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第十七話『情報収集』

  昨日から丸1日かけて俺はアルカナについて調べていた。流石に1日中パソコンの画面と睨めっこでは流石に疲れが溜まっている。だがあの地獄のカラオケに比べたらかわいいものである。ここまでで分かったことはこの世界にはアルカナもタロットも文明としては存在していない。武装能力組織アルカナという組織の情報も出回っていない。武装能力組織アルカナは子供でも戦力として取り入れるということはまだ戦力はない、つまり出来たばかりの組織という可能性もあるだろう。だとすると能力違法使用対策局が対応できていないのも納得がいく。そして直接関係があるかは分からないが元の世界のタロットについて調べていた。番号は7、意味は援軍、摂理、勝利、復讐、タイトルは戦車、大アルカナにはそのカードがあった。大アルカナには0を含め22の種類のカードがある。まさか戦力を集めて四天王ならぬ二十二天王でもつくる気なのだろうか。だとすると益々ここで潰しておかなくてはならない。戦力が増え、倒せなくなる前に。

 ある程度情報収集が進んだところで休憩を含め報告会をファミレスで行うことにした。最初に自室にいた俺と夏海、鈴がファミレスに入り、幸嗣と唯美を待つ。夏海と鈴はすっかり打ち解けた様子で鈴の顔には笑顔が浮かんでいた。まるで家族だと言われてもおかしくないくらいな関係だった。ファミレスとはファミリーレストランの略であることは言うまでもない。だがしかし、ファミレスがもしも正式名称になるとどうなるだろうか。ホームレスが家がない人のことを言うならばファミレスとは家族のいない人のことだろう。そしてそれがレストランという事なら家族がいない人が使うべきレストランということになる。そして家族がいない俺はファミレス客の模範となることだろう。Q.E.D.証明終了。と謎の証明を終えドリンクバーでも頼もうかと思った時に幸嗣と唯美が店内に入ってきた。手招きをし居場所を知らせ疲れている様子の2人が重いため息をつきながら席に座る。


「2人ともお疲れー。調査報告は後にしてとりあえず今は注文しよー。」


夏海の意見には賛成だ。何せ俺は今日一日ご飯を食べていない。今にも空腹で倒れてしまいそうだ。

俺達は注文を済ませ、あとは待つ、ひたすら待つだけだった。この待ち時間に調査報告をしようと唐突に始まった調査報告会、最初は唯美と幸嗣、つまり外に聞き込みに行っていたチームが報告した。


「俺達は最初に二手(ふたて)に分かれて、俺は学校周辺、唯美は文の家周辺の人々に聞き込み調査をした。学校周辺は誘拐されたのが5月というのもあってか誰も見た人はいなかった。後は唯美よろしく。」

「はい。私が調べた文さんの家周辺でも見た人はいませんでした。」

「手掛かりなしか。」


まぁ5月に誘拐され今は8月だ。覚えていないのも無理はない。逆に覚えていたら記憶力化け物かよって思ってしまう。いやそういう能力もあったりするのか?


「いや、それがそうでもないんだ。俺が学校内にも調査に行った結果、第五高校に室森文という人物は存在していたという記録がない。名簿にも載っていなければ席もない。アルカナによって最初からいなかったことにされているんだ。」


いなかったことにされている?まさか七森文に関する記録そして記憶も改竄(かいざん)さているのか?いや、だとしたら何故七森鈴には何故七森文の記憶があるんだ?もしかしたら...

俺は一日中鈴と会話していた夏海に質問する。


「夏海、鈴に能力はあるか?」

「え?うーんと弱体無効の能力があるよ。」


そういうことか。要するに鈴の能力はデバフ無効だ。その能力のおかげで記憶改竄から逃れられたのだろう。これで全ての辻褄が合う。これはアルカナ側のミスなのだろうか。いや、この世界に来て間もない俺でも分かったことをこんな大胆な事をする組織が分かっていないわけがない。ということは、もしや...


「まぁとりあえず俺が調べた事を報告する。アルカナの情報はインターネットにもあまりなく、少ない情報の中から見つけるしかなかったのだが、そこで気になる情報を見つけた。説明するより見てもらった方が早い。これを見てくれ。」


俺が見つけだした。一つの記事をスマホに表示させ、皆に見せる。そうすると皆は少し驚いた顔をする。その写真は元の世界ではありえない光景で俺もその記事を見つけた時「えっ」と声に出してしまった。

そこには塔が浮いていた。ピサの斜塔のような塔が浮いていたのだ。

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