ?伯爵ですよ?隣の国の」

「隣の国?リジオン皇国?それともネウトラ王国?」

「ネウトラですね。」


リジオン皇国

リンカ帝国と並ぶほど強大な国。神リジオンを信仰する宗教が大きな力を持っている。

民のほとんどは信徒。

帝国が生まれるときに戦争を一度行ったことがある。

現在は停戦している。


ネウトラ王国

リジオン皇国とリンカ帝国の間に挟まれた小国。

帝国が生まれるまでは皇国のお供的な立ち位置だったが、現在は中立的立場。

大国二つに挟まれている。


ネウトラ王国からきたのか。娘送るから仲良くしようね、ってことだろう。

政略結婚としてはよくあることだな。


「お茶置いときますね」

「あぁ、ありがとうございます。」

目の前にお茶が置かれた。匂いだけでもわかるくらい高級な茶葉を使っているのに入れ物が普通のガラスのコップだ。なんの装飾もされていない。違和感がすごい。



「ほらあなたも。まったくお茶くらい自分でできるようにしなさいよ!」

「ごめんよ。お茶だけは出来ないんだよ」

「は〜。それじゃ私はあの子の様子を見てくるわ。どうぞごゆっくり。」

そう言って別室にむかった。



「仲がよさそうで何よりだよ。」

「彼女とは気が合うんでね。毎日楽しく過ごしてます。」

たしかに気が合いそうだ。

「お前が結婚したと聞いた時は驚いたよ。お前に限って大人しく結婚するなんて思わなかったからな」

「ハハハ。逃げ出しませんよ。彼女となら大丈夫と思ってましたし。おまけに子供もいたし」

ん?ん?ん?

子供?


「お前何年前に結婚した?」

「2年前ですよ」

「子供いるって言ってたよな?」

「はい。いますよ」


俺は次の質問を聞く覚悟を決めた。

「何歳?」

「あははは。えーと。   2歳かな?」


お前!!それ出来ちゃった婚なのか???本当に大丈夫なのか??

リヒトは意外に家事をします。料理全般は苦手だけど

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