79話 魔法が使えない俺とボロボロの少女
昨日はいいもの見れたかもなー。
家族愛って言うの?なんか涙腺にくるものがあるよなぁ。
あの花畑は結局、昨日の夜限定開花みたいで、また十五年後に咲くみたいだね。
刹那の輝きって感じ?ロマンチックだなー。
てなわけで、仲直りした親子2人と別れて今は帰りで、ちょっとした森を進んでるところ。
まあまあ感謝されて、村の人はもうカーニバルかってくらいの賑わいを見せながら感謝されたよ。
しかも、めっちゃ高い?村の特産品である魔法の花を束で貰っちゃったから、女性陣は大喜びだね!1人を除いて。
サリスはまだ風邪で辛そうだから、馬車に乗せて俺とアンジェ、ニナ、ミュラは徒歩。
サリスがダウンしてなかったら俺らも馬車に乗ってたんだけど、俺らも風邪を貰うハメにはなりたくないしね。
「この花すごい高いのに、こんなに貰っちゃって!来て良かったですよ〜」
「いい匂いするのです!キラキラしてるのです!」
「見た目も凄いよね〜、あー!結婚式とかのブーケこれにしたいなー!」
「あ!わ!私も!!結婚式この花がいいです!!」
花と結婚って結びつけるもんなんだ?結婚とか全然知らんから、へーって感じ。
あと、2人とも俺にくっついて、見つめながら言うのやめてくれないかなぁ・・・
ニナが何故かずっと俺の背中にくっついて、俺がおんぶしてる状態だし・・・
「ニナ、そろそろ自分で歩いて・・・ん?」
「ご主人様どうしたのですか?」
「3・・・いや4人こっち来るぞ」
遠くから、こっちに向かってくる気配を感じる俺。
1人が先導して、後ろから3人ついてきてるイメージ。これは、追われてるんじゃないか?
「みんな、戦闘体勢」
「ここでですか!?一体誰でしょう?」
「帰りに早々戦闘なんて、ツいてないね!!」
「人の臭いがしてきたのです!」
馬車を止めて、俺、アンジェ、ニナ、ミュラが所定の位置に着いて、来る奴らを迎えうつ算段で!
来た!右の雑木林!走ってこっち来る!
「こ、この!しつこい!!誰か助けて!!!」
先に姿を現したのは、ボロボロの格好にフードを被った青髪の女の子だ!
しかも、所々怪我してるみたいだね。やっぱ追われてるんじゃない?
「おーい!こっちこっち!」
一応女の子に声掛けてみたら、女の子は気づいたみたい。
フラフラな足取りで俺らの元に走ってきて、合流!
「ちょ、大丈夫ですか??傷だらけじゃないですか!」
「ひどい怪我!早く手当を・・・」
「ダメ!奴らが来る!」
アンジェとミュラが介抱しようとしたら、少女は追ってきた奴の存在を仄めかして、指差したんだけど、あーなんかキモい気配があるなぁ
ニナも気づいてるみたいだね、すげえ嫌な顔してるし。
「ご主人様ぁ、めちゃくちゃ臭いのが来るのですぅ、おぇ・・・」
「あぁ、そうだなニナ。吐くんじゃないぞ?あー・・・」
吐いちゃった。嗅覚が敏感なのも困りものだね。
俺らの前に現れたのは、3体の魔物?なのかな。
人型なんだけど、顔はぐちゃぐちゃで、手が異常に伸び短足。体全体が腐食してて、灰色と茶色を足したような色合いが気持ち悪いわ。
見た感じ、全身筋肉のような剥き出しの肌と血管みたいな筋が、身体中を覆ってる。マジでキモイ。
「な、なんなんですかあれ・・・」
「あんなの初めて見たよ・・・魔物なの?あれ」
「おえっ、キモイのです」
あんな化け物に追いかけられるなんて、この少女も不運だなあ。しっかし、どっから来たんだろ?っと!こいつら、魔法で攻撃してきやがる!!
紫色の魔法弾を、3体がそれぞれ発射してきて、とっさに3つまとめて横薙ぎで削除。
その追撃で長い両腕を、長槍みたいに伸ばし、突き刺そうとしてくるね。
向かってくる3体分の両腕合計6本を、みじん切りの如く細切れにして、とりあえず終了かな?っておいおい。
腕が再生してんじゃねえか!
「なんだアイツ!魔法は撃ってくるわ、腕は蘇生するわ、普通の魔物ではないだろあれ!」
そしたら、息を切らしてるボロボロの少女が、あれの名前を口にして出したよ。
「あれは、『テロス』」
テロス?




