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初めまして、私は勇者の…。【連載版】  作者: 徒然草


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16/19

16.孤立する勇者1

 アスランと話し合いをする回になります。今までで一番長く続くと思います。


「アスランッ!!」


 アスランが何時ものようにアリーの居場所を探す為に聞き込みをしていると、何処か興奮しているかのようなリリアンの声が聞こえた。


「ん、リリアンどうしたんだ?」


 アスランが不思議そうに声のした方を見ると、リリアンだけでなくダンとブルーノも駆け寄って来た。


「アリーさんを見つけたわ!!」


「…え?」


 リリアンの言葉に反応出来ず、アスランは固まる


「あ、アリーが見つかった!!?」


「あぁ、間違いないぜっ!」


「…間違い、ないのか?」


 ダンが頷くと、アスランの瞳は輝いていく。だが、まだ完全に信じられない様子だ。


「…先ほど、アリーさんと実際に話をしました。だから、今度こそ間違いありませんよ。」


「っ!? そ、そうか…そうかっ!!」


 ブルーノの言葉にアスランは笑顔を見せて嬉しそうに笑った。


「そ、それでアリーは何処に居るんだ!!?」


「アリーさんは丁度先ほど仕事が終わったそうです。アスランがアリーさんに会いに来た事を話したら、会っても良いと言ってくれました。」


「っ、あぁ、良かった…。」


 アスランは本当に嬉しそうに、小さな子供のように微笑んだ。


「それじゃあ、今すぐ行きましょうか。」


「あぁ。」


「行きましょう、アスラン。」


「ああ! 行こう!!」


 3人がアスランに声をかけると、アスランは元気よく返事をした。リリアン達はアスランの前を歩き、アリーの元へと先導した。





◇◆◇



「ここでアリーと待ち合わせをしているのか?」


 アスランが案内されたのは、アリーの働いている喫茶店だ。当然アリーが働いている事をアスランは知らない。


「ええ、この辺りを歩いていたらこの喫茶店に入ろうとするアリーさんを見つけました。…自信はありませんでしたが、もしかしてと思って声をかけてみたら、アリーさんだったんです。アリーさんは時々仕事帰りにこの喫茶店に寄る事があるそうですよ。」


 アリーがこの喫茶店で働いている事は、念の為秘密にしてブルーノはアスランにそれらしい嘘を話した。


「仕事…アリーは何の仕事をしているんだ?」


「…私達が分かるわけないでしょう。ほらアスラン、早くアリーさんと話しましょうよ。」


「あ、あぁそうだな。アリーに聞けばいい話だもんな!」


 リリアンが喫茶店に入るように促すと、アスランは頷いて扉を開けた。


 カランッ、カランッ…


「いらっしゃいませー。」


 鐘の音と共に、この店のオーナーの声が響く。アスランは奥の席に目を向けると。


「っ、あ、アリーッ!!」


 アリーはすでに座っており、無表情でアスランを見ていた。アリー以外の客は誰もおらず、この場にはアスラン達4人とアリー、オーナーと従業員の女であるサヨしか居なかった。


「アリー、心配したよ…。」


 アスランがアリーに駆け寄っていくと、リリアン達はサヨを見た。サヨは無言で頷くと扉を開けて外に出た。


「ずっとこの街に居たのか? 本当に会えて良かったよ。俺、ずっとアリーに謝りたくて…。」


「取り敢えず座ったら?」


 アリーはアスランの言葉を遮り、素っ気ない態度を取った。アスランは喜びの表情が一瞬消えたが、すぐに笑顔を取り繕い頷いた。


「あ、あぁ…そうだな。」


 4人がけのテーブルの椅子にアリーとアスランは向かい合うように座る。

 リリアン、ダン、ブルーノの3人は少し離れた4人がけのテーブルに着き、アスランとアリーの様子を伺う。


「ご注文はお決まりですか?」


「私はアイスコーヒーをお願いします。」


 オーナーが声をかけると、アリーは注文票を見ずに注文する。アリーはこの店の常連らしいからと、不思議に思わずにアスランは慌てて注文票を見た。


「えーと…俺はアイスティーをお願いします。」


「畏まりました。」


 アスランが注文した後、オーナーはリリアン達を見た。


「私はカフェオレをお願いします。」


「僕も同じで。」


「俺も同じで宜しく!」


 アスランは3人の注文を聞いて、思わず3人の方を向いた。リリアンはよくカフェオレを飲んでいたから不思議ではないが、ブルーノはブラックコーヒーを好んでいるし、ダンはコーヒー系の飲み物は頼まずにジュースや酒ばかり飲んでいた。

 珍しいなと思い、アスランはブルーノとダンを不思議そうに見た。


「今、喉がとても渇いているの。話は飲み物が来てからにして頂戴。」


 アリーの声に、アスランは3人から視線を外してアリーを見た。


「わ、分かったよ。」


 本当は今すぐにでもアリーに話をしたいアスランだが、機嫌を損ねてアリーと邪険な空気にしたくはない。少しの辛抱だと思い、アスランは頷いた。アリーはアスランが頷くのを見た後、目を伏せてアスランから視線を外した。


 カチャカチャと、オーナーが飲み物の準備をしている音だけが喫茶店に響く。


 カランッカランッ…


 鐘の音が響き、アリーとアスランは扉に目をやった。喫茶店に入って来たのは先ほど外に出ていたサヨと、


「っ! お、お前は…!」

 

「…よう、久しぶりだなアスラン。」


 嫌味ったらしい笑顔を見せるバロウだった。アスランは席を立ち上がり、バロウを睨みつける。



 喫茶店の看板は、Closed(閉店)となっていた。



 結末の予想はついていると思いますのでタイトルは分かりやすくしました 笑

 段々とこの話も終わりに近づいております。バロウの話は最後にまとめ的な感じで書こうと思います。


 もし宜しければ最後までお付き合い宜しくお願いします。

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