帝都 再来-3-
寝てた
■■■帝都の外 泉の森にて■■■
俺は相棒のドナドナに乗って帝都からすぐ近くの泉の森と呼ばれる森に入った。
動植物はもちろんのこと、名前からもわかるように森の中心に泉があって魚も取れるらしい。
最近、出店を出す機会は増えたけど商品を探す時間が減ったしな。
ウルが来てからは殊更にだ。
今日はリヒト達に世話を頼んだ。初めは背中に隠れてばっかのウルだったが今では一緒に遊べるくらいには打ち解けている。良かった。
だから今はドナドナと2人だ。傍から見たら1人だけどな。
「なぁ、俺ら2人だけってのが久しぶりに感じるな。」
「ブルル(そうですね。あっ。ここに向こうに美味しそうな草があるので食べてみますね。)」
何故か勝手に道を外れて草を食べ始めたドナドナの上で俺は考え事をしていた。
(たった4年くらいしか経ってないのになんで久しぶりに思ったんだろうか?)
リヒトと1年ぶりにあった時は特に何も感じなかったけどな。
不思議だ。
しかし、ここ『泉の森』はなんの特徴もない森だな。
生えている木も普通のありふれたものばかり、飛んでいる鳥も鳴いている虫も帝都の中でさえよく見かける。
もしほかの未開の森と違うことをあげるのならば獣道の他に人が踏み歩いてできた道があることぐらいだろうか。
「ブルル(水飲みに行きますね)」
今はドナドナが道草を食っているため見えないが、さっきまでその道の上を歩いていた。
何も珍しい物がないっていうのも平和だねぇー。
水を求めて泉にドナドナが歩いてきてたのでそこで釣りをした。
ここでもまた普通の魚が取れた。
水上にいようがお構いなく襲ってくる魚や、ありえんほど巨大な魚もいなかった。
ただいつもと違ったことがひとつあった。
太陽が出ていようがいまいが、釣り糸を垂らしている時は水の中を眺めて、まわりの音に耳をかたむけているが俺の釣りのやり方だった。
これで平気で2日くらいなら過ごせるはずだったのに今日は日が沈で辺りが暗くると同時に帝都に戻らなければならないと思うようになった。
別に嫌な予感とかそんなものも全く無いのに。
初めは我慢していたがいてもたってもいられなくなったのでどこかに行ってしまったドナドナを呼び寄せた。
「ブルル(どうしたのですか?まだ1日もたっていませんよ?)」
「分からないけど帰りたくなった。どうしたんだろうか。」
「ヒヒーン(珍しい。不思議ですね)」
ああ。俺も不思議に思っている。
「不思議といえば、今日4年ぶりくらいに相棒と2人っきりだったろ?それで久しぶりと思ったんだよ。たった4年なのに」
「ブルル(確かにあなたが4.5年前で久しぶりと普通はおもんないでしょう)」
「でしょ?」
「ブルル(ええ。しかしそれはきっと・・・)」
話を1度止めて泉の水をがぶがぶと飲んだ。
「きっと?」
「ヒヒーン(ウルとの4年が新しい体験で充実していたからでしょう)」
なるほど。
「ブルル(きっと帰りたくなったのもウルが心配なのでしょう。無自覚でも)」
ほうほう。
さすが相棒。
確かにリヒト達に預けているからもしものことなど起こるまいとはわかっていても心配になるのかもしれない。
「なるほど。確かに心のどっかで心配しているのかもな。そうと分かれば帰るぞ!急ぐから走るぜ」
「ヒヒーン(あなたを乗せて走るのは少々骨が折れますが。落ちないでくださいね)」
■■■帝都にて■■■
疲れた。あの子の体力は無限なのか?公園で鬼ごっこするって言われたから鬼ごっこ程度ならと思って遊んだんだが。鬼ごっこを舐めすぎたか。
スピードはちょっと早い大人程度だがスタミナが桁違いにある。どんな鍛え方したんだあの師匠?
「うちの子も育てるとあんなに大変なのだろうか?」
「それが子育てってものでしょう?」
「そうだな。それも楽しまないとな」
妻と一緒にお茶をしながら雑談していた。
鬼ごっこでこれでもかと走り回っていたウルは帰る道中で寝てしまった。ウル用のベットがないのでウルを自分たちの子供と同じベットで寝かせた。
「そういえばあれでもまだ全力じゃないらしい。狼になるともっとすごいらしいぞ。師匠がいない時はなることを禁止されているけど」
「見ていましたけどあれよりもすごくなるんですか。凄いですね」
「まぁおれが子供の頃の方がもっと凄かったがな!」
「はいはい。凄いですね」
雑に返事されてしまった。残念。
その後ものんびりと2階の居間で晩御飯の準備を手伝っているときだった。
突然寝室のドアが開いて、ウルが飛び出してきた。
嫁が相手しに行ったので俺は手伝いを進めとくか。
「どうしたの ?ウルちゃん?」
「パパがかえってきた!」
「パパ?まだ家にいないけど」
「パパのにおいがする。」
「匂い??」
ウルの言うことが気になりあたりの気配を探ってみた。
「ほんとだ。帝都の近くまで帰ってきてるわ」
「ウルいってくる。パパにあいにいく」
そう言って窓から飛び出した。
「きゃーー!」
「えちょっと待て!今はやめた方がいいぞ!」
俺も全速力で窓から飛び出した。
「あれ?いない?」
下にウルの姿がない。まさか上か?
無理やり屋根に飛ぶと、屋根の間を飛び越えながら走っているウルがいた。
「まじか!ちょっとウルを捕まえて来るわ。家事は任せた」
勢いよく走り出すと踏み込みで屋根をぶち抜くので加減しながら走った。
そのせいだろうか。
「追いつかん!ほんとどんな鍛え方をしたんだ!」
先程辿った気配が正しいと帝都の外にはちょっと出ない方がいいのだが。
一向に差が縮まらないまま帝都の端の方まで来てしまった。そして2階の高さからなんの躊躇もなく飛び降り、そのまま帝都の外に走ってしまった。
「ええい!こっちもなりふりかまっていられん!」
すぐに地上におり、安全にかつ全速力で追いかけた。
予想通り人がいっせいに帝都に流れ込んでくる。それを避けながら俺は急いだ。
「いた!」
何とか帝都の外に出た時ウルは100メールほど先にいた。その先1キロメートル程先に師匠はいるが。その間に。
「今はそれどころじゃない!」
全速力で走り、すぐにウルを捕まえて引き返した。それと同時に。
「魔道砲、撃てーーーーーー!!!!」
「魔導壁、発動!!」
ドーーーーンとあたりが震えるほどの音と同時にドカーーーンと鳴り響き凄まじい爆風が襲ってきた。
俺は壁に間に合わなかったのでその場で全力で踏ん張った。ウルを抱えて。
ぶっちゃけウルなら吹き飛ばされても大丈夫でな気がするが。
なんでここで喧嘩してるんだ、紅の海賊団と蒼熊団は。
衝撃で舞い上がった砂埃が収まると浮いている船と自動で進むことができる四輪の家みたいな乗り物が姿を表した。
紅の海賊団
言わずと知れた最強の海賊団。500メートル級の鉄の船なら簡単に沈める魔物を撃退できる魔道船を保有している。
船の数は総勢20船と言われている
蒼熊団
海に紅あれば陸に蒼あり と言われるほどの盗賊団。
あまりにも強力かつ強大のためもはや盗みはしない。
商人の移動の護衛や肉を得る為に狩った魔物の素材を売ってお金を集めている。
「蒼熊?たしかにあいつらは怖いが金を出せば大丈夫。むしろ金で絶対の安全を買えるんや。」とある商人より
僕が異世界シリーズで絶対したくないのが
めんどくさい考え。例えば分子がどうたらこうたらとか
鉛の球をうつ鉄砲。異世界感が消える。
魔道砲は貯めた魔素を打つからセーフということでお願いします。




