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荘厳な玉子  作者: 丸山 純一
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○○系ラーメン等と流行りのラーメンが大挙してきて、ラーメン屋の値段も上がった。


川島は中華街の有る横浜出身なだけにラーメンにうるさい。


だが、一番うまいラーメンが一位なら間違いなくカップラーメンが一位だろう。

一位にかけているわけでは無いが市井は別の、今日支払日の客に頼まれ、支払い+再貸しに出掛けた。

こちらの昼飯がラーメンなのと偶然に市井の再貸しに出掛けた顧客はラーメン屋であり、それこそ○○系等と謳うラーメン屋の大挙の煽りを受け、売り上げは落ち資金繰りに詰まっていた。

通常大東信販(ウチ)は一週間で10割の利息だが、自営等にはトイチ、トサン程度でまとまった額を貸しており、そのラーメン屋も10日で3割の利息を払い凌いでいた。


カップラーメンを食べ終わり、まだまだ熱い残りの汁を小松の頭からぶっかけ、縛り付けたパイプ椅子ごと、横倒しに蹴り飛ばした。

カップラーメンの容器を捨てに行くのも面倒なので、歯が折れ、サンポールで爛れ出血している小松の口に軽く丸めて突っ込み蹴り上げた。


川島は小松を連れていく次の目的地にアポを取りながらカップラーメンの昼食を済ますと、割り箸をへし折り小松の眼球に近付け迫っていた。


だが、小松は支払えない待って下さいすみませんを連呼している。


「目玉は潰すなよ、売れるから。」

の自分の一言に、川島は嬉々とし頷き、小松は青ざめ首を振った。


小松は大手広告代理店の社員だった。

だが、身の丈を考えずにアパレルアクセサリーにはまり、ショッピングローンで借金を覚え、同時にそのアパレル店に嵌められキャバクラに通い詰めた。

アパレルとキャバクラは一見畑違いの業種に見えるが、アパレルで店員が接客販売し、個人売り上げを増やし店に貢献する図式はキャバクラ嬢の業務と大差は無い。

クソみたいなダイヤに希少価値を擦り付け、嘘八百で売り付けるアパレル店員と、褒める箇所が皆無に等しい客のルックスを国が迎賓したゲストかの如く褒め契るキャバクラ嬢は似て等しいものだ。

小松もそうだが30そこそこの一人ものの男で、良い年してアクセサリーに金をかけている様な輩は女性に免疫が無い。

つまり、童貞のパターンが多い。

小松の通うアクセサリーショップはキャバクラと通じており、店で売りつける物が無くなったレベルの客を店長が接待の様にキャバクラに連れて行き飲ませ、後から連絡するキャバクラ嬢が色恋に持っていきペアリングをねだる。

小松は特上のカモとして重宝され、丁寧に調理された。

当然ペアリングの相談はアクセサリーショップにいき、フルオーダーで作るからと、ヤミ金融も真っ青な原価20倍の利益を乗せられ販売される。

キャバクラ嬢にはマージンが入る。という仕組みだ。


という仕組みを知らない幸せな小松がペアリング代金作りに奔走し更に借金街道を踏襲し、ヤミ金融の重い扉を開くまでに時間はかからなかった。




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