ヴァイキング 空の民‐3-
初めて2000文字書いたかも。
▪️▪️▪️ バサース島にて▪️▪️▪️
ヴァイキングの住んでいる島『バサース島』に来てから1週間がたった。
ヴァイキングのリーダーの好意で空き家を一軒借りて過ごしている。
1週間ほど一緒に過ごすと彼らの生活習慣がよくわかった。
軽く、彼らの一日を話そう。
まず、起きるのが遅い。太陽が登りきって、もうそろ頂点にくるぞ、という時間に起きてくる。
そして、島に一つだけある大きな食堂に行く。ここでみんなが飯を食う。朝から肉とか重くないか?
そのあと仕事に行く。ただ仕事といってもシープの世話か、鍛冶しているか、木を切って運んでいるかしか仕事がないのかな?
そして日が沈む前に仕事が終わる。
だってシープの世話と言っても、シープが朝と夕方数が減ってないか確認するだけで、基本放飼にされている。
鍛冶だってドラゴンに乗るための道具を10個ほど確認して、微調整する。そして終わった部品はほかの部品がたくさん入っているカゴにポイしておしまい。
木を切る人たちも近場の林に行って、木を切っては担いで持ってくる。そして持ってきた木の幹はたくさん気の幹が置かれているところにポイしておしまい。それを5回ほどする。
それからまた食堂に行ってお酒飲みながらどんちゃん騒ぎをする。
そして太陽が沈んでしばらくすると家に戻り寝る。
ずっとこの生活を繰り返しているのだ。
「ここの集めた木はどうするのか?」
俺は木を切っていた奴の手伝いをして不思議に思ったことを聞いた。
木が一定の場所にたくさん集められているからだ。
「とうするって言われてもどうもしねぇよ。使うやつが勝手に持っていくからな。」
「それでいいのか?お金とか貰わないのか?」
「お金?んなもんいらんだろ。俺はほかの奴らのために木を持ってくる。ほかの奴らは俺のために飯や道具をくれる。それでいいだろ?」
確かに。みんなで住んでいるのか、ここの島の住民は。
「しっかし、これだと少し足りんかもしれん。お前さんもちょっと来てくれ!」
「別に構わないが木が足りなくなるのか?ずいぶんあるように見えるが。」
20メートル近くの木の幹が50本ほどあるのだが。
「ああ、もうすぐレースの時期だからな。」
「レース?他の人とスピードを競うやつか?それでなんで木が必要なんだ?」
「何?お前さん知らんのか。ならまだ知らんでいい。もうすぐわかるしな。」
結局教えてもらえなかったまま木を5本ほど運ばされた。
▪️▪️▪️バサース島 数日後にて▪️▪️▪️
と言われて数日後、レースがなんなのか判明した。
ドラゴンレースだ。
ドラゴンに人が乗り、スピードを競うもの。
島の周りに設置されている3つのドラを鳴らしてスタート地点に戻るというルール。
ここまでなら普通のレースだが、これでは木が必要にならない。
なぜ、大量の木が必要かというと
禁止事項 武器の携帯
これのせいだ。武器を持たなかったらなんでもOK。
ドラゴンが魔法を使おうが、取っ組み合いを始めようが、武器を持たなかったらなんでもあり。
このせいで時々、ドラゴンが飛ぶ制御をなくし、落ちることがあるとか。誰かに家に落ちることなどザラにあるとか。
「それは大丈夫なのか?」と思ったが
「その程度で怪我をするほど俺たちはやわじゃない」とのこと。
むしろ落ちたんなら派手に壊せとのこと。
「落ちた奴のこともそうだが、壊した家は?」
「後で直せばよかろう?」
どうやら、相当価値観が違うらしい。
家が寝るだけの場所であることもあってバサース島の住民はあまり家を大事にしない。
壊れたら直す。むしろ壊すなら跡形もなく壊して欲しいらしい。
▪️▪️▪️バサース島 ドラゴンレース当日▪️▪️▪️
この日だけはなぜか全員が太陽と共に起きて相棒のドラゴンと調節をしている。
どんだけガチなんだ?俺は食堂の手伝いをしてから、レースを見る場所を教えてもらいそこに向かった。
島の一番標高が高いところだ。
本格的に太陽が登り出した頃、調整を終えた人たちがやってきた。全員ドラゴンに乗ってきている。
確かに居住地から島の中心地までは少し遠かったからな。
ドラゴンが一堂に集まる絵はなかなか壮観だ。
しかもお互い喧嘩もしない。1匹1匹ドラゴンを眺めていたら、突然『ブオーーーー』と笛が鳴った。
どうやらレースが始まるようだ。
事前に聞いておいたからわかったのだが、最初のレースだけは3周するらしい。全員のドラゴンが風の魔法を使いかなり加速して飛ぶからだ。
どうやら5匹だけらしいな。
このレースの優勝候補は一番早いスピードが出せるドラゴンか、長年このスピード特化のレースで競い合っている、歴戦のドラゴンかと言われている。他には今回が初レースの青年が乗るドラゴンやその体型でスピード特化なのか?とおもわれる丸っこいドラゴンもいた。
『ブオーーーーーーーーーーー』多くの人が盛り上がっている中、スタートの合図が出された。