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声劇台本集  作者: てきてき@tekiteki


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3/4

キュンマグ

A:クラスの中の男女が、突然仲良くなる現象に...

A:なんと名前を付けようか。

A: 「キュンキュンマグネット」略して「キュンマグ」

A: こんなもんでいいかな...なんて。

A: そうだな...あの夏の...あれが、そうだったのかな...。

AM: 僕はどちらかというと、クラスの中でもちょっといじられ役って感じだ。

AM: でも、なんでだろう。クラスの中でも数少ない女子であるBだけは、

AM: からかってくるのに、嫌じゃなかった。

AM: いや...今思えばむしろ...ちょっと嬉しかった。

AM: 高校一年生の夏、

AM:ちょっとだけ同級生のBと仲良くなった気がする。

AM: 近くの席になって、ゲームやマンガ、

AM:アニメの趣味が似てたからかな。

BM: なんか最近、Aが話かけてくる様になった。

BM:マンガにゲーム、他愛のない話だけど。

BM: このクラスは特殊で、三年間クラス替えがない。

BM:つまり同じメンバー。

BM: まぁ、色んな人と友達になるのは、

BM:無事に三年間過ごす為にも、悪い事じゃ無い。

BM: 私も、嫌々相手しているわけでもなく、

BM: 高校生特有の、世間話ってこんなもんだよね。

AM: そんなある日、BからLINEが回ってきた。

B: 友達の誕生日が来週なんだよね。

B: なんかさ、彼女が喜びそうなもんあるかなー?

A: ショッピングモールを回ればさ、

A:色々おしゃれなものもあるし、

A: なんかいいもの見つかるんじゃない?

B: それもそうだね。でも、何がいいのかなー。

B: 可愛いやつがいいと思うんだよね。

B: ただ...あんまり高い物も買ってあげられないし。

A: じゃぁ、僕、付いて行こうか?

B: 何? 一緒に行ってくれるわけ? オッケー。

A: 週末空いてる?

B: 週末ねー、日曜日の午前中なら、大丈夫。

A: じゃぁそれで。

0:(短い間)

AM: ……これって、デートじゃないか? これって。

AM: いや、多分違う。違うけど...。期待するなよ!僕。

0:(B宅にて)

B: なんかさー、Aが友達のプレゼント選び手伝ってくれるらしいから、日曜日モール行ってくるよ。

母: えー? A君って、クラスのいじられ役の?

B: うん、いつも話してる。

母: 男の子でしょう? 彼氏なの? デートしてくるのね?

B: なんでそんな事になるの? プレゼント選ぶだけだって。

母: さーねー。ま、遅くならない様にね。

B: ほんっと、お母さんってさ……

0:(短い間)

BM:そう、Aはただの友達なのに。からかって楽しい、ただのクラスメイト。

0:(短い間)

B: おお〜もう着いてるじゃーん、早ーい。

A: 待ち合わせに遅れるのは、やっぱりダメだろうしな。

B: いい心掛けじゃん。

AM:こうして笑ってくれるだけで、嬉しくなるなんて。

A: 茶化すなって。で、ある程度目処がついてるんだよね? プレゼントって。

B: あの子はねー、あのブランドが好きなんだよねー。

A: あの、結構人気あるやつだよね。

B: なんでAが知ってんの?

A: おいおい、さすがに、それくらいわかるって。

B: そうかそうかー。えらいえらい。

A: おいおい、馬鹿にしてるだろー。

B: まぁまぁ、そんな”おいおい”言わないで、ね。気にしないでー。

AM:”気にするな”...か。そんなの無理だよ。

AM:だってBが笑うと、全部許せちゃうんだよな。

A: もういいよ。時間ばっかり過ぎちゃうよ。

A: 時間もったいないだろ?早く行くよ。

B: オッケー...って、店の場所わかるの?

A: わかるよ。さすがにこの辺の高校生なら、

A: このモールの中の、店のラインナップくらい覚えてるだろ。

B: えらいえらい。ほめてつかわそう。

A: またそうやってー。

B: はいはい、ごめんて。そんじゃ行こうか。

AM: 仲がいいなんて。僕だけ、勘違いしてるんじゃないか。

AM: でも、Bと歩くこの時間だけは、紛れもなく「特別」だ。

A:ここ右だよー。あの先に...いないじゃん!

B:うわー!これかわいい!こんなのあげたら喜ぶよ!

A:なぁにしてるんだよー。

B:良いと思わない?これかわいいよね。

A:かわいいけど、目的違うじゃん。

B: そっかそっか。それもそうだね。

A:とりあえず、プレゼントを選んでから回ろうよ。

B:そっかそっか。それもそうだね。

A:そんでここを、抜けると。またいない...。なになに?

B:へー、なんか、スイーツフェアやってるって。

A:スイーツね、後で食べようか、後でね。

B:はーい、わかりましたー。

0:(短い間)

A:はーい、着いたよ。

B:案内、ありがとう。ではここで。

A:おいおい、俺は案内役かよー。

B:なーんちゃって。ね。

AM:そんなことされたら、また許しちゃうだろうがー。

A:だいたい、決まってるんでしょ?

B:そうなんだよねー。あとは、色を選ぶくらいかなー。

A:何色がいいのか?までは知らないからな。あとは自己責任で。

B:はいはーい、わかりましたー。

AM:結構、真剣に選んでるなー。あんな真剣な顔もするんだな...。

B:これに決めたー!あなたが、あの子のおうちにお嫁に行くのよーなんて。

A:女の子なの?これ。

B: 知りませーん。

A:相変わらず、調子いいよなー。

B:レジどこかなー?

A:CASHERって看板かかってるから、あそこかな。

B:あーあそこねー、行ってくるね。

A:ついていくって。

B: なんで?

A:何ででもいいだろうって。

B: 荷物持ちね。

A:好きに言ってろ。

B:6800円ね。高校生ならこのくらいでいいでしょう。

A:いいよ、僕払うよ。

B: え、なんで。

A:いいからさ、そのお金でカラオケでも行ってきなよ。

B: いいの?助かるー。Aっていいやつだね。

A:誰にでもこうするわけじゃないぞ。

B: なんか言った?

A:気にするなよ。

0:(短い間)

B: サンキュー。さーて、次はスイーツか!

A:食べ物にしか興味ないのかよ。

B: だっておいしそうじゃん。

A:しょうがないなー

B:いっくよー。あれ、LINE。

A:ん、どうした?

B:あ、お母さんからだ。ちょっと通話。

A:お母さんからか....

B:あ、そうなの?うん、じゃあ、そっち行く。買い物終わったよ。

A:そっち行くって...?

B:ごめーん、用事が出来ちゃった。また今度ね。じゃあね。

A:スイーツはいいのかよ。あー行っちゃった。

0:(短い間)

AM:これを脈ありと見るか、無しと見るか。

AM:恋愛有段者ならすぐに見分けられるんだろうな。

AM:ただ、今の僕には...そんな余裕がなかった。

AM:短い時間だったけど、二人で過ごせたということに

AM:クラスの皆より一歩先を行ったような優越感を感じていた。


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