表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
底辺と呼ばれた魔術師が、最強のロリっ娘魔術師を育てることになりました。  作者: 南郷 兼史


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

55/60

第五十五話 目覚め

*



「はっ――!?」


 何かに触れられ咄嗟に飛び起きる。

 ……しかし、その反動で左腕が()ってしまった。


「いっ…たい……」

「もう、いきなり起きないでよ! びっくりするじゃん」


 そこには、手当てをしているジャーダの姿があった。

 臭い的に、ここはジャーダの部屋だな。蝋燭に火が付いているし夜であるのは間違いない。

 少しあたりを見回すと、机に寄っかかっているメルクリオの姿があった。

 ……夢で良かった。でも、普通に気持ち悪くて吐きそう……。


「まぁ、目覚めてくれる分には何も問題ないからいいんだけどさ。あまりにも来るのが遅いから薬草園に戻ってみたら、ヒイラギモドキに絡めとられてるし魔術師としてどうなの? 有名な植物なんだから――」


 ジャーダの説教の最中であったが、吐き出さずにはいられずそばにあった壺に吐瀉した。

 口の中が苦酸っぱいし、吐いても余計に気持ち悪くなる……。


「あぁ、吐けた? 吐くのは正常だから良かった。あと3回くらいは覚悟してね」

「は……辛い……」

「毒を抜くためだからしょうがないよ」

「もう少しまともな医療提供をしてくれ……」

「ヒイラギモドキに引っかかる人間なんてあまりいないから、治療法がよく分かってない。許せ」


 メルクリオが煙管を吸いながら気だるげに会話に割り込んできた。


「おー! メルクリオが喋ったよ!? さっきまでわざわざ紙に書いて指示してきたくせに。やっぱりディマがいれば喋るんだにゃあ?」


「いいこいいこ」と言いながら、子供を愛でるようにしてメルクリオの髪を撫でている。

 凄い不機嫌そうな顔をしているが、親猫のように必死にこらえている。


「……黙れ。そして触ってくるな」

「えー、これでも()()()()()()()()()()()だよ? いいじゃん」

「はぁ……アルジェントの厄介者が揃うと殺したくなる」

「そんなこと言わないでよー? 僕はみんな大好きだよ?」

「目に見えた嘘をつくな。全く……」


 仲が悪いのは事実だろうが、案外この二人はやっていけそうだよな。分野的にも近いし。

 性格的には真反対でも、気が合う奴ってごく稀にいるよな。


 そういえば、アンヴィの姿がない……?


「……アンヴィは大丈夫なのか」

「あぁ、幸いにもとげが深部にまで到達してなかったからすぐ目覚めたよ。今はフラックスのところにいるんじゃないかな」

「それなら良かった……」


 その言葉と同時に力尽きて倒れこむ。

 目は回るし吐き気は収まらないし、これなら死んだ方がマシだ……。


「あーあ、ディマが死んじゃったよー」

「夢の中でも死んでただろうがな」

「まぁね? ヒイラギモドキに刺されたら悪夢を見るっていうから、どんなものか聞きたいところだけど」

「……ろくでもないだろう」

「あれ、メルクリオって夢見るの? そもそも寝てるの?」

「……煩い。本当に煩い。俺は()()()とは違う」



「痛いって! 髪は引っ張らないでよー!」とジャーダが喚いている。

 じゃれ合える気力があっていいな……。僕はこの段階で5回くらい死んでいる気がする。


 突っ伏しながら彼らの会話を聞いていたが、これといっていがみ合っているような様子はなかった。

 なんだ、普通にしゃべっているじゃないか。

 あれはどう見ても本物のメルクリオだ。水銀で作ったもどきではない。

 あの煙管だけは肌身離さず持っているもんな。理由は知らないけど、昔からやたら気に入ってるものだ。

 一回口火を切れば話すんだな……。アイツにしては意外すぎる。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ツギクルバナー
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ