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【書籍化&コミカライズ】女神から『孵化』のスキルを授かった俺が、なぜか幻獣や神獣を従える最強テイマーになるまで  作者: まるせい
五章

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第242話 シアンのお願い

「お待たせ」


 待ち合わせ場所に着くと、シアンが待っていた。


「私も今来たところです」


 彼女はそう答えると見惚れてしまいそうな笑顔を向けてくる。


 周囲の人たちはそんなシアンの顔に心を奪われた様子。


「それで、話したいことって?」


 彼女は狩猟大会の最後に俺にそう言った。


「今回の水害の件、ありがとうございました。こんなに早く集落に戻れるようになったのは、クラウスさんの御力のお蔭です」


 両手を前で組み深々と御辞儀をする。


「いや、俺がやったのはそんなたいしたことじゃないし……」


 モンスターを倒したりスイレーンの種子を孵化させたのは間違いないが、人手や時間さえあれば誰にでも可能なことだ。


「そんなことはないです。クラウスさんのお蔭でキャロルちゃんは自由に生きられるようになりましたし、何より私の部族も……」


 気が付けば顔がシアンの顔が近付いてきている。


「あっ……」


 至近距離で目が合った。


「すみません、私ったら」


 シアンは頬を赤く染めると顔を逸らした。


 これまでは距離が近く戸惑っていたのだが、こうして恥ずかしがる姿を見ると逆に違和感がある。


 彼女はしばらくこちらをチラチラ見たかと思うと「よしっ」と覚悟を決めて切り出してきた。


「実はクラウスさんにお願いしたいことがありまして……」


「俺でできることなら構わないよ」


 俺がそう返事をすると……。


「私たち兎人族の集落に来ていただけないでしょうか?」


 彼女はそう懇願してくるのだった。




 ★


「兄さん、今頃シアンさんと会っているころでしょうか?」


 エルフの里に向かう馬車の中でセリアは兄の様子を気にしていた。


「何よ、未知の魔法よりクラウスが気になるわけ?」


 そんなセリアにメリッサは視線を向ける。


「いえ……そうではないのですけど、あれもまだ届かないですし」


 エルフに直々に魔法を見せてもらうというのは、ステシアで生きていてもなかなか機会を得られないことだ。


 メリッサは何が何でも奥義の一旦は持ち帰るつもりで気合いを入れていると言うのに、セリアはそうではない様子。


(そういえば義理の兄妹だっていうけど、二人の関係性ってどうなのかしら?)


 自身も宮廷でクラウスとの男女仲について噂される立場のメリッサは、クラウスとセリアの仲について考えてみる。


 一緒に旅行をしてみて分かったのは、クラウスはセリアのことを完全に妹だと思っており、メリッサのことも妹の友人くらいの距離感で扱っている。


 セリアの方は、兄として接しているようにも見えるのだが、それにしても距離が近く、見知らぬ異性がクラウスに接触すると眉根を曲げてみせた。


(実の兄を盗られそうで嫉妬してるのか……あるいわ……)


 もし異性として好意を抱いているのなら、早めに気付くべきだとメリッサは考えていた。


(正直なところ、クラウスって結構モテるのよね)


 将来有望な新進気鋭の貴族だし、誰にでも分け隔てなく優しく接することができる。


 オリビア王女やシャーロットなど、国内でも人気が高い女性とも親しく、メリッサの親友のロレインやルシアとも仲が良い。


 加えて、国家冒険者にして多くの後見人を集めた人気者のキャロルにも懐かれている。


(オリビア様からは、ハニートラップに引っかからないようちゃんと見ておくように言われてるけど……)


 クラウスがステシアにとってなくてはならない人材というのはメリッサも理解している。


 もし、彼を外国に取られたらクラウスの従魔も出ていってしまう。


 それは国にとって最大の損失となるので、何が何でも防ぐようにと。


「まっ、あいつなら放っておいても構わないだろうけど……」


「何か言いましたか、メリッサさん」


 何せ、あれだけの美少女が周りにいるのにそういう反応を見せないやつだからだ。


「何でもないわよ」


 別にクラウスと恋人になりたいわけではないメリッサだが、まったく異性として意識されないのはそれはそれで腹が立つ。


「まもなくエルフの里に到着します」


 御者台に座るエルフの少女がそう告げると、


「これを贈ったらあいつどんな顔するのかしらね?」


 メリッサはクラウスの反応を想像して笑みを浮かべるのだった。

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