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【書籍化&コミカライズ】女神から『孵化』のスキルを授かった俺が、なぜか幻獣や神獣を従える最強テイマーになるまで  作者: まるせい
五章

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第246話 災厄の封印が解かれた

 深夜のエルフの里に警鐘が鳴り響く。


「何事なの⁉︎」


 その音で目を覚ましたメリッサは、近くを走り回っていたエルフの少女に何が起こったのか聞いた。


「そ、それが……巨大なモンスターがこちらに接近してきているそうですっ!」


「何ですって⁉︎」


 おそろしい事実にメリッサは大きく目を見開く。


「とにかく、避難しないと……」


 青ざめたセリアは兄から預かった魔導具を抱く。これだけは絶対に守らなければならない。


「モンスターの移動速度が早く、このままでは逃げ切ることは不可能です!」


 悲痛な声を上げるエルフたち。散り散りに逃げれば何名かは助かるかもしれないが、深夜の森は危険だし、モンスターが追いかけてこないとは限らないので対処しなければならない。


 つまり、誰かがここに残って足止めをする必要がある。既にその人間が決まっているのか悲痛な表情を浮かべているエルフが見える。


「客人には護衛をつけます。お逃げください」


 その言葉に、幾分ホッとするメリッサとセリア。


「だけど、私たちは本来足手纏いのはず」


 俊敏なエルフであればセリアとメリッサを無視すればより大勢の命を生きながらえさせることができる。


 セリアとメリッサに護衛を割くことで犠牲を増やすことになる。


「それも我々の義務ですから」


 既に犠牲を込みで考えているらしく、真剣な表情を浮かべる。


 エルフの護衛がいれば自分たちの安全は限りなく保障されているだろう……。


「それでも、兄さんなら……」


 きっと誰かを見捨てる選択を取るとは思えない。


 セリアは手の中にある魔導具を見ると……。


「皆さん聞いてください!」


 急いでエルフを集め、ある提案をするのだった。




 ★


「大変なことになったわ」


 長老会議堂は蜂の巣を突いたかのような騒動になっていた。


 突如出現した巨大なモンスターにどのように対処するべきか、近隣の住人の避難を促すため人を向かわせなければいけない。


 会議室には各部族の長老が集まっており、俺も同席させてもらっているのだが、外部の人間が口を挟むわけにもいかず、今はことの成り行きを見守っている。


「わかりましたっ!」


 しばらくして、エルフの少女が入ってくる。


「あれは五百年前にこの地に封印された伝説の霊獣『エレメントヒュドラ』です」


「馬鹿な! 御伽話の存在ではないのか?」


 驚く長老たち。五百年前ともなると当時を知るものはいない。


「出現地点は祠。封印が解けたのではないかと……」


「なぜそのようなことになったのだ……」


 これまで平穏な時間が続いていたのに、突如化け物が現れた理不尽について皆が嘆いている。


「おそらく、私たちが立ち入ったからです」


 シアンの透き通った声が響き、その場の全員が彼女に注目する。


「私たち兎人族は、禁忌とされる祠の近くまで立ち入り、そこでスイレーンを密猟していました」


「何と! 立ち入り禁止区域に入っただけではなく、採ってはならぬと言われているスイレーンを採ってしまったのか⁉︎」


 おそらく、その場所でのスイレーンが採取禁止なのは過去にその祠に化け物を封印した英雄が言い残していたからだろう。


 永い年月を経て、理由が伝わらず禁忌だけが残った。兎人族は自分たちの行いがそのような事態になると気付かずスイレーンを減らし続けた。


「それだけではありません、今市場に出回っている『テンプシーハート』は私が作りました!」


 罪の意識に苛まれたシアンは自らの行いを長老たちに告げる。


「テンプシーハートの材料にスイレーンが必要だったからです!」


「シアン! 黙れっ!」


 コニーさんが焦り声でシアンを黙らせようとする。


「もう嫌なんですっ! 私たちがしたことのせいでサイラスは無茶苦茶になりつつある。それでも長老は止めてくれないじゃないですか!」


 シアンが涙ながらに訴えるのを聞き、俺とエレオノーラさん。そして他の長老たちは争う二人を見るのだった。


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